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初任務
強敵
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洞窟の中は、入口からは想像もつかないほど広いみたいだ。そして、天井から水が垂れたり、川が流れてたりして、かなりジメジメしている。
「こんなところに敵が潜んでいるのか」
「ほぼ、確実にいるはずだよ」
3人は、変わらず自信満々なギガントの顔を見ていると、疑えなくなってきたようだ。
そして、しばらく洞窟内を歩いていると、火がついた燭台が洞窟の壁に設置されているのが見えた。誰かが住んでいるようだ。
「3人は、後ろに!先に行こう」
ギガントが3人の前に立ち、先に進もうとした。その瞬間・・
「後ろの警戒もしたほうがいいんじゃないんでしょうか?」
4人の誰でもない声が後ろから響いた。
「下がれ、3人共」
「フフッ。別に手を出す気なんてないよ」
声の正体は、金髪の女性だった。目つきからして、まだ敵意はなさそうだが、敵であることには変わりないだろう。とこの場にいる4人が、そう感じている。
「誰だ!」
「そんな怖い声を出さないで欲しいわね。まぁ、いいわ。私の名前はリリアよ。」
彼女の名は、リリアというようだ。
ギガントやランツェの顔から推測して、両者共その名に聞き覚えはないようだ。
「何者かは知らないが、事情聴取といこう。そして、ご同行してもらおうか」
「あら、何か聞きたいことがあるの。・・ここで出会ったのもなにかの縁ってことで、いいわ。教えてあげるわよ、何でも聞いて」
リリアはクスッと笑って、余裕そうにそう言った。
「なら聞くぞ!従業員2人、大鳥2体を操っていたのはお前か!」
「フフッ。その推測は、当たりね。そう!操っていたのは、私よ」
「何の目的のためにだ!」
ギガントは変わらず、声を荒げている。その声をリリアはうるさそうに聞いている。
「鉱石という燃料を、少しだけ分けてもらおうと思ってね。実験に大量に使うからね。従業員二人の体を同時に操って、怪しまれないようにしたつもりなのになぁ」
「そうか。じゃあ、もう聞くことはないな!それじゃあ、あとは、お前の身柄を王に引き渡すだけだな」
ギガントは、最初から巨大な槍を作り出し、構える。そして、敵の方を睨みつけ、いつでも突撃できる体勢についた。
「あら。私は戦う気はないって、言ったのに!そんなに勝負がしたいなら、外でしない?」
リリアはそう言うと、ギガントの返答を待つ間もなく、洞窟の外に出ていこうとしている。ランツェはそれを止めようと、リリアに向けて槍を振るおうとした。
「外まで我慢もできないの?あなたの部下は、不出来なようね。」
リリアは槍を受け止めると、ランツェの腹に蹴りを一発入れた。その場にランツェは膝を付き、苦しそうにしいている。
「はぁはぁ」
「そんなに痛かった?私、殴り合いはそんなに得意ではないんだけど・・」
倒れ込んだランツェをリリアは、見下したかのような目で見ている。
「ランツェ!」
サンダーはスピードを活かして、ランツェのことを抱えて戻ってきた。リリアもそのスピードに目が追いついていないようだ。
「んっ、早いね。私もスピードを鍛えたほうがいいと思うよ。」
リリアは、好奇の目でサンダーのことを見ている。やはり、サンダーのスピードはランツェが認めるだけのことはあるようだ。
「大丈夫か!ランツェ」
「心配は無用よ。少し痛かったけど、回復は済んだから」
リリアが再び出口の方に向かって、歩き出した。
「ランツェ。気持ちは分かるが、戦闘はまだだ。外まで我慢だ!」
「はい、すみません。ギガントさん」
その後、出口まで何もせず、歩いて行った。その間、リリアもギガントを含む3人がお互いに手出しをすることはなかった。
洞窟を出るとすぐ、リリアは立ち止まり振り返った。
「フフッ、それじゃあ、始めましょうか。特にそこの眼帯をした子、楽しみましょうか」
「ランツェ、まだ仕掛けるなよ。相手の出方を見てからだ!」
「私の出方?そうね。まずは、この4体に相手してもらいましょうか。」
リリアは、何か小さな筒のようなものを4つポケットから取り出すと、それを宙に投げた。投げられた筒は、空中で破裂すると、4つの大きな何かが姿を表す。
「何だ!?」
「私が所持しているペットの一部よ」
煙が晴れると、その大きな何かの正体が判明した。その正体は、4体の突然変異型生物だった。それもその内の3体は飛んでいる。
飛んでいないのも、中々な大きさはある。
「そいつを使ってくるのは想定はしていたが、ここまでの数とは・・」
「飛んでいないヤツは、俺がやります。残りは・・」
「いや・・飛んでいる3体は、ランツェと共にやる!リリアとそいつは、二人に任せる!」
ギガントはそう言うと、翼を生やし、飛び立って向かって行った。ランツェもコウモリの羽を生やして、後を追いかけた。
「早めにケリをつけないと・・」
リリアは、大型の生物の肩に飛び乗り、座った。
「それじゃあ、私の相手は君たちね。まぁ、こいつを倒せたらの話だけどね。」
「行くぞ、蒼」
「もちろん、任せてよ。」
この場所に来てから、初めて明確な敵との戦闘だ。どんな攻撃をしてくるか予測不可能だ。
二人は前まで、みたいに無闇やたらに突っ込むことは避け、慎重に戦うことを選んだ。
「こんなところに敵が潜んでいるのか」
「ほぼ、確実にいるはずだよ」
3人は、変わらず自信満々なギガントの顔を見ていると、疑えなくなってきたようだ。
そして、しばらく洞窟内を歩いていると、火がついた燭台が洞窟の壁に設置されているのが見えた。誰かが住んでいるようだ。
「3人は、後ろに!先に行こう」
ギガントが3人の前に立ち、先に進もうとした。その瞬間・・
「後ろの警戒もしたほうがいいんじゃないんでしょうか?」
4人の誰でもない声が後ろから響いた。
「下がれ、3人共」
「フフッ。別に手を出す気なんてないよ」
声の正体は、金髪の女性だった。目つきからして、まだ敵意はなさそうだが、敵であることには変わりないだろう。とこの場にいる4人が、そう感じている。
「誰だ!」
「そんな怖い声を出さないで欲しいわね。まぁ、いいわ。私の名前はリリアよ。」
彼女の名は、リリアというようだ。
ギガントやランツェの顔から推測して、両者共その名に聞き覚えはないようだ。
「何者かは知らないが、事情聴取といこう。そして、ご同行してもらおうか」
「あら、何か聞きたいことがあるの。・・ここで出会ったのもなにかの縁ってことで、いいわ。教えてあげるわよ、何でも聞いて」
リリアはクスッと笑って、余裕そうにそう言った。
「なら聞くぞ!従業員2人、大鳥2体を操っていたのはお前か!」
「フフッ。その推測は、当たりね。そう!操っていたのは、私よ」
「何の目的のためにだ!」
ギガントは変わらず、声を荒げている。その声をリリアはうるさそうに聞いている。
「鉱石という燃料を、少しだけ分けてもらおうと思ってね。実験に大量に使うからね。従業員二人の体を同時に操って、怪しまれないようにしたつもりなのになぁ」
「そうか。じゃあ、もう聞くことはないな!それじゃあ、あとは、お前の身柄を王に引き渡すだけだな」
ギガントは、最初から巨大な槍を作り出し、構える。そして、敵の方を睨みつけ、いつでも突撃できる体勢についた。
「あら。私は戦う気はないって、言ったのに!そんなに勝負がしたいなら、外でしない?」
リリアはそう言うと、ギガントの返答を待つ間もなく、洞窟の外に出ていこうとしている。ランツェはそれを止めようと、リリアに向けて槍を振るおうとした。
「外まで我慢もできないの?あなたの部下は、不出来なようね。」
リリアは槍を受け止めると、ランツェの腹に蹴りを一発入れた。その場にランツェは膝を付き、苦しそうにしいている。
「はぁはぁ」
「そんなに痛かった?私、殴り合いはそんなに得意ではないんだけど・・」
倒れ込んだランツェをリリアは、見下したかのような目で見ている。
「ランツェ!」
サンダーはスピードを活かして、ランツェのことを抱えて戻ってきた。リリアもそのスピードに目が追いついていないようだ。
「んっ、早いね。私もスピードを鍛えたほうがいいと思うよ。」
リリアは、好奇の目でサンダーのことを見ている。やはり、サンダーのスピードはランツェが認めるだけのことはあるようだ。
「大丈夫か!ランツェ」
「心配は無用よ。少し痛かったけど、回復は済んだから」
リリアが再び出口の方に向かって、歩き出した。
「ランツェ。気持ちは分かるが、戦闘はまだだ。外まで我慢だ!」
「はい、すみません。ギガントさん」
その後、出口まで何もせず、歩いて行った。その間、リリアもギガントを含む3人がお互いに手出しをすることはなかった。
洞窟を出るとすぐ、リリアは立ち止まり振り返った。
「フフッ、それじゃあ、始めましょうか。特にそこの眼帯をした子、楽しみましょうか」
「ランツェ、まだ仕掛けるなよ。相手の出方を見てからだ!」
「私の出方?そうね。まずは、この4体に相手してもらいましょうか。」
リリアは、何か小さな筒のようなものを4つポケットから取り出すと、それを宙に投げた。投げられた筒は、空中で破裂すると、4つの大きな何かが姿を表す。
「何だ!?」
「私が所持しているペットの一部よ」
煙が晴れると、その大きな何かの正体が判明した。その正体は、4体の突然変異型生物だった。それもその内の3体は飛んでいる。
飛んでいないのも、中々な大きさはある。
「そいつを使ってくるのは想定はしていたが、ここまでの数とは・・」
「飛んでいないヤツは、俺がやります。残りは・・」
「いや・・飛んでいる3体は、ランツェと共にやる!リリアとそいつは、二人に任せる!」
ギガントはそう言うと、翼を生やし、飛び立って向かって行った。ランツェもコウモリの羽を生やして、後を追いかけた。
「早めにケリをつけないと・・」
リリアは、大型の生物の肩に飛び乗り、座った。
「それじゃあ、私の相手は君たちね。まぁ、こいつを倒せたらの話だけどね。」
「行くぞ、蒼」
「もちろん、任せてよ。」
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