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側近選抜試験
試合−4
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ー蒼 対ルイスー
「行きますよ、ルイスさん!」
「フッ、来い!」
二人の会話の後、蒼は8本の刀を生成し、飛ばす。手馴しをするための、蒼の常套手段だ。
「まず、手始めは変わってないな!蒼。自分の技を味わうのは初めてなんじゃないのか。喰らうがいい『ウィンド・カウンター』」
ルイスは手に風の球体を作り出すと、飛ばした全ての刀を吸収されてしまった。そして、その吸収された刀を一塊にして、蒼の方に飛ばしてきた。
「おっと、危ない!間に合った!」
刀がカランカランと音を立て、地面に散らばった。
「やはり、このくらいじゃ当たらないよな」
「これはどう!」
蒼は、2本の刀、2本の斧、4本の槍を生成した。
「これは吸収できるか?!」
槍は一直線に、斧は回転したり、それぞれが不規則な動きをしながら、ルイスに攻撃を仕掛けている。
「確かにカウンターは無理だな。なら・・」
ルイスは両手に風を作り出すと、両手を左右に突き出した。その瞬間、一瞬の風の波動が起こり、全ての武器を弾かれてしまった。
「「(攻防完璧ってことか!隙は今のところなさそうだな)」」
お互いが自身の武器に手をかけ、睨み合う。
3秒後。シュンッという音がしたかと思うと、2人は切り合っていた。
蒼はルイスに武器を弾かれる暇を作らせることがないようにした上で、武器を命中させる隙を伺う戦法で行くことにした。
ルイスも似たような作戦を実行する予定だ。
「んっ!危ないな」
「ちっ!(オレが教えたこととはいえ、面倒だな)」
蒼の胴に剣が命中する直前のタイミングでバリアを発動させる。致命傷になりそうな攻撃だけは避けたい。
「(やっぱり、ルイスさんは剣技の腕前も一流並だ。だけど、オレだってな)舐めるな!」
蒼は力任せに思いっきり、刀を振った。その振りはルイスの剣に当たり、耳を突くほどの甲高い金属音が闘技場内に響いた。観客たちがワーッと歓声を上げている。
「かなりの上達はしているようだが、オレの剣すら押し返せないとはな・・」
「別に押し返す必要はない!」
「なっ!」
ルイスの真後ろの地面がバキッと音を立て、割れ始めた。その割れた地面の中から、2本の刀が飛び出してきた。ネオンと戦ったときに学んだやり方だ。
「防げるか!」
「ちっ!」
スッと風切音がした後、ズシャッと命中する音がした。よく見ると、ルイスの腕に切り傷をついている。
「少し痛いな・・だが、いい気になってると、大怪我を負うことになるかもしれないぞ」
ルイスが傷を負っているところを押さえている。血がポタポタと滴っているが、まだまだ余裕そうな声だ。
「(このまま、いけば・・)」
「さて・・第2回戦の始まりと行こう!」
ルイスが押さえていた手をそっと離した。
「えっ!(治癒魔法か?それとも・・)」
なんと、負わせたはずの傷が何もなかったかと疑うほど、傷口が閉じている。
「今からはオレも発動させてもらおう。『スプライト』!」
そう叫んだ瞬間、ルイスは、上空に舞い上がった。おそらく、精霊の力だろう。
「さて、どうするか。(過去の話で飛べるのはわかっていたが、オレは飛べないからな)・・なんて考えている暇はないな」
蒼はルイスが放ってきたいくつもの真空波を地面を蹴って避けようとした。ブンッという音が次々と迫ってきている。バリアを張ったはずなのに皮膚の一部が剥ぎ取られてしまった。風だから、盾の僅かな隙間を通り抜けることができたのだろうか。
「ぐあっ!(それに痛すぎる・・この皮膚を削られている感じ。それに、やっぱり風は相性が悪いな)」
「なぁ、蒼。痛いだろ、この攻撃・・ちなみに風化って知ってるか。風は時間をかけることで岩をも削ることができるんだ」
ルイスが少し得意げにそう言った。もちろん、その仕組みについて、蒼は知っていた。だが・・。
「そうなのか・・知らなかったな」
そう、わざとらしく答えた。
「だったら覚えて置くといい!オレの本気の力をもな!」
ルイスが再び風の力を溜め込みだした。その球は、キーンと耳を突くほどの高い音を出している。闘技場内の観客達がざわめいている。
「あれはもろに喰らったらやばい・・(念の為、バリアは発動することにしよう)」
「切り裂け!『シザーストーム』」
無数の風の刃が交差しながら、ゴォーッという音を立てながら、猛スピードで迫ってきている。
「(避けるのは・・間に合わないか・・)大怪我を負うよりかはマシかな・・」
蒼はその攻撃が消えるまで、バリアを展開し続けることにした。
その攻撃は目の前まで来た後、キリキリと音を立て始めている。盾が削られている。
「(痛い!だが、今は耐える。もう一度、不意打ちを・・)反撃の隙も無いってか」
予想通りだが、盾同士の隙間から風が入ってきている。それもさっきの技とは比べほどにもならない殺傷力だ。至る所をカッターで切られているかのようだ。
10秒後に、ようやく技が消え去った。
「早く降参した方が身のためだぞ。盾で軽減しているからといって、喰らい続ければ、腕が落ちるぞ」
「行きますよ、ルイスさん!」
「フッ、来い!」
二人の会話の後、蒼は8本の刀を生成し、飛ばす。手馴しをするための、蒼の常套手段だ。
「まず、手始めは変わってないな!蒼。自分の技を味わうのは初めてなんじゃないのか。喰らうがいい『ウィンド・カウンター』」
ルイスは手に風の球体を作り出すと、飛ばした全ての刀を吸収されてしまった。そして、その吸収された刀を一塊にして、蒼の方に飛ばしてきた。
「おっと、危ない!間に合った!」
刀がカランカランと音を立て、地面に散らばった。
「やはり、このくらいじゃ当たらないよな」
「これはどう!」
蒼は、2本の刀、2本の斧、4本の槍を生成した。
「これは吸収できるか?!」
槍は一直線に、斧は回転したり、それぞれが不規則な動きをしながら、ルイスに攻撃を仕掛けている。
「確かにカウンターは無理だな。なら・・」
ルイスは両手に風を作り出すと、両手を左右に突き出した。その瞬間、一瞬の風の波動が起こり、全ての武器を弾かれてしまった。
「「(攻防完璧ってことか!隙は今のところなさそうだな)」」
お互いが自身の武器に手をかけ、睨み合う。
3秒後。シュンッという音がしたかと思うと、2人は切り合っていた。
蒼はルイスに武器を弾かれる暇を作らせることがないようにした上で、武器を命中させる隙を伺う戦法で行くことにした。
ルイスも似たような作戦を実行する予定だ。
「んっ!危ないな」
「ちっ!(オレが教えたこととはいえ、面倒だな)」
蒼の胴に剣が命中する直前のタイミングでバリアを発動させる。致命傷になりそうな攻撃だけは避けたい。
「(やっぱり、ルイスさんは剣技の腕前も一流並だ。だけど、オレだってな)舐めるな!」
蒼は力任せに思いっきり、刀を振った。その振りはルイスの剣に当たり、耳を突くほどの甲高い金属音が闘技場内に響いた。観客たちがワーッと歓声を上げている。
「かなりの上達はしているようだが、オレの剣すら押し返せないとはな・・」
「別に押し返す必要はない!」
「なっ!」
ルイスの真後ろの地面がバキッと音を立て、割れ始めた。その割れた地面の中から、2本の刀が飛び出してきた。ネオンと戦ったときに学んだやり方だ。
「防げるか!」
「ちっ!」
スッと風切音がした後、ズシャッと命中する音がした。よく見ると、ルイスの腕に切り傷をついている。
「少し痛いな・・だが、いい気になってると、大怪我を負うことになるかもしれないぞ」
ルイスが傷を負っているところを押さえている。血がポタポタと滴っているが、まだまだ余裕そうな声だ。
「(このまま、いけば・・)」
「さて・・第2回戦の始まりと行こう!」
ルイスが押さえていた手をそっと離した。
「えっ!(治癒魔法か?それとも・・)」
なんと、負わせたはずの傷が何もなかったかと疑うほど、傷口が閉じている。
「今からはオレも発動させてもらおう。『スプライト』!」
そう叫んだ瞬間、ルイスは、上空に舞い上がった。おそらく、精霊の力だろう。
「さて、どうするか。(過去の話で飛べるのはわかっていたが、オレは飛べないからな)・・なんて考えている暇はないな」
蒼はルイスが放ってきたいくつもの真空波を地面を蹴って避けようとした。ブンッという音が次々と迫ってきている。バリアを張ったはずなのに皮膚の一部が剥ぎ取られてしまった。風だから、盾の僅かな隙間を通り抜けることができたのだろうか。
「ぐあっ!(それに痛すぎる・・この皮膚を削られている感じ。それに、やっぱり風は相性が悪いな)」
「なぁ、蒼。痛いだろ、この攻撃・・ちなみに風化って知ってるか。風は時間をかけることで岩をも削ることができるんだ」
ルイスが少し得意げにそう言った。もちろん、その仕組みについて、蒼は知っていた。だが・・。
「そうなのか・・知らなかったな」
そう、わざとらしく答えた。
「だったら覚えて置くといい!オレの本気の力をもな!」
ルイスが再び風の力を溜め込みだした。その球は、キーンと耳を突くほどの高い音を出している。闘技場内の観客達がざわめいている。
「あれはもろに喰らったらやばい・・(念の為、バリアは発動することにしよう)」
「切り裂け!『シザーストーム』」
無数の風の刃が交差しながら、ゴォーッという音を立てながら、猛スピードで迫ってきている。
「(避けるのは・・間に合わないか・・)大怪我を負うよりかはマシかな・・」
蒼はその攻撃が消えるまで、バリアを展開し続けることにした。
その攻撃は目の前まで来た後、キリキリと音を立て始めている。盾が削られている。
「(痛い!だが、今は耐える。もう一度、不意打ちを・・)反撃の隙も無いってか」
予想通りだが、盾同士の隙間から風が入ってきている。それもさっきの技とは比べほどにもならない殺傷力だ。至る所をカッターで切られているかのようだ。
10秒後に、ようやく技が消え去った。
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