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紙切れ
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「ごめんごめん、私がちゃんと片付けるから」
焦ったようにバックをまさぐり続ける数馬に、私は戸惑いながらも呼び掛けた。
「中身、見たりしてないよね?」
「え?」
心がひんやりと冷たくなる。
「中身、落としたとき見てない?」
外でまた落ちた雷が、動揺した表情の数馬の顔を照らす。
「やだ、なんでそんな怖い顔してるの…」
「やっぱり」
数馬が、はぁ、とうつむいてため息をつく。
「何か見たでしょ、美穂。」
「え、何かって?」
思わず私は、自分のポケットにしまいこんだ紙切れを外側から握りしめる。額の汗が流れてきそうなほど心臓が鼓動していた。
「だから、何かだよ、何か。」
「……」
さっき感じた嫌な予感を再び感じながら、私はうじうじと紙切れをポケットから出した。
「これ……」
数馬の手が、紙切れを私の手から取っていく。一瞬当たった彼の指は、恐ろしく冷たかった。あんなに温もりがあった彼とは別人のようで、身がすくむ。
「あーあ、こうゆうの勝手に見るかなぁ普通…」
「へ?」
「あんまり詮索はしすぎるなよって言ったよね、俺。」
「ど、どうゆうこと?何言ってるの数馬」
状況が呑み込めない。最初はびくついていた雷の音にさえも麻痺してしまった。
「え。嘘だろ美穂、あの時言ったこと、まさか覚えてないの?」
「あの時って?」
「だから、俺がお前を最初に抱いた日。」
最初に関係を持った日……。甘い記憶が頭を覆う。
焦ったようにバックをまさぐり続ける数馬に、私は戸惑いながらも呼び掛けた。
「中身、見たりしてないよね?」
「え?」
心がひんやりと冷たくなる。
「中身、落としたとき見てない?」
外でまた落ちた雷が、動揺した表情の数馬の顔を照らす。
「やだ、なんでそんな怖い顔してるの…」
「やっぱり」
数馬が、はぁ、とうつむいてため息をつく。
「何か見たでしょ、美穂。」
「え、何かって?」
思わず私は、自分のポケットにしまいこんだ紙切れを外側から握りしめる。額の汗が流れてきそうなほど心臓が鼓動していた。
「だから、何かだよ、何か。」
「……」
さっき感じた嫌な予感を再び感じながら、私はうじうじと紙切れをポケットから出した。
「これ……」
数馬の手が、紙切れを私の手から取っていく。一瞬当たった彼の指は、恐ろしく冷たかった。あんなに温もりがあった彼とは別人のようで、身がすくむ。
「あーあ、こうゆうの勝手に見るかなぁ普通…」
「へ?」
「あんまり詮索はしすぎるなよって言ったよね、俺。」
「ど、どうゆうこと?何言ってるの数馬」
状況が呑み込めない。最初はびくついていた雷の音にさえも麻痺してしまった。
「え。嘘だろ美穂、あの時言ったこと、まさか覚えてないの?」
「あの時って?」
「だから、俺がお前を最初に抱いた日。」
最初に関係を持った日……。甘い記憶が頭を覆う。
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