がらくとぽんこ 〜あるいは、未知のエネルギーを独占した大英雄もしくは大悪党の物語〜

ブルー・タン

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第三章 魔法陣(進展)編

028_ガラクとみんなでお買い物(当日、その1)

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 当日の朝は詠唱の練習をそこそこで切り上げ、今日購入するべきものをリストアップすることにする。
 購入する物品のカテゴリーとしてはまずは作業部屋に置きっぱなしにするための什器とプラグに繋ぐ有線タイプの工作機械各種で、これらはビックマン側に勘ぐられないようにするためのカモフラージュの意味もあるため購入した商店に搬入も含めて依頼をする必要がある。
 その際に商店の店員に聞きながら作業工程であると便利な道具類を一緒に購入すると手間が減るのでそれも忘れずないようにする。
 収納魔法を使えば設置作業はガラク1人でできるものの、それではカモフラージュの移民がないと思われるため、搬入の際に立ち会う必要がある。
 それから、アイアンゴーレムに使用する企画の整ったパーツ、特にベアリングなどの現在のガラクでは作成が難しいものを中心に購入する必要がある。
 最終的な成果としてロードに話をすることや、現在はまだ素体作成まで作業工程が進んでいないことも考えると、搬入に必要な日数を確認した上でお願いするほうが何かと都合が良いだろうが、現在はまだ設計が完了していないため購入は見合わせることにする。
 ゴーレムの材料については素体の基礎部分となる大きな金属パーツについてはR/R社に廃棄物の中から適当なものを見繕って直接販売してもらった体で搬入しても会えないかクロスタに相談してみるつもりでいる。
 最後に魔法発動の教材作成のための機材。
 画像を撮影機材で直接写してデータ化してそれを共有すれば問題ないだろう。
 これについてはできるだけ早く教材となるページをデータ化しないと勉強が捗らないのでその場で受け取って持ち帰る。
 どの製品がいいかはお金持ちのクロスタが一番詳しそうだから彼女に決めてもらうことにする。
 他のものはみんなに相談して必要そうなものを買い揃えていけば良いだろう。
 現状で考えつく購入物品を書き出すと
①什器類
 ・事務用机と椅子×1セット(魔法陣の研究とかで使用)
 ・作業テーブル×2台
  用途としては大型の金属を乗せて組み立てや魔法陣の刻印を直接するための台と、優先式の大型工具などを設置するための台として
 ・作業用椅子
  作業テーブル間を座ったまま移動可能なようにキャスター付きの稼働椅子が望ましい
 ・棚(見られても困らない範囲のものを色々と収納するため)
②工具類については専門ではない部分も多いので用途に応じてその場で判断
③撮影機材(動画・静止画両用)
 買い物以外では日用品やお茶のリキッド、スクラには小物の他に耐熱の魔法が使えるようになってから着る衣服、クロスタとパリスはガラクの買い物に付き合ってもらうのだから昼食は奢った上で何かプレゼントしてもいいだろう。
 ガラクにとって、今までの人生でこんなに大きな金額での買い物は初めてのため出かける前から緊張してきていた。
 ただ、いざとなればクロスタに頼れば大丈夫だろうという思いもあり、心の中に楽観的な部分も残していた。
 概ね買うものが決まったところでそれをターミナルに記録し、部屋の資材を片付けて自宅に向かった。

 自宅に着くと普段はまだ寝てる時間にも関わらずスクラがすでに起き出しており、いつもどおり黙って入るとおかえりと出迎えてくれた。
 朝食の準備をしながらスクラにガラクでは女の子の洋服を選べないが、耐熱魔法を覚えた後に着る服も今のうちから揃えていく必要があるから、大型商店でクロスタに相談して洋服を何着を選ぶのを手伝ってもらって、それに合うアクセサリーも一緒に買っていいと話をした。
 そう告げられたスクラは奇声を上げながら踊りなのか体をくねらせているだけなのかよくわからない動きをしながら家の中を動き回り、まだ朝食も済ませていないのに早く行こうとせかし始めた。
 叔母が亡くなってから1年以上の間はかなり切り詰めて贅沢ができない生活をしてきたが、その反動が原因でかなり酷い興奮状態になってしまったようだ。
 どうにか宥めて食事を取らせ、今出発してもまだお店が開いてないし集合場所にクロスタとパリスが来てないからまだ出発できないと宥め、出かける前に顔を洗って着替えなさいと宥め、家を出る時間になるまでガラクはスクラを宥め続けた。
 家を出る時間になり、自宅前にヴィークルモドキを取り出して出発する準備が完了したころにはガラクはすっかり宥め疲れてしまい、今度スクラに喜ぶ話をするときは事前に話をするべきだと魂の奥底まで学習した。
 スクラにヴィークルモドキに乗るように促すと、それまでの狂態は何だったのかというくらい静かになり、いそいそと後部座席に乗り込んで安全ベルトをつけたのを確認し、てっきり助手席に座るかと思っていたガラクだが、静かにしているなら特に問題ないと判断してR/R社へ向かってヴィークルモドキを発信させた。
 社屋前に近づくと2人が見えてきたが、社交的なパリスがクロスタに話しかけているように見えた。
 仲良くしてくれるなら問題ないと思いつつ2人の前にヴィークルを停めて声をかけた。
「おはよう。待たせた?」
「兄貴、おはようございます。全然問題ないっす」
「別に待ってないわ」(楽しみすぎてちょっと早くきすぎちゃったけどガラクはきにしないで。の意)
 声をかけられた2人は、1人はいつも通り残りの1人はある意味いつも鳥の返答を返しつつ、パリスがさっさと後部座席に乗り込むのを見届けたクロスタが当然のように助手席に乗り込んだ。
「4人だけの時は普通に魔法の話をしても大丈夫だから」
 と話しつつヴィークルモドキを発信させ、大型商店に向かいながら今日の買い物の予定について話をしておく。
「今日買うものの中で、撮影機材とスクラの洋服については詳しくないからクロスタにアドバイスがもらいたいんだけど」
「別にいいわ。ガラクは頼りないわね」(もちろんよ!ガラクから頼ってくれるなんて嬉しいわ!の意)
「あとは作業部屋におく家具とか工具はパリスにも一緒に見てもらいたいんだ」
「自分で良ければ一緒に見るっすよ」
 などと会話を交わしつつ大型商店に向かった。
 途中、パリスとスクラが交わしていた会話がキャプテンシートには聞こえなかったが、みんなが仲良くしてくれるならと気にも留めなかったし、その間はクロスタと他愛無い雑談をしていたのでガラク的には全く問題はなかった。
 およそ1時間弱、ガラクが間に入りつつもそれなりにうちとけた頃に居住区内にいくつか点在する大型商店のうち、R/R社の社屋から一番近い店舗が見えてきた。
 一般的には大型商店と呼称されているものの、総合施設的な大きな建造物があるわけではなく、同系列の店舗が区画ごとに配置された巨大な問屋街といった・・・
 大型商店に併設されたヴィークルの発着場は駐車料金がそれほど安くないものの、いろいろな業種に必要な商品も取り扱いがあることに加え、公休日であるためにそれなりに混雑していた。
 ガラクはヴィークルモドキを商店の入り口から少し離れた人目につかない場所に停めて移動魔法を終了しながら、3人に対しヴィークルモドキは収納魔法に格納するので手元に持っていく必要のある荷物があれば持っていくように声をかけた。
 スクラとクロスタは肩からかける小さな鞄を持ち、パリスは手荷物は特に何も持ってきてないといいヴィークルモドキの外に出た。
 ヴィークルモドキを収納魔法に格納しながら、買った荷物は物陰で収納魔法に格納して歩けばいいのでどの店舗から回ってもいいかなと考えたガラクは待っている3人に対して声をかけた。
「じゃぁ、どこの店舗から回ろうか」
 ガラクの言葉にスクラがいの一番に声を上げた。
「お洋服!」
 その声に3人の方に視線を向けると、クロスタはスクラの発言いニコニコしながら良いわねと同意したが、パリスが驚愕と絶望をない混ぜにした表情をしてガラクの方に歩み寄ってきて、小声で呟いた。
 「兄貴、最初に洋品店はまずいと・・・」
 パリスが全てを言い終わる前に収納魔法へヴィークルモドキの格納が完了したのを確認したスクラは、ガラクの片手を掴むと半分引き摺るようにして商店の入り口に向かって移動を開始してしまった。
 その様子を見て絶望の表情を深めたパリスだったが、引き摺られているガラクからは全くそれが見えていなかった。

「・・・2人ともそろそろ昼食に行かないか?」
 そう切り出したガラクは、すでに自分の衣服とパリスに付き合ってもらうお礼としての衣服の選定を済ませ支払いまで完了していた。
 基本的に居住区の衣料品店で販売している衣服は分子分解した素材から作り出される頑丈だが飾り気が無く、色数もそれほどない布地を加工して販売している。
 そのため、どの店舗も作れるデザインにそれほど選択肢が多いわけではない中、それでも売り上げを上げるためと各商店が少しでもオリジナリティーを出すために鎬を削っているような業種だ。
 衣料としては発掘した廃棄物からのリメイク品や宝飾品といった高級品を取り扱う商店もあるが居住区に住んでいる一般的な住人が訪れる区画とは全く別の区画になる。
 クロスタの家は企業経営をしているだけありそれなりに裕福であり、そういった区画における買い物の経験もあるものの、日常的に着る衣料まで高級品で揃えているわけではなく、あくまで必要に応じて着用するために数着持っている程度である。
 現にクロスタが今日着ている服もこちらの区画の商品だが、母親譲りのセンスの良さが光っているのか非常に洗練された着こなしとなっている。
 それが災いしたと言って良いのか、スクラにとっては良かったと言って良いのかわからないが、コーディネートにこだわりのあるクロスタがスクラに好みを聴きつつ色々と教えながら色々な店舗を周り、すでに8店舗目に突入していた。
 ガラクが勇気を出して2人に提案に対し、
「そうね。お洋服はだいぶ揃ってきたから小物は午後に回って買いましょうか」
 2人が絶望した。
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