がらくとぽんこ 〜あるいは、未知のエネルギーを独占した大英雄もしくは大悪党の物語〜

ブルー・タン

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第三章 魔法陣(進展)編

029_ガラクとみんなでお買い物(当日、その2)

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 4人は大型商店の中央付近にあるイートインまで移動してきたものの、買い物のない家庭も公休日の昼食時を摂るために足を運んでいるためにかなり混雑していた。
 イートインスペースは巨大な六角形をしており、所々に樹木を模したホロのモニュメントが風に吹かれて揺れており、中央にはホロなどの技術を駆使して触感はあるけど濡れない水の巨大な噴水モニュメントが一定時間ごとに水流の変わる演出を映し出しており、居住区の中で数少ない涼の取れる遊び場として人気で子供達がその中に入り込んでいる。
 イートインと言ってもいくつかの受け取り口に置いてある食事を各自でテーブルに運ぶスタイルなので、メニュー選択肢はあまりない。
「お兄ちゃん、私とパリスさんで食べるもの買ってくるからクロスタちゃんと席を取っておいて」
 残ることになった2人はそれぞれ食べたいメニューを告げ、ついでに支払いはガラクにつけるようスクラに指示てから空き席を探して動き出した。
 2人で話し合って体の大きなクロスタが空き席を探し、すばしっこいガラクが急いでその席を確保しに行くという分担になった。
 それなりの人混みが発生しており、入り口や受け取り口の周りはほぼ席が埋まっており、噴水モニュメントの周りの席は家族連れが席を埋めている。
 噴水モニュメントの周りが空いていれば、食後に少しみんなで涼んでから買い物に戻ってもよかったが混雑具合を見る限りそれは無理そうなので、そういった混雑しているエリアから少し離れたあたりに席を確保して大まかな場所をスクラに連絡した。
 時間帯的に受け取り口が混在しているのかしばらく戻ってこない2人を待ちつつ、休学扱いとなっている学校のクラスメイトはどうしているかなど他愛ない話題でのんびり過ごした。
  スクラとパリスの2人の合流はガラクが思っていたより時間がかかったが会話が弾んだため退屈することもなく無事に4人分の食事が確保された。
 食事を始めるとガラクから
「クロスタ、衣料の買い物がまだ続くなら、その間にパリスと2人で作業部屋に設置する什器類を選んでくるよ。撮影機材を選びに行くのはその後に合流してからにしよう」
 と提案した。
 その提案を聞いたクロスタとスクラはしまったという表情を、パリスはどこかほっとした表情をそれぞれ浮かべた。
「でも、みんなで一緒に買い物したほうが楽しくない?」
 クロスタ若干の抵抗を見せたものの、衣料品だけで午前中を費やしてしまっているためこのままでは今日中に当初予定していた買い物が完了しないほど時間を費やしていることもわかっており、珍しく弱々しい物言いとなっていた。
「うーん、僕の作業の都合で悪いんだけど今日中に買っておかないといけない物も多いんだよ。スクラと2人洋服の買い物が終わったら合流してくれればそんなに変わらないじゃん?」
 そうまで言われてしまうとそれ以上の抵抗はできなかった。
 若干名が少ししょんぼりしたまま食事を終え、ガラクとパリスが分かれて商店の目的の店舗に向けて移動し始めると後ろから「クロスタちゃんごめんね・・・」という声が聞こえてきたが、服を選んでいる間に何かあったのだろうかと疑問に思ったが後でガラクからも誤っておこうと思ってそのまま歩みを進めた。
「早めに作業台とかを設置しておかないと大っぴらに作業できないのに次の公休日まで待ってたら色々と遅れそうだからね」
 と言い訳しつつまずは作業用の什器類を取り扱っている商店に向かうことにした。
「兄貴、色々と忙しいとは思うんすけど、ビッグマンでの作業とかも手伝わせてくれないっすかね。横で見学させてもらうだけでもいいんす」
 パリスの提案についてちょっと考えるが魔法を練習し始めたことだしパリスが嫌じゃないなら特に問題はない。
「作業に集中してると放置する時間もあると思うけど大丈夫?」
「自分から言い出したことっすから。やることがない時間は兄貴の都合が良ければタブレット貸してもらえると嬉しいっす」
「それが目的?全然いいよ」 
 突っ込むとちょっと照れくさそうな顔をしながら
「自分も早く魔法が使えるようになりたいっすよ」
 と素直な回答が帰ってきた。
「じゃぁ空いてる時間に魔力操作の練習もしようよ」
 と話しながら目星をつけていた工業用品などをり扱っている店舗に辿り着いて入店し、1階は工具類が主な商品のため工業用の什器類を展示している2階部に上がっていく。
 どうせなら一店舗で揃えた方が楽だろうからできるだけこの店で揃える予定だ。
 事務用の机と椅子は先ほど話が出た通りパリスも作業部屋にくるのだからと、2人分購入することにして、ビッグマンで使用する前提なのでガラクやパリスが使いやすい小柄な獣相の人向けの比較的背の低いものを選んだ。
 作業用のテーブルは底部に多数のキャスターがあるパリス1人でも動かせる可動式のものを選び、その作業用テーブルのサイズに合わせてこちらもキャスター付きの作業用椅子をそれぞれ二つ目星をつける。
 棚はある程度の資材をまとめて置けるように棚の段数が違うものを4台ほど選んだ。
 このての作業は力仕事である場合が多ため、体が大きな人向けのものが大多数で2人が使用するのに問題ないサイズのものはあまり選択肢がなかったため、選び終えるのにそれほど時間は要しなかった。
 購入する什器を全て決定したところでフロアにいた穴熊の獣相の店員に声をかけて配送の手配も含めて会計を済ませる。
 店員も最初は年若い2人がこれだけの買い物ができるのか不安だったようだが、支払い処理が滞りなく完了したことに若干安堵しているようだった。
 会計を済ませた後、穴熊の店員に金属加工用の有線の工具類を選びたいと相談したところ、1階のフロアリーダーに直接引き合わせると言ってくれたので、2人はお礼を言って店員について1階に向かう。
 フロアリーダーはビーバーの獣相で店舗名の入った腕章をした男性で、どういった用途の工具が必要なのか確認をしてきた。
 これらの工具は実際に使うことも想定されるが、ある程度は魔法でどうにかする予定で、あくまでビッグマンに対するダミー的な扱いのため、あまりよく考えていなかったものの、金属板を曲げたり伸ばしたりする工具、それらを溶接するための工具、ボール盤あたりをまず揃え、不足があれば買い足す旨を伝えた。
 また、店員側にはそう言った仕事をしている人が購入するそれらの工具を使用するためのビットや消耗品の類も合わせて購入したいので、一通り揃えてもらうようにお願いした。
 全て揃えるのに30分から1時間程度かかるので、もし他に買い物がある用であれば別室に整えた段階で連絡をするので他の店舗に足を運んでもらっても良いという提案を快く受けて一度退店することにした。
 電子機器類の店舗は区画的にそれほど離れていなかったため、まずは製図用の端末とソフトウェアの購入をするため専門店に入る。
 個人経営の店舗だったため、店主が他の客の相手を追えるまで少し待たされたものの、2人で選ぶには不安があったため終わるのを待って声をかける。
 店主に用途等を伝えて相談をしたところ、一般的な端末よりも業務用の色合いが濃いスペックの高いものの方が良いというアドバイスに従い、端末はフルスペックで、ソフトウェアは素人からプロフェッショナルまで幅広い層で人気のある汎用的かつ使い方の紹介などの情報が集めやすいものを紹介してもらい、それらも2人分購入した。
 即金で購入したことに気をよくした店主が、設置やソフトウェアの使い方でわからないことがあったら教えるからと持ちかけてくれたので、設置は配送の際にお願いしますと言葉を交わし、連絡先を交換してた。
 電子機器類の説明を受けている途中でクロスタから衣料類の購入は終わったので撮影機材等を取り扱っている店舗で合流したいと連絡が入っていたため、店舗を出るとそちらに向かって移動した。
 指定の店舗に入ると小柄で目の大きな猿類の獣相の店員がクロスタ相手にガラクではちょっと取り扱えなさそうな大型でほんか苦的なの機材を売り込もうと必死に商品の説明をしているところだった。
 手を振りながら2人に合図すると、猿の店員が訝しげな視線をこちらに向けてきたが無視してクロスタに声をかける。
「2人ともお待たせ。スクラは満足できる服が買えた?」
「クロスタちゃんが選んでくれた服、すっごく可愛いんだよ!ヘアゴムとかも買ったから後で見せてあげる!」
 イートインでの別れ際のことはどこへやら、物凄く上機嫌でクロスタがいかに凄いのかをアピールしてくるものの、ガラクにしてみればクロスタが頼りになるのは周知の事実であるため、ある程度聞き流しながらクロスタに話題を振った。
「スクラの服、ありがとうね。迷惑かけなかった?」
「別に迷惑なことなんてないわ」(スクラちゃんはすごくいい子だったらお買い物もすごく楽しかったわ。の意)
「女の子の服なんて選べないから本当に助かったよ」 
「そうね。あなたいつも同じ服だから私がいくつか選んでおいたわ」(そういうのは得意な私にいつでも任せてくれればいいのよ。ガラクの分の服もかっこいいやつ選んでおいたから、今度お出かけするときはそれ着てきてね。の意)
「本当に?ありがとう。こっちの買い物も大体終わってるから、予定どり撮影機材はどんなのがいいのかおすすめがあったら教えてね」
 そんな会話をしながら店内の物色を始めるガラクの後ろをついて歩くクロスタ。
 残りの2名はというと、パリスが喉が渇いたので4人分の飲料を買いに行くと言い出し、スクラがそれについて行ってしまった。
 スクラはちょっと人見知りなところもあったと思ったが、いつの間にか成長してるんだなと思いながらクロスタと撮影機材を見て回る。
「私が使うならさっき店員が勧めてきた機材もいいけど、ガラクなら取り回しのしやすいこっちがいいと思うわ」
 先程の店員は買い物に来たのは身なりのいいクロスタだと思っていたところ、主体はガラクだということに気がついたのか、先程クロスタに説明していたのと同じ勢いで色々と商品をガラスケースの上に並べながらそれぞれの特徴などをガラクに対して説明を開始する。
 紹介された撮影機材の中からクロスタと相談しつつ多少高額ではあるものの取り回しがよく使いやすい一品を選び購入を伝えると、クロスタもガラクと合流する前に説明されていた商品の中から気にいいたものを選んで購入することにしたようだ。
 一般的にはかなりの高額商品である撮影機材ががいっぺんに二つも売れたことに気をよくし、店員は商品を入れた袋を持って店外まで出て見送ってきて見えなくなるまでありがとうございますを声をかけてきていた。
 店の外で待っていた2人と合流した4人は、姿が見えなくなるほど離れてから面白い定員だったと笑い合いながら工具の店に向かって移動した。
 
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