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アロウスの街
しおりを挟む2日野宿した。人生初野宿!
ぐっすり眠れないし、虫居るし最悪だった!
「着いた!アロウスの街!」
「おおお!」
街に入る通行証を見せ城門をくぐると、石畳の舗装された道とそれに続くお城並にデカい教会がある。教会の前にはもふもふ神とは思えない立派な銅像が立っている。
街は、宿屋とかレストランとかは少なく旅人にはちょっと物足りなさがある。聖都なので当たり前なのだが外から来るのは信仰している人が多めだ。
「宿屋探しますか!」
荷台から街を見渡した後、エルにそう呼びかける。
「そうだね、馬車を置いて来るからちょっと待ってて!」
どこの街も旅用の馬車で街中は移動しない。街用の小さな馬車はある!
大きな馬車は城門近くに無料で置かせて貰えたりする。
「お待たせ、行きましょう!リタ!」
手を差し伸べられ、小さな身体で転けるのも大変だ。掴まってやるか!
「宿屋、森の道…ここともう1件しかないみたい。」
「何処で地図手に入れたの?」
「内門番さんが配ってた。」
抜け目がないというか用心に越したことはないと思う。いくら平和だからといって魔物が居ない訳ではないから。
まぁ、俺は神の加護があるからな!
「リタは異世界ではいくつ位だったの?可愛い女の子だったの?」
人はその人に興味があると質問ばかりするな!
「私は、27歳のサラリーマンだった。あ、サラリーマンじゃあ通じないか!男性で、仕事をしていた。1日の仕事が終わって帰る途中で事故ったんだ。」
「じゃあ、男性も女の子の気持ちも分かる子なんだね!」
何か、エルを見てると前向きというか万人に愛されそうな奴だな!変態だけど!
話しをしながら宿屋に向かってると急に街の中がざわめき始めた。
「や、やめてください!」
大柄の男に腕を掴まれて叫んでいる女性が道の真ん中にいた。これって避けられないフラグじゃん。助けるか!
「待て!」
真っ先に声を出したのはエルフォードだった。さっきまで手を繋いで居たのにもう2人の前に居る。
「なんだ、お前!」
歩いていた街の人が数人立ち止まって見ている。争いの嫌いな神様を崇拝している街の人だ、手出しはしないだろう…しかも手を出すと捕まったりするかもしれない。
エルは勇敢に立ち向かっていったけど、これは正しい選択なのか迷うところだ。
「女性に暴力は良くない!」
「この女はなぁ、借りてる金を返さねぇから売られて行くんだよ!」
「返すのが少し遅れているだけなんです…必ず返しますから、どうかお願いします」
女性は弱々しく嗚咽を吐き出す様に言葉を発する。
仕方ない!
「おじさんおじさん!」
ツンツンと腕を掴んでいる大柄の男の腰辺りをつつく。
途端に周りの空気が変わる。
【スキル神の加護、寵愛発動します⠀】
通行人や大柄な男、周りの全ての生物が俺の周りに集まる。
え?何事ですか!
「お嬢ちゃん、おじさんが悪かった。今日は帰った方が良いみてぇだ」
「おお、神よ!」
「リタ、可愛いな!」
何か気持ちの悪い能力だな、むやみに使うものじゃないな…
「どうもありがとうございます!お名前を聞いても良いですか?」
大柄な男は去り、開放された女性が深々と頭を下げる。
「リタです。良かったお姉さんが無事で!」
「そこの森の道という宿屋が私の家なんです!旅人さんでしょ?泊まって行きませんか?」
なんという偶然、幸運のスキルまで神様付けてくれたのか?
「私は宿屋の娘、モナと言います!助けてくれたお礼に宿代安くしますよ!」
「モナ…安くしたらまた取り立て来ますよ!」
宿屋の娘モナに案内してもらい森の道に着く。出迎えたのは料理をしているモナのお父さんと少し病弱なお母さんとモナの兄妹達だった。
2階の窓の広い部屋を取って食事が出来るまでの間にエルと俺は好きな事をすることにした。
俺は取り敢えず窓から街を眺めながら休む事に、エルは夕方には帰って来るからと出ていった。
コンコン
「リタ!入ってもいい?」
「どうぞ!」
木で出来た扉を両手で開けるモナが入って来て、窓の近くで座っている俺の正面に座った。
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