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アロウス神
しおりを挟む「な、なんでいるでしゅか!」
何か聞き覚えのあるイライラする口癖だ。
「びっくりしたか?ってなんだこれ…」
逆にびっくりする事になるとは思わなかった。
神が居る周りはゴミ屋敷並みに酷い状態になっていた。口元には何か食べていたであろう食べカスと、左手には日本でも異世界でも見たことも無い飲み物を持っていた。
「は、恥ずかしいから見ないでほしいでしゅ…」
本当に恥ずかしいのか言葉の終わりにいくにつれて小声になる。
「神がこんなぐーたらで良いのか?魔王も倒すのが面倒だから魔王を誕生させないで平和な世界にしてるんじゃないのか?」
「ギクっ!!!」
何かもう怪しさ満点なんだが…
「これでも頑張って世界を回してるでしゅ!僕達は365日休み無いでしゅ!神様の仕事はブラックでしゅ!うっ、うぅ…」
神様が嗚咽を出しながら泣いている。
何か可哀想にもなってきた。
「魔王が誕生すると世界を回すのが大変なのか?」
「そうでしゅ、魔王の設定とか特技とか色々決めなきゃいけないでしゅ」
設定と言い出した!もう隠す気も無いみたいだな。俺は此処に来て良かったのか?
「取り敢えず、片付けるか!」
神様の居るこの異次元で4時間神の部屋を掃除した。
どこの世界に転生した人間が神様の部屋を掃除するという奇妙な現象が起こるのかが分からない。
「ありがとうでしゅ!綺麗でしゅ!」
「それで、此処に来た理由なんだけど…」
「それよりどうやって来たでしゅか?」
神様が話しながら、日本のお茶を急須に入れて持ってきた。懐かしい良い匂いがする。
「聖都アロウスの教会に今居るんだ。」
「ま、まさか僕の真の姿の前でお祈りした?」
神様の顔が引きつる
「うん!」
「それが原因でしゅよ!神聖なるアロウス神である僕に祈りを捧げると僕に会えるんでしゅ!ちなみにこちらの世界の人が祈りを捧げても僕には会えないでしゅ!」
「ちなみに、こちらの世界に巫女とか神に仕える人は居るのか?神とコンタクト取れる様な…」
知りたい事をどんどん聞いていく。今回は結構長い間この異次元に居る気がするが、時間はあまり関係ないのか?
「えーと、巫女は僕の声が届く者が今のところいるでしゅ!そんなに多くは無いけど…ちなみに、この異次元に長く居ると反動が怖いでしゅ。頭痛、目眩、吐き気とかでしゅかね!」
早く言って欲しかった!
やはりこの神様はちょっと天然だな!
「だれが天然でしゅか!さ、そろそろ反動キツくなるから帰るでしゅよ!」
目の前がゆっくりと光に包まれる。
「また1週間後くらいに来るでし…ゅ…!」
目を開けると頭痛と吐き気に動けなかった。その場でジッとしていると横でお祈りをしていたモナが心配そうに見てきた。
「大丈夫?」
「ちょっとヤバいかも…」
身体の平衡を保てなくてその場に倒れてしまう。それからその日はどうやって宿まで帰ったのかも分からないまま朝を迎えた。
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