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⒎過保護ですわ

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「どこがいいと思う?」

 夜ご飯を食べ終わって、家族みんなを呼び止めた私はアンケートをとってみました。

「そうねえ…ルダはどんな感じで婚約破棄したいの?」

 お母様が尋ねます。

「できれば広くて、みんなが聞くような場所がいい」

「ルダは覚悟ができたんだね?」

「うん!」

 お父様が真剣な顔で尋ねるので、私も真剣に答えました。それならいい、とお父様が言うので私は少しほっとします。

「それなら、学年集会がいいんじゃない?」

「学年集会?」

「そう。あなたは今まで参加してなかったから知らないかもしれないけれど、私たちが通う学園では年に一度、同じ学年の人が全員集まる集会があるのよ。このあたりで1番大きいホールで開催されるわ。その集会は婚約者は参加禁止だけど、家族は参加していいの」

「知らなかった…」

「私たちが知らせてなかったからね。ルダは小さいから、はぐれたら危ないだろう?」

 完全に過保護が出てますわね。でも、すぐに婚約破棄する場所が決まってよかったです。

「みんな、ありがとう!私、頑張るね!!」

 そう言うと、お母様とお父様は微笑んで頷き、カミーラお姉様は声をかけてくれました。

「困った事があったらいつでも言って。力になるわ」

「うん!!」

 元気に返事をして自分の部屋に帰り、今度こそ寝る準備を始めました。
 さあ、明日も頑張るぞ!!





 今日はメーランド様との面会です。昨日はたまたま上手くいったけど、今日も同じように上手くいくか分かりません。扉の前で気合いを入れ直します。

「初めまして。リサ・メーランドと申します」

「初めまして!ルダノーナ・カミラーネと申します。今日はわざわざ足を運んでいただきありがとうございます」

「かまいませんわ。カミーラ様とは仲良くさせていただいてますもの」

「それで、今日お呼びした理由なんですが…」

 昨日同じことをしたとはいえ、やはり緊張はほぐれません。今日も心の中で深呼吸をしてから話しました。

「リサ様の恋人である、メデラウス様についてです」

「ええ」

「実は私と婚約しているのです」

「あら、婚約していらしたのね」

 驚いているように見えますが、どこか余裕も感じます。

「私以外に何人か恋人がいることは知っていたのだけれど」

 そこまで言われてから、私はある事を思い出しました。昨日、バレンタ様は一言も他の恋人がいるという事を言っていませんでした。もしかして、バレンタ様は何も知らないのでは…。

「それで私はどうしたらいいのでしょう?」

 こう言われて私は本来の目的を思い出します。

「わたしはメデラウス様と婚約破棄したいと考えています。承認して頂けるでしょうか」
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