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⒍忘れてました
しおりを挟む「……せんわ…」
「…えっ?」
「許しませんわ!!!」
やっぱり、と思って私はぎゅっと目を瞑りました。しかし、いつまでたっても拳は飛んできません。不審に思って、おそるおそる目を開けて見ると、バレンタ様は拳を固く握りしめてわなわなと震えていました。
「私だけを見てるって…卒業したら結婚しようって言ってたのに!あの嘘つき!!」
今にも立ち上がり、部屋を飛び出していきそうな気持ちを必死に抑えている、そんな様子でした。
「あ、あの…?」
私がそっと声をかけると、はっとしてこちらを見た後、深呼吸をして
「申し訳ありません。取り乱してしまって…」
と謝罪をされました。
「い、いいえ!むしろ私が怒られると思っていましたので大丈夫です!!」
私が元々考えていた思いを言うと、バレンタ様から意外な提案をされました。
「そんな訳ありませんわ。むしろあなたは被害者ですもの。怒るはずがなくてよ」
「あ、ありがとうございます…」
「それよりあなた、婚約破棄をしたいのですわよね?私にも手伝わせてもらえませんこと?」
「て、手伝っていただけるのですか!?」
「もちろんですわ!!このままでは私の気持ちがおさまりませんもの!最後に痛い目を見せてやらなくては!!」
目が真剣で少々怖いですが、味方になってくれるならこれ以上心強い方はいません。
「ぜひお願いします!頑張りましょう!!」
「ええ!」
それから少しだけ世間話をして、面会を終了しました。外まで馬車を見送った後自室に戻ると、一気に力が抜けてソファに座り込んでしまいました。
「ふぅ…」
「大丈夫ですか!?お嬢様」
「うん。まだ1人目だもの。こんなところで根を上げていられないわ。それに、バレンタ様はたまたま協力して下さるけど、他の方々は違うかもしれないし」
「無理はなさらないでくださいね?」
「分かってるわ。さぁ、明日のメーランド様の面会にむけて早く寝なくちゃ!」
そこまで言ってガバッと起き上がった時、盛大に私のお腹がなりました。
「寝る前にまずは夜ご飯ね」
恥ずかしくて下を向いてそう言うと、ふふっと笑ってそうですね、とヴェーラに言われました。
「もう!笑わないでよ!」
「申し訳ありません」
謝ったヴェーラですがまだ少しだけ笑っています。
ふん、と不貞腐れながら食堂に向けて1歩を踏み出した時、私は婚約破棄する上で突然いちばん重要な事を思い出しました。
「あ」
「?どうかされましたか?」
「…婚約破棄する場所、決めてなかった…」
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