王宮侍従テミスの、愛と欲望のサスペンスな日常

たまとら

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副職です。 処女判定

3 サスペンスは騙し技

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後孔に器具が入る。
温められて、潤滑剤を塗られたソレがぬるりと入って来た。

ひいぃぃぃぃっ‼︎

勝手にビクンと身体が持ち上がる。

違和感と痛み。
だってそんなところに。
そんなところに‼︎


器具が中で開いてぐりぐりと探る。
テミスは歯を食いしばった。
シーツを握って必死に耐えた。

ベッドの上。
お医者様とはいえ、知らない男の両肩に両足を付けて、そのままM字開脚であらぬ所を見られている…。

客観的にそんな事を考えたら。
もう恥ずかしくて泣きそうだった。
胸の辺りがひくひく震える。

泣くな。
泣くな。

異物感の中で、必死にそう唱えていた。



終わってから身繕いしたテミスは、ハウスさんに手を引かれてふらふらと離れの外にある椅子に座った。
異物感と恐怖で、正直まともに歩けない。
まだ何か入ってるような気がする。

小さなテーブルにはお茶の用意がされていたが、魂が飛んでいてカップを持ち上げられなかった。

お医者様は部屋で片付けと書類を書き上げると、静かにお辞儀をして、母屋の方へと立ち去って行った。


ハウスさんに手を添えられて、ようやくお茶を飲んだ。
熱いものが喉から胃からじわじわとひろがって、ようやくほっと息がつけた。



「お疲れ様です。大丈夫ですか?」

柔らかで低い声が上からする。
気がつくと長身の男が立っていた。
そしてハウスさんが下がっている。

「どうもありがとう。」

こいつか。
こいつの為にこんな目におうたんかっ‼︎

なるほど"機密文書のロミオ"はイケメンだった。
柔らかそうな明るい茶髪に小鹿のような目。
どう見ても草食系だ。
あかんで!城では『僕も肉食獣だよ』って皮を被ってなかったら、すぐにお年頃の最強肉食獣達に食い散らかされるぞ。
まぁ、喰われて今があるのか。

ロミオはテミスが震えているのに気がついた。

「君、具合が悪いなら…」

一歩近づいた時。
視界の隅でハウスさんの指が"ゴー!"と動いた。


「ご、ごめんなさい…」

テミスはこの時の為に叩き込まれた弱々しい声で言いながら、ベールを引っ張り下ろした。

安心して下さい。

出来たら涙の一つもこぼしなはれ。
と、言われていたけど。
もうさっきから泣いてます。
涙が止まりません。

「こ、こんな事、初めてで…恥ずかしくて…」

ぴかってる金色頭から、後光が差してると思う。
うるうるした緑色の目と。
塗りたくってるのに、自然で何にもしてない様に見える美少年顔を少し傾けて、その可愛い唇(凄いよ、ブラシで描くだけで、ぽってり唇だ‼︎)をふるふると緩ます。

そしてさんざ仕込まれた、あざとい程にせつな可愛い笑顔で、ぽろりと涙を転がした。

「♡!」
ロミオの目が叫んだ。


その一部始終をきっちり目に治めてから、ハウスさんは二人の間に肩を差し込んだ。

「あらあら、ぼっちゃま♡」

そう言いながらフェイスベールを被せなおした。
そして優しく手を添えて立たせると、歩きながらロミオに微笑む。

「お二人の為にと参りましたが。
ぼっちゃまは口付けすら未だでございましたから、お辛かったのですよ。
ですから、そっとして差し上げて下さいませね」

凄えよハウスさん。
舌も噛まずに良く言えた‼︎


ロミオは呆然とテミスを見送った。
その目が♡のままだ。

タン タン ターン

『さぁて。"高飛車で金持ちの金色頭"の結婚協奏曲は、この後どんな展開を迎えるか』
って奴だな‼︎

テミスは『化粧を落としてしまった、いるはずのない美少年を求めて彷徨うロミオ』という、サスペンスドラマの醍醐味を想像して、ちょっとワクワクした。


ちなみにお医者様は、
全身を赤くして恥じらう嫁候補の、誰にも触れられた事のない蕾のような菊花の美しさと。
恥じらいに震える可愛らしさを綿々と述べて、
公爵さんの期待を煽っていた。

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