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テミスの日常
3 お得意さんの逆襲
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いきなりタイナ兄ちゃんと王宮の門の前で待ち合わせをして。
人目も憚らず抱きついて。
いちゃいちゃと街に出ていく。
もちろんお仕着せでは無い。
手持ちの中では二番目にいい服。
街で買った中古だけど、先輩のおすすめで、瞳に合わせた新芽のような緑の、元はいい奴だ。
これで夕方迄には、テミスがデートしてた!と、噂が駆け巡るだろう。
ちゃっかりしたテミスは、その噂をあてにしていた。
何故なら、あの"お得意さん"(面倒くさいから名前を覚えていない。)が、最近まとわってくるからだ。
「ロミオ君が探してるの、君じゃ無い?」
くっそ忙しくて、廊下を小走りで移動してる時に声を掛けられた。
誰だ⁉︎
と、じっと見るとお得意さんだった。
セットになってるあんあんさんがいないから、分からなかったよ。へへへ。
「不敬でございます。僕が聞きました所、お相手は金髪でございましが?」
いや、僕はダークブラウンだし。
はずれですよ。
「それと、とても綺麗な方だとお聞きしました」
ほら僕、白粉も香水も付けてないし。
薄っすい顔だし。
雑巾と洗剤瓶を入れたバケツを左手に。
ブラシセットを右手に持って、テミスは軽く略式の礼をとって、慎ましく目を伏せて答えた。
いや、こちとら急いでるんだよ。
いきなり決まった会議の前に、会議室の窓も窓枠も磨いとかなきゃいけないんだから。
「いやぁ。見かけは塗り次第でどれだけでも化けられるからねぇ。」
お得意さんは貴族らしいアルカイックスマイルでぐいと近寄ってくる。
「でもね。ここの侍従でバージンなのは、君だけだしさぁ。」
へっ⁉︎
テミスはパキンと固まった。
な、なんですと‼︎
何をおっしゃってやがってるんでございますか⁉︎
「ほら。」
お得意さんは笑みを深くした。
「他の子とは、もう楽しんだからね。
後は君だけなんだよ。」
「はあぁぁぁぁっ⁉︎」
絶叫が迸った。
なんちゅうセクハラ。
なんちゅう自信。
よく見ると(まじまじ見た事は無かった)お得意さんはイケメンだった。
金をかけたらしい艶々なプラチナブロンドを、お高そうなシルクのおリボンで結び。
その目は紫紺で宝石みたいだ。
お高そうな上着(テミスはキャパが少ない)はきんきらきんで、父親と違って見るからに"上級貴族"だった。
そして痩せても太ってもいない。
いわゆる細マッチョ。
これはポイントが高い!
……この人。僕以外の侍従と全員行ったのか。
つまりそう公言してるって事だよね。
……妙な感慨でしげしげ見た。
と、いう事は… あの口うるさい鳥ガラの様な侍従長ともいたしたわけなのね。
待てよ。
ひょっとしてハウスさんとかのビッグ5という大先輩達ともいたしちゃった訳なの?
お得意さんは攻めだと思ってるけど……
あの大先輩達が、おとなしく主導権を渡すとは思えない。
OH!
ベッドの上で、このイケメンとクワンさんの駆け引きとかって…
うっかり考え出したら止まらない。
OH‼︎
庭の茂みに連れ込まれるのは、イケメンなのかオランさんなのか…
オランさん、小太りに見えて、結構筋肉あるのを知ってるし。
……でも。
見たくねぇ~っ‼︎
想像するだけでさむいぼ出るよぉ‼︎
テミスの赤くなり青くなり、白くなる百面相を、
初め楽しげに見ていたお得意さんは
「待て待て待て待てっ!何を想像している‼︎」
と、叫びながら肩をがっくんがっくんゆすった。
説明しなくても、お得意さんの頭にもそのラヴシチュエーション♡が浮かんだらしく。
なんとなく痛み訳な感じでその日は別れた。
それから、何故かお得意さんが出没する。
名前を名乗られたが、覚える気のない脳味噌は入力しなかった。
「君一人だけを除け者になんて出来ないだろう?ごめんね。もっと早くに誘えば良かったね。」
そんな訳わかんない事を言ってやがりまする。
意味不明でござる。
がっとガブリ寄る姿に、頭の中で緊急警報と接近注意が赤い回転灯で回ってる。
どしたらいいの?
頼りのビッグ5達も、お得意さんとなさってる疑惑のある今。
自分のバージンを護るには、世間で『恋人います』の看板が必要だった。
そんな訳でタイナ兄ちゃんを呼び出した訳なのさ。
人目も憚らず抱きついて。
いちゃいちゃと街に出ていく。
もちろんお仕着せでは無い。
手持ちの中では二番目にいい服。
街で買った中古だけど、先輩のおすすめで、瞳に合わせた新芽のような緑の、元はいい奴だ。
これで夕方迄には、テミスがデートしてた!と、噂が駆け巡るだろう。
ちゃっかりしたテミスは、その噂をあてにしていた。
何故なら、あの"お得意さん"(面倒くさいから名前を覚えていない。)が、最近まとわってくるからだ。
「ロミオ君が探してるの、君じゃ無い?」
くっそ忙しくて、廊下を小走りで移動してる時に声を掛けられた。
誰だ⁉︎
と、じっと見るとお得意さんだった。
セットになってるあんあんさんがいないから、分からなかったよ。へへへ。
「不敬でございます。僕が聞きました所、お相手は金髪でございましが?」
いや、僕はダークブラウンだし。
はずれですよ。
「それと、とても綺麗な方だとお聞きしました」
ほら僕、白粉も香水も付けてないし。
薄っすい顔だし。
雑巾と洗剤瓶を入れたバケツを左手に。
ブラシセットを右手に持って、テミスは軽く略式の礼をとって、慎ましく目を伏せて答えた。
いや、こちとら急いでるんだよ。
いきなり決まった会議の前に、会議室の窓も窓枠も磨いとかなきゃいけないんだから。
「いやぁ。見かけは塗り次第でどれだけでも化けられるからねぇ。」
お得意さんは貴族らしいアルカイックスマイルでぐいと近寄ってくる。
「でもね。ここの侍従でバージンなのは、君だけだしさぁ。」
へっ⁉︎
テミスはパキンと固まった。
な、なんですと‼︎
何をおっしゃってやがってるんでございますか⁉︎
「ほら。」
お得意さんは笑みを深くした。
「他の子とは、もう楽しんだからね。
後は君だけなんだよ。」
「はあぁぁぁぁっ⁉︎」
絶叫が迸った。
なんちゅうセクハラ。
なんちゅう自信。
よく見ると(まじまじ見た事は無かった)お得意さんはイケメンだった。
金をかけたらしい艶々なプラチナブロンドを、お高そうなシルクのおリボンで結び。
その目は紫紺で宝石みたいだ。
お高そうな上着(テミスはキャパが少ない)はきんきらきんで、父親と違って見るからに"上級貴族"だった。
そして痩せても太ってもいない。
いわゆる細マッチョ。
これはポイントが高い!
……この人。僕以外の侍従と全員行ったのか。
つまりそう公言してるって事だよね。
……妙な感慨でしげしげ見た。
と、いう事は… あの口うるさい鳥ガラの様な侍従長ともいたしたわけなのね。
待てよ。
ひょっとしてハウスさんとかのビッグ5という大先輩達ともいたしちゃった訳なの?
お得意さんは攻めだと思ってるけど……
あの大先輩達が、おとなしく主導権を渡すとは思えない。
OH!
ベッドの上で、このイケメンとクワンさんの駆け引きとかって…
うっかり考え出したら止まらない。
OH‼︎
庭の茂みに連れ込まれるのは、イケメンなのかオランさんなのか…
オランさん、小太りに見えて、結構筋肉あるのを知ってるし。
……でも。
見たくねぇ~っ‼︎
想像するだけでさむいぼ出るよぉ‼︎
テミスの赤くなり青くなり、白くなる百面相を、
初め楽しげに見ていたお得意さんは
「待て待て待て待てっ!何を想像している‼︎」
と、叫びながら肩をがっくんがっくんゆすった。
説明しなくても、お得意さんの頭にもそのラヴシチュエーション♡が浮かんだらしく。
なんとなく痛み訳な感じでその日は別れた。
それから、何故かお得意さんが出没する。
名前を名乗られたが、覚える気のない脳味噌は入力しなかった。
「君一人だけを除け者になんて出来ないだろう?ごめんね。もっと早くに誘えば良かったね。」
そんな訳わかんない事を言ってやがりまする。
意味不明でござる。
がっとガブリ寄る姿に、頭の中で緊急警報と接近注意が赤い回転灯で回ってる。
どしたらいいの?
頼りのビッグ5達も、お得意さんとなさってる疑惑のある今。
自分のバージンを護るには、世間で『恋人います』の看板が必要だった。
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