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子供は宝と言うけどね
2 やってきた衝撃
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「何いっ⁉︎子供ぉ!」
オディロンは報告書を握り締めた。
驚いて立ち上がったせいで、テーブルのカップがガシャンと倒れて紅茶がゆるゆると広がっていく。
慌てたメイドがその侵食を止めて、従者がこちらへと場所を移動させた。
報告していた文官は、緊張が破られたのか極めて人間的に眉を八の字に落とす。
「子供。孫じゃ無くて、子供なのか?」
力無く尋ねたオディロンの声に、文官はずんずんと猫背になる。
サクサクと物事を段取る文官が、非常に言いにくそうに目を逸らした。
「そのぉ、それも成人前のお子様で…」
「はあぁん。」
あ、驚きすぎて変な声になったぁ。
「父上。良かったでは無いですか。
御自分の刀を一度も振るう事も無く(童貞のまんまで)生涯を終えたと考えるよりも。愛し愛されたと思えた方が」
割って入ったのは国王だ。
そしてオディロンの息子だ。
「それは良かったと思っている。だがな…」
オディロンは我が子を見た。
よわい40を前にして、苦味走ったナイスミドルだ。
そうだよな。これが順当だ。
だってアルフォンス兄上は、70の大台の声を聞いている。
それが8歳の子供って、どぉなのぉ。
絶倫って奴か。私のなんかこの数年ピクリともしないぞぉ。
成人は15歳。
平民ならだいたいすぐに結婚する。
そしてねずみ算式に子孫はにょきにょき増える。
そんな社会で人生は50年ほどだ。
手厚い医療と栄養と薬で守られている王族だからこそ、それを超えて生きている。
70ったらもう、レジェンド並みだ。
兄上は男女問わずに迫られていた。(顔がいいから)
薬まで盛られた事があるらしいが、額に青筋を立てただけで兄上の兄上は寝てたらしい。
「勃起不全かしらねぇ」と母上が話してるのを聞いた事がある。
そんな兄上に子供⁉︎
「町の教会に婚姻証明書がございまして。
出生証明書もございました。」
文官は握り潰された報告書を指差した。
「あ、相手は?奥方は?」
「その…2年前に亡くなられておりまして…」
「じゃ、子供の面倒をあのアルフォンス兄上がっ‼︎」
驚愕で叫ぶオディロンの血圧を気にしつつ、それでも文官は告げる。
だって文官は既婚者で、家には二人の子供がいる。
突然降って湧いた王位継承者の出現に、口封じが有ってはならない。
8歳で父親を養う為に働いていた健気な子供が、不利益を受けてはならないのだ!
「いえ、面倒を見ていたのはお子様の方でございます。」
「だよねぇ‼︎」
よわい63歳のオディロンは自分の声を聞いた。
オディロンは報告書を握り締めた。
驚いて立ち上がったせいで、テーブルのカップがガシャンと倒れて紅茶がゆるゆると広がっていく。
慌てたメイドがその侵食を止めて、従者がこちらへと場所を移動させた。
報告していた文官は、緊張が破られたのか極めて人間的に眉を八の字に落とす。
「子供。孫じゃ無くて、子供なのか?」
力無く尋ねたオディロンの声に、文官はずんずんと猫背になる。
サクサクと物事を段取る文官が、非常に言いにくそうに目を逸らした。
「そのぉ、それも成人前のお子様で…」
「はあぁん。」
あ、驚きすぎて変な声になったぁ。
「父上。良かったでは無いですか。
御自分の刀を一度も振るう事も無く(童貞のまんまで)生涯を終えたと考えるよりも。愛し愛されたと思えた方が」
割って入ったのは国王だ。
そしてオディロンの息子だ。
「それは良かったと思っている。だがな…」
オディロンは我が子を見た。
よわい40を前にして、苦味走ったナイスミドルだ。
そうだよな。これが順当だ。
だってアルフォンス兄上は、70の大台の声を聞いている。
それが8歳の子供って、どぉなのぉ。
絶倫って奴か。私のなんかこの数年ピクリともしないぞぉ。
成人は15歳。
平民ならだいたいすぐに結婚する。
そしてねずみ算式に子孫はにょきにょき増える。
そんな社会で人生は50年ほどだ。
手厚い医療と栄養と薬で守られている王族だからこそ、それを超えて生きている。
70ったらもう、レジェンド並みだ。
兄上は男女問わずに迫られていた。(顔がいいから)
薬まで盛られた事があるらしいが、額に青筋を立てただけで兄上の兄上は寝てたらしい。
「勃起不全かしらねぇ」と母上が話してるのを聞いた事がある。
そんな兄上に子供⁉︎
「町の教会に婚姻証明書がございまして。
出生証明書もございました。」
文官は握り潰された報告書を指差した。
「あ、相手は?奥方は?」
「その…2年前に亡くなられておりまして…」
「じゃ、子供の面倒をあのアルフォンス兄上がっ‼︎」
驚愕で叫ぶオディロンの血圧を気にしつつ、それでも文官は告げる。
だって文官は既婚者で、家には二人の子供がいる。
突然降って湧いた王位継承者の出現に、口封じが有ってはならない。
8歳で父親を養う為に働いていた健気な子供が、不利益を受けてはならないのだ!
「いえ、面倒を見ていたのはお子様の方でございます。」
「だよねぇ‼︎」
よわい63歳のオディロンは自分の声を聞いた。
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