【完】俺が"しり"を愛でるようになった、その訳とその記憶とその結果について

たまとら

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王宮の攻防

5 おのおのの防衛

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王太子殿下は子供では無い。
道理を言い聞かせなくてもいい大人だった。

王太子の部屋付きの侍従は、すでに王太子に忠誠を誓っている。
他のイマイチ信用出来ない者を人払いして、殿下達と話をした。
いつ、どこで誰と繋がっているのかわからないので最少人数で固める。


国境付近の領地はチャグムという。
たしかに香水の原料の産地だ。
"谷間の姫百合"というメルヘンな名前もあって甘い香りは有名だ。
でもその花がどんな花だとか。
例えば白色とか桃色だとかは知られていない。
貴重な産業を囲い込むつもりかと思っていたが、事故による不名誉な噂と、賠償金の請求を防ぐ為だったらしい。
だから地場産業として香水の原料とはしても。
毒のある花や苗を外に出さないようにしていた。



「つまり、王妃は。」

くすりと笑った王太子殿下は、頬がこけて気だるげで、セクシーだった。

「城に帰って来た時に、元気な私が出迎えたら驚くだろうなぁ。」

人の悪い笑顔は、まさしく王族のものだ。

王の獲られる水も、密かにチェックする。
ユスフとイースタンは、王太子の元で動き出した。
気づかれたことを悟られないように動かなくてはいけない。



イースタンは法務部の文官から、頼んだ答えを受け取った。

国境付近のチャグムから王宮に出仕していた令息。
その年齢は18。
そして今、王宮には
その理由も。

チャグムから出仕する者は少ない。
この五年ほどは彼一人だった。


文官は個室で台帳を開いた。

「医術を学びたいと。
学園後は詳しく学ぶ為に、王宮の医術師に弟子入りしたそうですが。
一年もたたず、この春に縁談がまとまったと故郷に帰った様です。」

仕えていた医術師のサインも入って、正式に辞職しておりますよ。


そう言って見せられた辞職届には、王太子専任として見慣れた医術師クワンのサインが入っていた。


チャルという名の令息は退職していた。
と、いう事は生きているのだろう。
レヴュトでは無いのか。
レヴュトは近づいても見つけられない、まさしく影のようだった。
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