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41 寝起きのちゅう

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なんかおかしい。

今朝も王子に拘束されて目を覚ます。
しかもふんふんと鼻息が首筋にくっついている。

ぞわぞわするっ!
やめろ。朝っぽらから。
気持ちいいやんけっ。

寝てる?
本当に眠ってる?
ワザとじゃ無いよね。

そ~っと離れようとすると拘束がキツくなった。
ぐえっと力強く抱きつかれる。
首筋にほわぁっと、ため息の様な息が吐き出された。

うもおぉぉぉっ。

さわさわと脇腹を撫で上げられて、ジュノはうによぉっ。と、いきを吐いた。

やめろ。

そしてナニかが尻に当たっている。
くそおっ。
凶器を仕込んでやがる。

「起きろっ。そして離せ!」

バタバタと暴れると王子は目を覚ました。

目前に王子の顔がある。
無駄に綺麗な顔は、今はっきり見えない。
近づき過ぎて、青い瞳だけしか見えない。
その青空の瞳がによりと愛しげに細められて、どきんとした。

「ジュノ。好きだ。」

朝っぱらの好きの大安売りは心臓に悪い。
~~ほら、男って、朝勃ちのシステムがあるから。
やばい。
内股でゴソゴソしていたら、食いつかれた。


「⁉︎   っ、ん……」

頭の下で枕が沈む。
二人分の重みでぼふん。と沈んだ。
驚いて叫びかけた唇に王子の唇が被さる。
抑えられた手に力を入れたら、キスが深くなった。
喘ぐ様に呼吸をしたら、口の中に舌が滑り込んでくる。



うわ…っ。


前にちゅうした時も舌が絡んできた。

でも、これ。

王子の舌が探るように動き、口腔を舐めてくる。
舌先を擦られたり、口蓋をなぞられたりすると、腰がじんじんと痺れてくる。
ただでさえ、てるのに。

舌で、口の中を愛撫されてる気がする。
触れるだけより、もっと意味のあるキスに目が回りそうだ。

シーツの上に自分のつま先が滑っていく。
のっかかられた体の熱さと、自分の内腿のあいだの王子の体に、意識が持っていかれる。
揺らされると、俺のが痛いくらいになって来た。


ギブ‼︎
ギブ!

空いた手で背中を叩く。

王子が微かに目を細めた気がする。
その目の中のものに腰がぞくりと震えて、いやいやをするように顔を逸らした。

「……っぷ、は。」

ようやく唇が解放されて息継ぎが出来た。

もう。
もう。
こんな濃い朝は無理。

王子がちらりと視線を飛ばした。
……俺の股間をみましたね。
だって、元気な男の子だからね!

真っ赤に茹で上がったまま、ベッドから滑り落ちる。
そのままだっとトイレに駆け込んだ。

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