駆け落ちの後始末を、僕らに求めるのはマジ勘弁して欲しい

たまとら

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パルスの血族

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タングル国では10歳から二年間、義務教育がある。
年少組、年中組と、暮らす場所でグループに分けられる。
それによって社会生活のルールや生活の仕方を覚えていく。
人によっては、家族の為に小銭を稼ぎながら暮らしていく。

そして10歳になった時、選定を受ける。
勿論、魔力があるかどうかだ。
はっきりと魔力が有った場合は王都に、無くても教師達は教えながらその子供が何かの才能を持っていないかを見守っていく。
そして何かを見出されたものは、王都の学園で学ぶ事になる。

王都のディミトリア学園は10から15歳までの子供が学ぶ。
王立で、選定された者は学費も、寮がある為生活費もかからない。
その特別枠の他に一番多いのは貴族だ。
そして平民も沢山いる。
こちらの授業料は割と高額で、平民は裕福な者か貴族の後ろ盾を持った物が多かった。

その学園で横のつながりが強固になり、能力のある者は抜擢されて上手くタングル国を発展させていた。




パルスがスーティ・オウの話とともに、自分の身の上の話をした時。
メテオとラースは別々の反応をした。

メテオはあのケガの意味を悟り、尻尾の毛を逆立てて怒った。
そしてシルフィの奪還を口にした。

ラースは一拍考えてから、
『つまり俺は王都で裏のカオになっておけば良いのか?』
と聞いた。
あの直情的だったラースは、商人として裏を持つ事を学んでいた。

そして二人はなんの疑問も無く、シルフィを助ける事を受け入れている。
パルスは感動でプルプル震えながら、タイタニアで鍛えて来る事を告げた。
その話に二人とも、眉がキュッと寄ったが直ぐに頷く。

「そうだな。俺もラースももうすぐ10歳だ。二人ともディミトリア学園に行くことが決まっている。」

「パルスは入学まで、鍛えてこい。学園で待ってるから。」

「それまでに俺達は学園も王都も、抜け道をバッチリ調査しておくさ。」


年少組の仲間だった二人は、頼もしい先達になっていた。
パルスは頷きながら涙をこぼした。
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