足元に魔法陣が湧いて召喚されたら、異世界の婚活だった件

たまとら

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異世界の事情

3 召喚の儀

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召喚の儀は四年に一度巡ってくる。
閏年かよ!と、レンは心で突っ込んだが我ながら面白く無かった。

この世界は魔素が多い。
それを使っての魔法がある。
貴族と平民に分かれている。
~~そこまではわかった。

魔素だの澱みだのと、出生率が急降下したそうだ。
しかも番の出現率が激減したという。

~~番ってナニ?

自分達の安全率を高める為に、レンは必死でカールおじさんの講義を聞いていた。

番とは魂の半分。
心も身体もフェロモンすらもが、出会った瞬間わかるのだという。
なんのこっちゃ。
蛇のヤコブソン器官的?
え、こっちの人って蛇的?爬虫類系⁉︎
カールおじさんとその助手の人達をまじまじ見たけど、そんな気配は無くってちょっと安心した。


後継の子供は出来ず。
番は見つからず。
何故だ何故だと神殿に押し掛ける人々。
そして女神様に毎日毎日毎日毎日毎日祈ったという。
(こっちの世界の女神の立ち位置って良くわからない)
女神様はそのネットワークで(やっぱり良くわからない)番が異世界に産まれている事を突き止めた。
んで、やっぱり毎日毎日毎日毎日毎日毎日祈られて。
"召喚の儀"の魔法陣を賜ったらしい。粘り勝ちって奴だ。

該当する異世界は六つ。どれかと四年に一度すれ違うので、その時に召喚ゲートを開くそうだ。
動力は陣に埋め込む魔石。
それに魔力を込めた者の番となる者がその世界に居たら、渡ってくるらしい。

魔素の澱みに触れてない上に番であるという事は、そりゃ超超優良遺伝子のハイブリッド!
子供を増やして人口の裾野を拡げれば、問題は解決さっ‼︎
と、人類は湧き立ったらしい。
そして今回はレンとハルのいた地球の日本だった訳で。


「皆様、お帰りになる事は出来ませんので、より良い結婚生活になる様に頑張りましょうねっ!」

カールおじさんが拳を振って話がまとまった感を出しているが、それ違う!

「はぁい。ここまでの話に質問はございますかぁ?」

「えっとぉ」挙手した茶髪は制服の女子だった。
盛ったつけまをパチパチさせて髪をかき揚げる。
「つまりぃ。あたし達はヤリ目的の集団誘拐でオケ?」

「はぁい!オッケーでぇす‼︎」オッケーなのかよ!
カールおじさんはサムズアップで清々しく言い切った。
「結婚してバンバン子供を作ってくださいねぇ‼︎」

「ハラスメントですわっ‼︎」
かっちりスーツを着たアラサーぽいお姉さんが声を荒げた。
「それは私達を家畜扱いしてるわ!
人としての尊厳という意識は無いんですか‼︎」

「いやぁ、なにぶん女神様の思し召しですからぁ。
わたしども人類としてはなんとも…ねぇ?」

「私は結婚に興味は無いのよ!仕事が楽しくて一人で気軽に暮らしてたんですからね。
帰れないとか、女神様の思し召しとか、責任逃れをやめて帰る手段を考えたらどうなの‼︎」

目が吊ってる。
命令慣れしてるから、会社の上のポストにいたんだろうなぁ。
レンは心でエールを送った。

「ご安心下さいっ‼︎皆様は番として召喚されましたぁ
こちらにお相手はいらっしゃいますぅ。
不幸にも異世界に生まれてしまって、出会う事のない番と会えるので御座いますよぉ。こちらの者はもう女神様に祈る程に待ち焦がれておりましたから、皆様は絶対絶対、幸せになりますよぉ。
しかも出来たお子様はこの世界垂涎で御座います。
この世界に強く雄々しく繁殖して参ること間違いなしで御座いますぅ。
女神様に後押しされるお子様達が、産めやよ増やせよと繁栄していくので御座いますよぉ」

なんて素晴らしい‼︎

胡散臭い糸目の笑顔に、レンはぞくりと震えた。

そのぬるっと煽る物言いに、一拍置いてから教室に怒号が湧き上がった。
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