足元に魔法陣が湧いて召喚されたら、異世界の婚活だった件

たまとら

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押しかけ護衛はNoとは言えない

3 たぎる男心と厨二病

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男には厨二病という麻疹のような病がある。
レンとて元の世界では未成年。
例え幼い時になんだかんだあって多少老成化していても、まだお子様が残っている。

『第一目標はハナの幸せ』と心に刻んでいたレンには、それが達成した後の未来を全く考えていなかった。
これが日本だとしたら、妹を嫁に出してなんとかロスで引き篭もりになっていただろうが、生憎ここは異世界だった。


別れる前にカールおじさんは"冒険者ギルドの登録タグ”をくれた。
というよりペンダントを渡された。
ペンダントの銀細工のトップには、魔力を流すとリンドルム家の紋章が燦然と現れるようになっている。
水戸黄門の印籠の様に、公的機関で睨みを効かせることが出来るという。
しかも危険な時は護りが発動して、こちらにもわかる様にという特別な魔法陣を重ねがけしているのだと説明された。
当たり前だか、メインはペンダントトップだ。
だが"冒険者ギルド"とか"Fランクのドッグタグ"に、レンの男心はずっきゅんとたぎった。

戸籍の無いレンの身分証代わりのソレはジャダと同じ出身地で登録してあって、まごうことなくカールおじさんが権力でゴリ押しした物だったが。
そんな事はどうでも良かった。

コレが有ればこの世界で好きに生きていけるのだ。
しかもサンドロさんから搾り取った慰謝料は、銀行のカードのようにこのタグに入っているらしい。
金額を聞いてもピンと来なかったが、小さな家を買ってのんびり暮らせるほどだと言う。

「だから無くさなようにいつもつけててねぇ」
勿論だとも‼︎
「ギルドには貨幣価値や生活習慣が分からないうちは行っちゃ駄目ですよぉ」
なんですとぉ‼︎
「市場で買い物したりして言葉の使い方も覚えてから、ジャダ様と一緒に行きましょうねぇ。ジャダ様はアンパットで活躍されてBランクですから、自己防衛のやり方も教えて下さいますよぉ。
ちゃんと習って下さいねぇ。」

~~.こうして、レンのギルドへの路が始まった。


情けなさそうな芝犬改め、立派なBランク様のジャダは街で待っていた。

城壁の南門の近くで下町。でもスラムでは無い。
成る程、木を隠すなら森の中って奴だ。
わちゃわちゃした人の暮らしの中なら、レンは目立たずに埋没できる。

うんうん。とレンは思ったが。
その家の向こう三軒両隣は、以前からカールの市中の基地でその防護はエグいくらいなのを知らなかった。

「お疲れ。コレからよろしく。」

眩しい笑顔を振り撒くジャダはやっぱりワンコっぽい。
南門からの出迎えの後ろ姿の尻に尻尾を探したのは、ただのノリだ。
"様"だの"敬語"を使わない約束しているので、フランクだ。
そんな彼にBランクという称号がついて、レンは好感度を上げていた。
だって、冒険者ギルドってワクワクするよね。


大通りから5筋進んで2、3筋入ったら騒めきが少なくなった。
静かな通りに、三階建の家がくっついて並んでいる。
石畳の両脇は家々の玄関や窓に花や木を植えてなんか観光地っぽい綺麗さだ。

三階建の家はくっついている。
家の両壁が共用してる程にくっついている。しかも家が狭い。
間口が細い。4M程しか無い。
日本の兎小屋と言われた建売りを知っているレンですら狭いと思う。

でも入ってみると奥は広かった。
王都は城壁内の土地は限られているから、道に面した家の幅で税金が変わっていくのだという。
そりゃ王宮は新宿御苑くらいの庭が幾つもある広さだし
お貴族様も豪邸をドンと構えている。
一般ピープルには土地は贅沢品なんだろうな。



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