俺と竜。ときどき王子。

たまとら

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辺境で大暴れ

7 俺と竜。帰りますから

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眩しい。
スポットライトに当たったように、額に光が当たる。 眩しい。
手で光を遮った。

『いいかげん起きなさい。キッキ。ほら。』
『起きないと、ハグちゅうしちゃうわよ。』

そんな声を待っているのに、中々かからない。
遠くで鳥の囀りが聞こえる。
右脇には、何か暖かいものがある。

……あれ。
眉を顰めながらゆるゆると目を開ける。
なんか体がぎしぎしする。
んーんっと伸びをした時、脇の生き物に触れた。首を持ち上げて見る。

黒い物が丸くなって眠っていた。

竜。……黒い竜。

飛び起きる。
周りを見渡す。



しまった朝だ。
そして竜の巣のままだ。

脇で眠っていた柴犬程の竜が、大きくあくびをした。
被膜のはっていた瞳が現れる。
キラキラとルビーのような瞳がキーランを映している。

(おはヨウ)

頭の中で声がした。
瞳が虹のように輝いて離れない。

「お、おはよう。」

キーランの答えに、それがくるくると瞬いた。
……か、可愛いじゃんか。

(もすこシ、タベたい)

おねだりに、辺りを漁る。
昨夜のフィーリアの枝を見つけて、それに付いていた魔石を差し出す。
バリバリと食べていく仔竜の腹は、丸く膨らんでパンパンだ。
ぐっと押すと、プチっと弾けそうなほどに張っている。
それ以上入るのか。
食い意地張り過ぎ。
……可愛いけど。

(ゴチそうサま)

ゲップした口から虹のような息が立ち昇った。



まてよ、なんで言ってる事わかるの。
はっきり聞こえてる。

(わからナイ。君の魔力をモラッたからカナ)

へ。そんなん上げてない。

(血のツイタ魔石をタベた。血は魔力 )

あ……。やっちまったのか。俺。
でも、その前から聞こえた。

(アノ時は出れナクテ苦しかった。ズット助けてト叫んデタ。聞いてクレタのは君ダケ)

ん~。
わかんないけどまぁいいや。

とりあえず帰りたい。
早く帰らないと、鉄拳制裁が待っている。

(ワカった。送る。ココは結界の中ダカラ)

丸い腹を揺すって、よろよろと立ちあがる。
竜のイメージより丸い。
ペンギンみたいだ。
密かにクスッと笑うと、不機嫌そうに睨まれた

背負子鞄を拾う。ナイフも入れる。
そして立ちあがると、きっと食べ過ぎで飛べそうも無い竜をそっと抱き上げた。

重い。両手いっぱいだ。

腕の中でご満悦のその竜は

(あっち。)

と指示を出しながらも、赤い瞳がキラキラ揺れていた。
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