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辺境で大暴れ
17 地下にはわくわくがいっぱいだ
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ジャスは優雅に一礼すると地図を指差した。
「大地の竜と言っても竜は竜。財宝を貯める性分です。きっとこの辺りに宝物庫があります。そんなものがあったら、王宮どころかトレジャーハンターがココを目指してまっしぐらになりますから、さっさと中身を頂いて埋めましょう。青霧山脈へと続く道は、帝国の為にも痕跡も残さず埋めます。おまかせください。我が家に代々伝わる力で、王宮の魔術師達にも誰にも感知されないような封印をさせて頂きます。それからココは……」
なんかこっそりチェックしてたのかジャス。
なんか詳し過ぎるぞ。
なんか俺、蔑ろにされてない?
クッキーを齧りながら考えていたら、チテイコという単語が刺さった。
『チテイコ。地底湖!』
ロマンじゃん!
地竜の道から逸れていくと、徐々に下がっていく道。
少し狭まった道の脇には光り苔のほかに、ぼんやり光るカーニャの花が咲いてる。
そこをどんどんいくと、やがてぽっかり開いて……。
鍾乳洞がドーム型に垂れ下がるそこには、くらい水面がこっちの灯りを反射していた。
うっわぁー!
テンションあがるぅ!
俺は気分のままに、灯りの魔法球をぽんぽん打ち上げた。
明るくなってみると神殿の大聖堂のようなそこに、水がまんまんと。
「ねぇ、泳げる?ねぇ、飲める?」
犬のようにはふはふなるのは無理ないよね。
そんな大興奮のキーランに笑いながら、母様は鑑定をかけた。
「飲めるわ。大丈夫。ただ泳ぐのは、危険な生き物がいないかとか、水深がどのくらいあるかとか、ちゃんと調査してからよ。」
はい。我慢します。
水はちょっとぬるい。
地下だから。
地下だからか!
冬も凍らないなんて最高かよ!
「父様。冬の水がこれで確保できます!」
俺は叫んだ。
いや、観光にもなるぞ。
えっと、ここはどこの下辺りなんだ。
はふはふする俺のおでこを父様はデコピンする。
「落ち着け。とにかく一つづつだ。」
ひりつく額を覆いながら頷く。
なんか新しい世界がどんどん見えて来る。
俺の心はわくわくが止まらない。
とりあえず何かのトンネルを発見したと報告する。
王宮の賢い人達が、昔いただろう地竜の遺跡と言い出すだろう。その生態をどのくらいわかってるかわからない。だから、ある程度の跡を残して隠すものを考える。
ああ、寒さが本格的になる前で良かった。
内緒の魔石も秘密の保管庫に移動する。
これでどれだけ青霧山脈から冬将軍が降りて来ても、領民のケアに心配はない。
そんな訳で館はとっても明るい。
万年雪を頂く険しい青霧山脈。
高地で気候の低いブルローティング。
もちろん雪も多い。
それよりも冬から春。
そして夏から秋にと、だいたい年2回、山脈から冷たくて湿潤な風が吹き荒れる。
青霧の息って呼ばれるソレは、とても強くて冷たい。
収穫期にソレが当たると、畑が凍って収穫の六割はダメになる。
冬は保存食がなくなり始めた頃にソレが吹くともう、命の危機だ。水も凍る。生きる為にとにかく暖炉で火を燃やし続ける。
一軒では無理だから、集まって生活する為の集会所が町には必ず幾つかある。
そんな領民から税を摂れるはずもなく、ウチはいつも貧乏だ。
でもその貧乏は、正直誇らしいものだ。
そんな父様達に、領民は絶対の信頼を寄せてくれる。関係はwin-winだ。皆んないい人達。
でも、皆んなが貧しい。
その毎日が変わるかもしれない。
地中なら、冬でも凍らずにいられる。
俺のわくわくが止まらないのは、当たり前だよね!
「大地の竜と言っても竜は竜。財宝を貯める性分です。きっとこの辺りに宝物庫があります。そんなものがあったら、王宮どころかトレジャーハンターがココを目指してまっしぐらになりますから、さっさと中身を頂いて埋めましょう。青霧山脈へと続く道は、帝国の為にも痕跡も残さず埋めます。おまかせください。我が家に代々伝わる力で、王宮の魔術師達にも誰にも感知されないような封印をさせて頂きます。それからココは……」
なんかこっそりチェックしてたのかジャス。
なんか詳し過ぎるぞ。
なんか俺、蔑ろにされてない?
クッキーを齧りながら考えていたら、チテイコという単語が刺さった。
『チテイコ。地底湖!』
ロマンじゃん!
地竜の道から逸れていくと、徐々に下がっていく道。
少し狭まった道の脇には光り苔のほかに、ぼんやり光るカーニャの花が咲いてる。
そこをどんどんいくと、やがてぽっかり開いて……。
鍾乳洞がドーム型に垂れ下がるそこには、くらい水面がこっちの灯りを反射していた。
うっわぁー!
テンションあがるぅ!
俺は気分のままに、灯りの魔法球をぽんぽん打ち上げた。
明るくなってみると神殿の大聖堂のようなそこに、水がまんまんと。
「ねぇ、泳げる?ねぇ、飲める?」
犬のようにはふはふなるのは無理ないよね。
そんな大興奮のキーランに笑いながら、母様は鑑定をかけた。
「飲めるわ。大丈夫。ただ泳ぐのは、危険な生き物がいないかとか、水深がどのくらいあるかとか、ちゃんと調査してからよ。」
はい。我慢します。
水はちょっとぬるい。
地下だから。
地下だからか!
冬も凍らないなんて最高かよ!
「父様。冬の水がこれで確保できます!」
俺は叫んだ。
いや、観光にもなるぞ。
えっと、ここはどこの下辺りなんだ。
はふはふする俺のおでこを父様はデコピンする。
「落ち着け。とにかく一つづつだ。」
ひりつく額を覆いながら頷く。
なんか新しい世界がどんどん見えて来る。
俺の心はわくわくが止まらない。
とりあえず何かのトンネルを発見したと報告する。
王宮の賢い人達が、昔いただろう地竜の遺跡と言い出すだろう。その生態をどのくらいわかってるかわからない。だから、ある程度の跡を残して隠すものを考える。
ああ、寒さが本格的になる前で良かった。
内緒の魔石も秘密の保管庫に移動する。
これでどれだけ青霧山脈から冬将軍が降りて来ても、領民のケアに心配はない。
そんな訳で館はとっても明るい。
万年雪を頂く険しい青霧山脈。
高地で気候の低いブルローティング。
もちろん雪も多い。
それよりも冬から春。
そして夏から秋にと、だいたい年2回、山脈から冷たくて湿潤な風が吹き荒れる。
青霧の息って呼ばれるソレは、とても強くて冷たい。
収穫期にソレが当たると、畑が凍って収穫の六割はダメになる。
冬は保存食がなくなり始めた頃にソレが吹くともう、命の危機だ。水も凍る。生きる為にとにかく暖炉で火を燃やし続ける。
一軒では無理だから、集まって生活する為の集会所が町には必ず幾つかある。
そんな領民から税を摂れるはずもなく、ウチはいつも貧乏だ。
でもその貧乏は、正直誇らしいものだ。
そんな父様達に、領民は絶対の信頼を寄せてくれる。関係はwin-winだ。皆んないい人達。
でも、皆んなが貧しい。
その毎日が変わるかもしれない。
地中なら、冬でも凍らずにいられる。
俺のわくわくが止まらないのは、当たり前だよね!
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