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辺境で大暴れ
17 おうっ!地下帝国!ロマンだよね
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とりあえず、かき集めた風と土の魔石に魔力を充満させた。
ソレを持ってさあ、測量だ!
二つ向こうのバーゼルの町にいく。
まぁ、もう埋まってるかもしれないし、使えないかもしれないので、地下水脈の調査だと周知する。冬に水が凍った時は必要だからね。
そして騎士団が駆り出されている。
ウチのボンビー領の騎士団は、騎士と言っても土木も農耕もなんでもやる。
もちろん辺境で魔獣とも戦うから、マッチョ揃いだ。
父様の持っていた地図の、枯れた井戸とか窪地に、ジャスの地図を照らし合わせて地上に騎士団が配備されてる。
水もない枯れた木と岩だけがある渓谷跡地みたいな所で、ダウジングの様にチェックしていく。
空洞を感知して、まず人が通れる様に穴を開ける。
土と風の魔力を込めると、規則正しく吹き飛んだ。その土を土手のようにかためて、崩れないように積んでいく。
洞窟となったその入り口に、父様と俺とジャス。そして騎士団の隊長と数名が入った。
二人が大きな荷物を背負っている。
一つは工事関係。もう一つは母様の愛。
つまり弁当だ。
弁当は大事! なによりも、な!
緩やかな坂井になっている道を10メートル近くもガンガン掘っていく。
きっと父様は半信半疑だったと思う。
そんな上手い話があればなぁって。
でも硬い岩を吹き飛ばした時、そこにぽっかりあいた暗闇に、目を見開いた。
ソレはほんのり暖かかった。
絶滅して500年というから、生き物の存在感は無かったが、有ればもっと生臭かったかもしれない。
丸く掘り進められたそのトンネルの脇には、光苔も生えていた。
ぽかんと口を開けているのは筋肉自慢の隊長達。魔獣の襲撃にあんなに動じないのに、今は人形劇を観る子供のような顔してる。
ジャスは土壁を叩く。
カンカンと高い音がする。
ほら、体液でカチカチだよーって、笑う。
そうやって、俺達はトンネルを歩き出した。
歩いてる途中、地上で立っている団員のセンサーに引っかかる。
地竜も空気が必要だから、何処かに外に繋がる穴があるはず。
ソレらしい枯井戸や窪地に立つ団員には、小さな魔石を渡して、異常を感知する結界を地下目掛けて放っておいてくれと言ってある。
なんですかぁ。ってば顔をしてたが、領地の為だ!と力説すれば、敬礼を返してくれた。
きっと今、合図を送られて、印を付けている。
それで地下のトンネルの型が、どう進んでいくのかわかる。
コレを何日か繰り返して、パパラチャとの国境、つまり崖までやってきた。
この出口を開けるには、王とパパラチャの領主の許可がいる。
父様の仕事だ。
何か新しい事が起こっている。
領民達はソワソワと連日の騎士団を伺っている。
地の竜の道の入り口には、いつも警備の兵が立ち、中に入らないようにしてある。
どんなの。どんなの。
と、興味津々な母様を招いて、今日はお茶会だ。
暗くて大きなトンネルの中でキャンプ用のテーブルと椅子でお茶会だ。
なんだこれ。
やがて執事達を遠ざけてジャスは防護の結界を張る。それも音を遮断して。
何故か理解している母様は、
「それで、ソコに行けますの?」と聞いた。
ソコってばどこ?
わかって無い俺に、父様はジャスの羊皮紙を広げてくれた。
「地竜達はここで生活していたんだ。ココが地竜の道で、家で、町だったんだ。おまえなら、一本の道だけで生きていけるか?」
道。家。町。 その言葉を噛み締める。
あれっ?てことは。
「そう、この大きな道から逸れて、家や町があるってことだ。この地図にはそれも書いてある。」
太い道の傍に小道や丸い形のもの。
「何も調べないうちに、王宮から調査団がきてはいけない。出来るだけ早くパパラチャへの道は欲しい。でもそれで領地がめちゃくちゃになっては元も子もないからね。」
優雅にお茶を飲みながら、母様は視線をジャスに向けた。
「ジャス。キーランが困った事にならない様に、優先順位を付けましょう。貴方はどうしたいかしら。」
その笑顔は美しくって、ちょっと悪そうで、なんかドキドキした。
ソレを持ってさあ、測量だ!
二つ向こうのバーゼルの町にいく。
まぁ、もう埋まってるかもしれないし、使えないかもしれないので、地下水脈の調査だと周知する。冬に水が凍った時は必要だからね。
そして騎士団が駆り出されている。
ウチのボンビー領の騎士団は、騎士と言っても土木も農耕もなんでもやる。
もちろん辺境で魔獣とも戦うから、マッチョ揃いだ。
父様の持っていた地図の、枯れた井戸とか窪地に、ジャスの地図を照らし合わせて地上に騎士団が配備されてる。
水もない枯れた木と岩だけがある渓谷跡地みたいな所で、ダウジングの様にチェックしていく。
空洞を感知して、まず人が通れる様に穴を開ける。
土と風の魔力を込めると、規則正しく吹き飛んだ。その土を土手のようにかためて、崩れないように積んでいく。
洞窟となったその入り口に、父様と俺とジャス。そして騎士団の隊長と数名が入った。
二人が大きな荷物を背負っている。
一つは工事関係。もう一つは母様の愛。
つまり弁当だ。
弁当は大事! なによりも、な!
緩やかな坂井になっている道を10メートル近くもガンガン掘っていく。
きっと父様は半信半疑だったと思う。
そんな上手い話があればなぁって。
でも硬い岩を吹き飛ばした時、そこにぽっかりあいた暗闇に、目を見開いた。
ソレはほんのり暖かかった。
絶滅して500年というから、生き物の存在感は無かったが、有ればもっと生臭かったかもしれない。
丸く掘り進められたそのトンネルの脇には、光苔も生えていた。
ぽかんと口を開けているのは筋肉自慢の隊長達。魔獣の襲撃にあんなに動じないのに、今は人形劇を観る子供のような顔してる。
ジャスは土壁を叩く。
カンカンと高い音がする。
ほら、体液でカチカチだよーって、笑う。
そうやって、俺達はトンネルを歩き出した。
歩いてる途中、地上で立っている団員のセンサーに引っかかる。
地竜も空気が必要だから、何処かに外に繋がる穴があるはず。
ソレらしい枯井戸や窪地に立つ団員には、小さな魔石を渡して、異常を感知する結界を地下目掛けて放っておいてくれと言ってある。
なんですかぁ。ってば顔をしてたが、領地の為だ!と力説すれば、敬礼を返してくれた。
きっと今、合図を送られて、印を付けている。
それで地下のトンネルの型が、どう進んでいくのかわかる。
コレを何日か繰り返して、パパラチャとの国境、つまり崖までやってきた。
この出口を開けるには、王とパパラチャの領主の許可がいる。
父様の仕事だ。
何か新しい事が起こっている。
領民達はソワソワと連日の騎士団を伺っている。
地の竜の道の入り口には、いつも警備の兵が立ち、中に入らないようにしてある。
どんなの。どんなの。
と、興味津々な母様を招いて、今日はお茶会だ。
暗くて大きなトンネルの中でキャンプ用のテーブルと椅子でお茶会だ。
なんだこれ。
やがて執事達を遠ざけてジャスは防護の結界を張る。それも音を遮断して。
何故か理解している母様は、
「それで、ソコに行けますの?」と聞いた。
ソコってばどこ?
わかって無い俺に、父様はジャスの羊皮紙を広げてくれた。
「地竜達はここで生活していたんだ。ココが地竜の道で、家で、町だったんだ。おまえなら、一本の道だけで生きていけるか?」
道。家。町。 その言葉を噛み締める。
あれっ?てことは。
「そう、この大きな道から逸れて、家や町があるってことだ。この地図にはそれも書いてある。」
太い道の傍に小道や丸い形のもの。
「何も調べないうちに、王宮から調査団がきてはいけない。出来るだけ早くパパラチャへの道は欲しい。でもそれで領地がめちゃくちゃになっては元も子もないからね。」
優雅にお茶を飲みながら、母様は視線をジャスに向けた。
「ジャス。キーランが困った事にならない様に、優先順位を付けましょう。貴方はどうしたいかしら。」
その笑顔は美しくって、ちょっと悪そうで、なんかドキドキした。
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