落ちこぼれ淫魔ですが、純愛がしたい

たまとら

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淫夢 〜宿屋の女中〜

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「あん。…んっん、ん♡…」

大好きなあなたが、廊下の隅で壁ドンした。
びっくりした所を顎クイされてキスされる。

待って、あたしの初めてのキス。

分厚い舌は生き物のように、あたしの舌に絡みついてくる。
気持ち悪い。
でも、ドキドキする。
押し退けようと胸をぐいっと押したけど、びくともしない。
……ちょっと怖くなる。

ココは廊下の端っこで。
誰かが通りかかったらって思うと気が気じゃない。
初めてのキスに集中出来ない。

そっと目を開けるとあなたの目はギラギラしていて、ビクッとなった。

なめくじのように這いながら、舌が首筋から下へ落ちていく。
あなたの背中を抱き締めながら、えっえっ‼︎
と、焦った。

そりゃ、あなたが好きよ。
でもキスまでしか無理だわ。

そんな戸惑いもお構いなしに、あなたの手がスカートをめくって、太ももに滑り込んだ。

「やめて‼︎やめて下さい!」

思わずはっきり拒絶する。
びっくりしたあなたの目の中に、真っ赤になってぼろぼろ泣いている自分が写っていた。


あなたが好き。
あなたが好き。
でもあなたはあたしを好きじゃない。
知ってる。
知ってるわ。
あなたには家に帰れば奥さんも子供もいるって。

都合の良い女になってでも、あなたの側に居たいと思ってた。
奥さんより自分の方が若いからって。

でもダメ。
そんな事ダメ。

キスより先は怖いの。
そんなあたしの心を見向きもしてくれないのね。
わかってるわ。
わかってるわ。
てもあなたの奥さんだって、心が傷ついちゃうのよ。

あたしの恋は実らない。
苦しくて、辛いままで終わっちゃう。
でもいいの。
沢山の人が傷ついたら、あなただって傷ついちゃうわ。




「……。」

レムスはポロポロと涙を流した。
女性からの淫夢に、何故かレムスが呼ばれたと思ったら。
彼女は恋に苦しむ無垢な女性だった。
まだテクニックを持ったインキャバスを知らない女性だった。

彼女の心に寄り添って、レムスはポロポロと涙を流す。



ダナエは夢からレムスを引っ張り上げた。
ゴシゴシと手で擦って真っ赤になった瞼と鼻先を、ゆっくり回復した。

お互いのスタールビーの様な瞳が見つめ合う。
一人はウルウルと子犬のように。
一人は呆れて半眼で。

「~~は淫夢じゃないわよね。」

「はい。」

恥ずかしげにもじもじとレムスは答える。
ダナエはにっこりと人差し指を立てて口角を上げた。

「は~い。質問です。私達は何のためにこの娘に夢を見せたのでしょうか?」

そう、メンターは後輩を教えて導かなくてはいけない。

「…キスから盛り上がって、淫欲に雪崩れ込ませるため……デス。」

「は~い。正解です!で、可愛い宿屋のお嬢さんは、彼氏とえっちに向かったでしょうか?」

「……。」

わかっています。
僕達は淫魔。

淫夢を見せて愛欲の世界に引き摺り込んで、精液やら愛液やらの生気を貰う生き物です。

でも、でもね。

レムスはちらりと上目遣いにダナエを見た。
その可愛い子犬の様な姿に、ダナエは緩まないように口元をきゅっと絞った。

「だって。だって、恋ってきゅんとしちゃうよ。」

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