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新作小話
虎の国にて
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ある日の虎の国でのできごとである。太陽が沈む頃、城の側のだだっ広い場所では今日も宴会が行われている。周りにかがり火がたかれ、皿に乗せられた緑の物体が煙をあげていた。ラギ達ががんばってつくっていた蚊取り線香である。元の世界の物ほど綺麗ではないが、緑っぽい塊や、茶色っぽい塊、気持ち丸くなっているものなど、いろいろな形のものがあちこちで煙をあげていた。虎もこの近くにいたら虫がこないとわかっているのか、虫除けの側で寝ているくらいである。このタイプの虫除けは、虎の国ではポピュラーなものになった。なんと今や狼や犬の国でも売られているのだからすごい。
宴会では様々な余興がつきものであるが、今夜は、男と女の戦いが始まっていた。虎の女は筋肉隆々ではないのだが、力はすごい。男の方が相対的に強いので、ハンデとして頭に頭巾をかぶっている。宴もたけなわになってきたところで、ガットが「俺たちもやろう」とアヤコを誘っていた。
「いいわよ。今までの特訓の成果を見せてあげる」
ガットとアヤコは中央に向かい、座っていた者達は歓声をあげていた。今のアヤコは普段のアヤコではない。虎の一族の気質に覆われているし、耳も大きくなっている。そう、この世界の者に変身する実を食べていたのである。
ガットは頭にすっぽり頭巾をかぶった。
「来いアヤコ」
「行くわよ!」
アヤコはガットに向かっていき、しょっぱなから回し蹴りを食らわせていた。
「おー!」
どよめきがあがっている。
アヤコは回し蹴りを続けざまに二度も食らわせて、パンチの連打、さらにジャンピングキックを綺麗に決めていた。あまりに美しく決まっていたので周りから拍手が起こっている。
「すげえ」
「つええ!」
「かっこいいわ! アヤコさん」
男も女も盛り上がっていた。
ガットは一切反撃はしない。アヤコの攻撃を受けるのみである。ガットにとっては、これも幸せな一時である。強い女が大好きな虎の男にとっては、キックもパンチもチューされるくらいの感覚なのかもしれない。
「ああ、こんなものいらん。じっくりアヤコちゃんのけりがみたい!」
ガットは頭巾を取っていた。
「おおおおおお!」
「アヤコちゃ~ん!」
アヤコは雄叫びのようなものをあげながらガットに向かっていき、キックの連打を浴びせていた。
「いい、きく~いい~」
ガットはうれしそうである。
「もっとこーい!」
ガットは中腰になっている。
アヤコはガットの膝を踏み台にしてジャンプし、ガットの顔に膝蹴りを食らわせた。ガットはそのまま仰向けに倒れた。華麗に膝蹴りを決めたアヤコはみんなに向かって両手をあげている。
「おおー!」
拍手喝采がおこった。
「アヤコ様すげえ!」
「惚れちまうわ!」
ガットは寝転んだまますぐに声の方を向き、「今のだれだ? 殺すぞ」とすごんでいたので声の主は「すいません」と謝っていた。
「いやーアヤコがこんなに強くなっていたとは」
国王も驚いている。
二人は今までだれもいないところで戦っていたので、こうしてみんなの前で戦うのは初めてだった。
「あーすっきりしたー気分爽快!」
ガットを殴りまくったアヤコはすっきりした顔付きで腕を回している。
「アヤコちゃん、今から部屋で二回戦しよう」
ガットはアヤコの後ろで猫なで声で言った。
「いや」
「アヤコちゃ~ん」
大人達の後ろでこっそり子供達が宴会の様子を眺めていた。
「アヤコさん壮絶だな。タロウもああいう嫁さんもらうか?」
国王の息子ガウルがタロウに聞いた。
「絶対やだな」
タロウは速攻で答えていたのだった。
宴会では様々な余興がつきものであるが、今夜は、男と女の戦いが始まっていた。虎の女は筋肉隆々ではないのだが、力はすごい。男の方が相対的に強いので、ハンデとして頭に頭巾をかぶっている。宴もたけなわになってきたところで、ガットが「俺たちもやろう」とアヤコを誘っていた。
「いいわよ。今までの特訓の成果を見せてあげる」
ガットとアヤコは中央に向かい、座っていた者達は歓声をあげていた。今のアヤコは普段のアヤコではない。虎の一族の気質に覆われているし、耳も大きくなっている。そう、この世界の者に変身する実を食べていたのである。
ガットは頭にすっぽり頭巾をかぶった。
「来いアヤコ」
「行くわよ!」
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「おー!」
どよめきがあがっている。
アヤコは回し蹴りを続けざまに二度も食らわせて、パンチの連打、さらにジャンピングキックを綺麗に決めていた。あまりに美しく決まっていたので周りから拍手が起こっている。
「すげえ」
「つええ!」
「かっこいいわ! アヤコさん」
男も女も盛り上がっていた。
ガットは一切反撃はしない。アヤコの攻撃を受けるのみである。ガットにとっては、これも幸せな一時である。強い女が大好きな虎の男にとっては、キックもパンチもチューされるくらいの感覚なのかもしれない。
「ああ、こんなものいらん。じっくりアヤコちゃんのけりがみたい!」
ガットは頭巾を取っていた。
「おおおおおお!」
「アヤコちゃ~ん!」
アヤコは雄叫びのようなものをあげながらガットに向かっていき、キックの連打を浴びせていた。
「いい、きく~いい~」
ガットはうれしそうである。
「もっとこーい!」
ガットは中腰になっている。
アヤコはガットの膝を踏み台にしてジャンプし、ガットの顔に膝蹴りを食らわせた。ガットはそのまま仰向けに倒れた。華麗に膝蹴りを決めたアヤコはみんなに向かって両手をあげている。
「おおー!」
拍手喝采がおこった。
「アヤコ様すげえ!」
「惚れちまうわ!」
ガットは寝転んだまますぐに声の方を向き、「今のだれだ? 殺すぞ」とすごんでいたので声の主は「すいません」と謝っていた。
「いやーアヤコがこんなに強くなっていたとは」
国王も驚いている。
二人は今までだれもいないところで戦っていたので、こうしてみんなの前で戦うのは初めてだった。
「あーすっきりしたー気分爽快!」
ガットを殴りまくったアヤコはすっきりした顔付きで腕を回している。
「アヤコちゃん、今から部屋で二回戦しよう」
ガットはアヤコの後ろで猫なで声で言った。
「いや」
「アヤコちゃ~ん」
大人達の後ろでこっそり子供達が宴会の様子を眺めていた。
「アヤコさん壮絶だな。タロウもああいう嫁さんもらうか?」
国王の息子ガウルがタロウに聞いた。
「絶対やだな」
タロウは速攻で答えていたのだった。
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