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新作小話
グレンのお願い
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ある日の神の国、女神ガーベラはカサンドラの神殿の近くで、土の妖精ソルを眺めていた。ソルは極度の恥ずかしがりやなのか、ガーベラのそばには近づいてこないので、ガーベラは離れたところからそっと眺めている。ソルは最初のころは土の中入っていることが多かったが、最近では素の姿でいることが多い。今もそうだ。座り込んで土をいじくっている。ソルはガーベラに気づいて顔を向けた。前髪で目元が隠れているので顔もよく見えない。ガーベラがおいでおいでと手で仕草をしたが、ソルは近づいてはこなかった。
「瞳の色は何色なのかしら。目が見えないからわからないわ」
ガーベラがつぶやいていると、「黄色ですよ」と声が聞こえた。振り向くと、後ろにグレンが立っている。
「どうして知ってるの? あの子の顔を見たの?」
ガーベラがグレンに聞いた。
「アシュラン様がおっしゃってましたよ」
「黄色なんだ。へー」
ガーベラはソルに再び目を向けたが、ソルはいなくなっていた。
「ガーベラ様、ちょっとお願いがあるんですが」
「何?」
「ここではちょっと」
「そう」
グレンはガーベラの神殿に一緒に移動した。
華やかでかぐわしい香りが漂う神殿の中に入ると、ガーベラはソファに座った。グレンは立ったまま、「実は……」と話しだそうとしたので、ガーベラは「ちょっとまって!」と待ったとかけていた。
「当てさせて。うーんと、そろそろガーベラ様の豊満な肉体が欲しくなってきたんですよ。でしょ」
がーベラは人差し指を立てて言った。
「……いえ」
「なんだ違うの?」
ガーベラはつまらなそうだ。グレンは斜め上を向いて、もう一度ガーベラを見た。
「実は、あちらのガーベラ様に会いたくて……」
「会ってどうしたいの?」
ガーベラは突っ込んで聞いていた。ちょっと意地わるげな顔つきである。
「会って……」
「会って?」
「会って……抱きたいです」
グレンは恥ずかし気に言っていた。
「ふっ言ったわね。まあいいわ。夜会わせてあげる。そのかわり、どうだったか後で教えて」
「えー」
「いいじゃないの。あ、そーだ。グレンに精力剤を作ってあげる♪」
ガーベラは両手を合わせて言った。
「え? いえ、いいです」
グレンはあわてている。
「ハロルドやラーズと競うためには、がんばらないと。そうじゃなくてもグレンは地味なんだから」
「いえ、そんなにがんばらなくても……」
「もっとグレンに会って抱かれたい~って思われたくないの?」
「え……」
「そうと決まれば、今から材料を集めてこなきゃ♪ グレン、あとでね~」
ガーベラは楽しそうに言って神殿を出て行ってしまった。
グレンはぽかんとしている。
「なんか心配だ……」
夜になり、ガーベラがグレンの神殿にやってきた。
「じゃじゃーん、精力剤よ。さ、のんで」
ガーベラは目を輝かせて小瓶をグレンに渡した。
「どうしても飲まなきゃだめですか?」
グレンはいやそうである。
「飲まなきゃだめ」
「…………」
グレンはガーベラに強引に小瓶を渡されて、かなり不安に思いながら、小瓶の中身を飲んだ。
「じゃ、がんばってね」
ガーベラはベッドの上に横になった。
グレンの体はかなり熱くなっていた。
「ガーベラ様……」
ガーベラの顔を近くで見つめていたら、ガーベラが目を開けた。
「あれ? グレン?」
ガーベラの体にゆりが入っている。
「ガーベラ様!」
グレンは気持ちが抑えられず、ゆりに口づけていた。
精力剤の効果なのか、グレンは続けざまに3度もゆりを抱いていた。
「ああ、ガーベラ様……愛してます! 私のかわいい人!」
「グレンってば、今日は熱烈~」
「ハニ~私のかわいいハニー」
「グレン……今日はすごいね」
「うれしいですか?」
「うん。って、いや、そんなにがんばらなくてもいいんだけど」
グレンは女神の体から手を離そうとしなかった。
「ガーベラ様、またこんな風に、私と愛し合ってください」
「うん」
その後再び鳥の卵がぽーんと出てきたのだった。
ゆりが人間界に戻り、すっかり正気に戻ったグレンは、がんばりすぎた反動かげっそりしていた。
「また鳥が出てくるなんて楽しいわねえ」
ガーベラは鳥のひなを見て笑っている。
「グレン、あらあら、なんかげっそり疲れてない? ずいぶんがんばっちゃった? うふふ」
ガーベラはグレンを見て笑っていた。
「帰って寝ます」
「添い寝してあげようかあ?」
「いえ、いいです」
「かわいくないわねー」
グレンは飛んで行ってしまった。
「グレンってば、本当に私のことずっと好きだったのかしら」
グレンのそっけなさも相変わらずである。ガーベラは少し離れたところにいたサントスに近づいた。
「ね、サントス、話があるの。ちょっと来て」
「え、はい」
ガーベラはサントスをカサンドラの神殿の中の奥の寝室に連れて行った。
「話ってなんですか?」
「私、サントスとの神獣も欲しい~」
「ええ!?」
ガーベラはがばっとサントスに抱き着いた。
グレンは仕事はひとまずライサに頼み、自分のベッドに寝ころんでいた。女神のかぐわしいにおいはまだ残っている。
(ガーベラ様……いつか、ハロルド様のようにあちらに呼んでください……私はあちらのあなたも愛したい……)
グレンはそんなことを思いつつ、目を閉じたのだった。
「瞳の色は何色なのかしら。目が見えないからわからないわ」
ガーベラがつぶやいていると、「黄色ですよ」と声が聞こえた。振り向くと、後ろにグレンが立っている。
「どうして知ってるの? あの子の顔を見たの?」
ガーベラがグレンに聞いた。
「アシュラン様がおっしゃってましたよ」
「黄色なんだ。へー」
ガーベラはソルに再び目を向けたが、ソルはいなくなっていた。
「ガーベラ様、ちょっとお願いがあるんですが」
「何?」
「ここではちょっと」
「そう」
グレンはガーベラの神殿に一緒に移動した。
華やかでかぐわしい香りが漂う神殿の中に入ると、ガーベラはソファに座った。グレンは立ったまま、「実は……」と話しだそうとしたので、ガーベラは「ちょっとまって!」と待ったとかけていた。
「当てさせて。うーんと、そろそろガーベラ様の豊満な肉体が欲しくなってきたんですよ。でしょ」
がーベラは人差し指を立てて言った。
「……いえ」
「なんだ違うの?」
ガーベラはつまらなそうだ。グレンは斜め上を向いて、もう一度ガーベラを見た。
「実は、あちらのガーベラ様に会いたくて……」
「会ってどうしたいの?」
ガーベラは突っ込んで聞いていた。ちょっと意地わるげな顔つきである。
「会って……」
「会って?」
「会って……抱きたいです」
グレンは恥ずかし気に言っていた。
「ふっ言ったわね。まあいいわ。夜会わせてあげる。そのかわり、どうだったか後で教えて」
「えー」
「いいじゃないの。あ、そーだ。グレンに精力剤を作ってあげる♪」
ガーベラは両手を合わせて言った。
「え? いえ、いいです」
グレンはあわてている。
「ハロルドやラーズと競うためには、がんばらないと。そうじゃなくてもグレンは地味なんだから」
「いえ、そんなにがんばらなくても……」
「もっとグレンに会って抱かれたい~って思われたくないの?」
「え……」
「そうと決まれば、今から材料を集めてこなきゃ♪ グレン、あとでね~」
ガーベラは楽しそうに言って神殿を出て行ってしまった。
グレンはぽかんとしている。
「なんか心配だ……」
夜になり、ガーベラがグレンの神殿にやってきた。
「じゃじゃーん、精力剤よ。さ、のんで」
ガーベラは目を輝かせて小瓶をグレンに渡した。
「どうしても飲まなきゃだめですか?」
グレンはいやそうである。
「飲まなきゃだめ」
「…………」
グレンはガーベラに強引に小瓶を渡されて、かなり不安に思いながら、小瓶の中身を飲んだ。
「じゃ、がんばってね」
ガーベラはベッドの上に横になった。
グレンの体はかなり熱くなっていた。
「ガーベラ様……」
ガーベラの顔を近くで見つめていたら、ガーベラが目を開けた。
「あれ? グレン?」
ガーベラの体にゆりが入っている。
「ガーベラ様!」
グレンは気持ちが抑えられず、ゆりに口づけていた。
精力剤の効果なのか、グレンは続けざまに3度もゆりを抱いていた。
「ああ、ガーベラ様……愛してます! 私のかわいい人!」
「グレンってば、今日は熱烈~」
「ハニ~私のかわいいハニー」
「グレン……今日はすごいね」
「うれしいですか?」
「うん。って、いや、そんなにがんばらなくてもいいんだけど」
グレンは女神の体から手を離そうとしなかった。
「ガーベラ様、またこんな風に、私と愛し合ってください」
「うん」
その後再び鳥の卵がぽーんと出てきたのだった。
ゆりが人間界に戻り、すっかり正気に戻ったグレンは、がんばりすぎた反動かげっそりしていた。
「また鳥が出てくるなんて楽しいわねえ」
ガーベラは鳥のひなを見て笑っている。
「グレン、あらあら、なんかげっそり疲れてない? ずいぶんがんばっちゃった? うふふ」
ガーベラはグレンを見て笑っていた。
「帰って寝ます」
「添い寝してあげようかあ?」
「いえ、いいです」
「かわいくないわねー」
グレンは飛んで行ってしまった。
「グレンってば、本当に私のことずっと好きだったのかしら」
グレンのそっけなさも相変わらずである。ガーベラは少し離れたところにいたサントスに近づいた。
「ね、サントス、話があるの。ちょっと来て」
「え、はい」
ガーベラはサントスをカサンドラの神殿の中の奥の寝室に連れて行った。
「話ってなんですか?」
「私、サントスとの神獣も欲しい~」
「ええ!?」
ガーベラはがばっとサントスに抱き着いた。
グレンは仕事はひとまずライサに頼み、自分のベッドに寝ころんでいた。女神のかぐわしいにおいはまだ残っている。
(ガーベラ様……いつか、ハロルド様のようにあちらに呼んでください……私はあちらのあなたも愛したい……)
グレンはそんなことを思いつつ、目を閉じたのだった。
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