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14部
感動だ!
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(これが西の聖域、聖地!!)
この日、初めてムサカは聖地に足を踏み入れた。
大きなアシュランとヒルデリアの石像が巡礼者達を迎えてくれた。
(おーーーーーおーーーーーーすごい! 感動だ!)
蛇の国から本当に一瞬で聖地に来てしまった。まるで夢のようだが夢ではない。ドルイドもラギもロイも目を輝かせて、はしゃいでいた。
「聖地だ!」
「すごい、本当に来た!」
「すごーい!」
ムサカもはしゃぎたかったが、いい大人である。ここは我慢した。だが、大声で叫びたい気分である。
(すごい! すごいぞー!)
雪はすっかり溶けて、春の風が吹いていた。
「聖地は神聖な空気で包まれていましたよ。本当に感動する場所です」
過去の時代、聖地に行った商人からこんな話を聞いた。
(確かに空気が違う。もう泣きそうだ。いかん、我慢だ)
四人はビスコーと一緒に馬車に乗ることになった。
(実は私は馬車も初めてだ)
国内では瞬間移動ができるので、馬車の出番はないのである。馬に乗ることもない。
(これが馬車……)
瞬間移動でぱぱっと行くのもありがたいが、馬車での旅も風情があっていい。窓から外を眺めると、道ばたに咲いている花が見えた。
(春だなあ……)
ビスコーがノイトラールの話をしていた。ノイトラールという街のことはムサカも知っている。様々な一族の者達が出入りする珍しい街である。とても興味深いが、ムサカは子供達を守る役目もある。蛇の国の外では、ムサカの魔法もどの程度使えるかわからない。よく考えて行動しなければならない。
(船がもし沈んでしまったら……私は泳げないしな。魔法が使えれば助けることができるが、海の上で魔法が使えるのかどうかわからないな)
聖地の中はアシュランの特別結界がはられているので、魔法を使うことができるのは、神官くらいのもののようだ。
(アシュラン様はすごいな)
馬車はダーナの神殿に到着した。
ムサカは羊の国でダーナに会ったことがあったので、あの時を思い出し、感動した。ラギとロイは、ダーナの手形を見て楽しげにしている。
(本当に美しい方だったな……)
ダーナの真っ白な石像は優しく微笑んでいた。
(感動するなあ)
未来の時代で、思いもかけず様々な神様に会うという幸運に恵まれた。過去のあの平和な時代では、神様に会うことはなかったというのに。その中でもムサカにとって衝撃だったのは、アシュランに会えたことである。
最も尊き御方が目の前に現われて、自分に話しかけてくれた。それだけでも大感動なのに、さらに若返りの魔法までかけてくださったのだ。当初は困惑したが、今は、それがありがたいと思っていた。今ならば、ゆりが出産の時に使ったあの大魔法を、また使うことができる。
『母様に関わると、運命が変わっちゃうんだよ。もちろん良い方にね』
シスがムサカに言った言葉である。
ムサカの運命はすでに変わりすぎてしまった。過去に戻った時、女王になんていったらいいやら困りそうである。
ダーナの神殿を出た一同は、ジンラの神殿に寄り、ロイの希望であるライオネルの神殿を目指すことになった。馬車は途中までで、そこからは歩きである。ライオネルの神殿は、ひときわ高い所にあるようだ。結構な階段が続けていた。ムサカは皆を気にしながらも上に登った。先に神殿に入ったロイが騒いでいた。
「ライオネル様だ!」
(なんだって!?)
ムサカとドルイドも、ついラギを待たずに神殿の中に入っていた。中にいたのは金色に輝く毛並みの雄々しい神である。獣姿だが、なんとも神々しく感じられる。ライオネルはちゃんと服を着て神殿の中で寝そべっていた。神官の一人がその顔に櫛を入れている。どうやらたてがみを整えているようだ。
「ライオネル様、お久しぶりです」
ロイがうれしそうに声をかけていた。
「お? 見たことがあるな。あーあの時の子供か! 虎の国で会った」
「はい、僕ロイです! ライオネル様にとっても会いたかったです」
「そうかそうか」
ライオネルはご機嫌なのか尻尾をゆらゆらゆらしていた。
神殿の中は様々な動物たちがいた。ウサギや豹もいたが、動物たちはここでは仲良くしているようだ。
(感動だー……)
ムサカは我慢できずに泣いていた。ドルイドも泣いていた。
「圧倒されますね。あれがライオネル様……」
「感動だな」
ムサカとドルイドは、少し離れた所でひざをついて、泣いていた。
「僕、ライオネル様の加護、すごく大事にしているんですよ」
「加護なんてやったっけ? ああ、あれは封印だろ?」
「僕にとっては加護なんです!」
「そうか」
ライオネルは人間の言葉も堪能だった。さらに櫛で整えてもらったたてがみは、つやつやと綺麗に輝いていた。
(触ってみたい)
神官は櫛についていたライオネルの毛を集めていた。
「ライオネル様のたてがみは、お守りとして売られているんですよ」
神官が教えてくれた。
「僕買いたい!」
ロイが一番に反応していた。
「お前にはタダでやるよ」
ライオネルが神官に指示し、ロイはライオネルの守りの袋をもらって喜んでいた。
「わーい! うれしいです」
神官が気を利かしてムサカとドルイドにもお守りをくれた。
「いいんですか? ありがとうございます」
「ありがとうございます」
二人もうれしそうにお守りを受け取っていた。
ラギとビスコーがようやくやってきた。二人もライオネルを見て感動しまくっている。
ムサカはライオネルに頭をなでてもらった。ライオネルの手はとても大きく、金色の毛で覆われており、ピンクの肉球もあった。肉球の感触に、ムサカはさらに泣いていた。
その後一同はホテルに行き、ドルイドとムサカは同じ部屋で休んだ。
「初日だけでもうすごかったですね」
ドルイドが言った。
「本当にな。私は今日だけでかなり泣きまくってしまった。明日アシュラン様の神殿に行ったらどうなってしまうんだろう。なんだか申し訳ないな。私がこんなに良い思いをしてしまうなんて」
「いいじゃないですか。ムサカ様はいろいろがんばっているんだし」
「うーん」
「実は僕、聞いたんです。ムサカ様が王妃様を妊娠させたって。だから今回の聖地行きってことになったんだって」
ムサカはぎくりとしていた。
「御子様が、ムサカ様の魔力を引きついでいればいいですね」
「……ドルイド、すまんな」
「僕は平気ですよ。出産の時が心配ですが、まだその時はムサカ様もいらっしゃるし、王妃様が幸せなら僕はそれでいいです。王妃様は優しいから、ムサカ様を正常な状態に戻してあげたかったんでしょう。それでそうなったんでしょう? 僕には簡単に想像できましたよ」
「……まあ、想像通りだな」
「王様との仲が険悪になっていないようなのでよかったです。過去に戻った時、女王陛下がどんな顔をされるのか、楽しみですね」
ドルイドは最後に皮肉っぽく言っていた。
「僕のことはご心配なく。僕は今幸せですよ。明日からも楽しみだな。寝ましょう」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
二人はベッドで目を閉じた。
(王妃様のことも気になるが、今はせっかく聖地にいるのだから楽しもう。明日はアシュラン様の神殿に行く。私は大丈夫かな?)
予想通り、翌日アシュランの神殿に行ったムサカは涙腺が崩壊し泣きまくったのだった。
この日、初めてムサカは聖地に足を踏み入れた。
大きなアシュランとヒルデリアの石像が巡礼者達を迎えてくれた。
(おーーーーーおーーーーーーすごい! 感動だ!)
蛇の国から本当に一瞬で聖地に来てしまった。まるで夢のようだが夢ではない。ドルイドもラギもロイも目を輝かせて、はしゃいでいた。
「聖地だ!」
「すごい、本当に来た!」
「すごーい!」
ムサカもはしゃぎたかったが、いい大人である。ここは我慢した。だが、大声で叫びたい気分である。
(すごい! すごいぞー!)
雪はすっかり溶けて、春の風が吹いていた。
「聖地は神聖な空気で包まれていましたよ。本当に感動する場所です」
過去の時代、聖地に行った商人からこんな話を聞いた。
(確かに空気が違う。もう泣きそうだ。いかん、我慢だ)
四人はビスコーと一緒に馬車に乗ることになった。
(実は私は馬車も初めてだ)
国内では瞬間移動ができるので、馬車の出番はないのである。馬に乗ることもない。
(これが馬車……)
瞬間移動でぱぱっと行くのもありがたいが、馬車での旅も風情があっていい。窓から外を眺めると、道ばたに咲いている花が見えた。
(春だなあ……)
ビスコーがノイトラールの話をしていた。ノイトラールという街のことはムサカも知っている。様々な一族の者達が出入りする珍しい街である。とても興味深いが、ムサカは子供達を守る役目もある。蛇の国の外では、ムサカの魔法もどの程度使えるかわからない。よく考えて行動しなければならない。
(船がもし沈んでしまったら……私は泳げないしな。魔法が使えれば助けることができるが、海の上で魔法が使えるのかどうかわからないな)
聖地の中はアシュランの特別結界がはられているので、魔法を使うことができるのは、神官くらいのもののようだ。
(アシュラン様はすごいな)
馬車はダーナの神殿に到着した。
ムサカは羊の国でダーナに会ったことがあったので、あの時を思い出し、感動した。ラギとロイは、ダーナの手形を見て楽しげにしている。
(本当に美しい方だったな……)
ダーナの真っ白な石像は優しく微笑んでいた。
(感動するなあ)
未来の時代で、思いもかけず様々な神様に会うという幸運に恵まれた。過去のあの平和な時代では、神様に会うことはなかったというのに。その中でもムサカにとって衝撃だったのは、アシュランに会えたことである。
最も尊き御方が目の前に現われて、自分に話しかけてくれた。それだけでも大感動なのに、さらに若返りの魔法までかけてくださったのだ。当初は困惑したが、今は、それがありがたいと思っていた。今ならば、ゆりが出産の時に使ったあの大魔法を、また使うことができる。
『母様に関わると、運命が変わっちゃうんだよ。もちろん良い方にね』
シスがムサカに言った言葉である。
ムサカの運命はすでに変わりすぎてしまった。過去に戻った時、女王になんていったらいいやら困りそうである。
ダーナの神殿を出た一同は、ジンラの神殿に寄り、ロイの希望であるライオネルの神殿を目指すことになった。馬車は途中までで、そこからは歩きである。ライオネルの神殿は、ひときわ高い所にあるようだ。結構な階段が続けていた。ムサカは皆を気にしながらも上に登った。先に神殿に入ったロイが騒いでいた。
「ライオネル様だ!」
(なんだって!?)
ムサカとドルイドも、ついラギを待たずに神殿の中に入っていた。中にいたのは金色に輝く毛並みの雄々しい神である。獣姿だが、なんとも神々しく感じられる。ライオネルはちゃんと服を着て神殿の中で寝そべっていた。神官の一人がその顔に櫛を入れている。どうやらたてがみを整えているようだ。
「ライオネル様、お久しぶりです」
ロイがうれしそうに声をかけていた。
「お? 見たことがあるな。あーあの時の子供か! 虎の国で会った」
「はい、僕ロイです! ライオネル様にとっても会いたかったです」
「そうかそうか」
ライオネルはご機嫌なのか尻尾をゆらゆらゆらしていた。
神殿の中は様々な動物たちがいた。ウサギや豹もいたが、動物たちはここでは仲良くしているようだ。
(感動だー……)
ムサカは我慢できずに泣いていた。ドルイドも泣いていた。
「圧倒されますね。あれがライオネル様……」
「感動だな」
ムサカとドルイドは、少し離れた所でひざをついて、泣いていた。
「僕、ライオネル様の加護、すごく大事にしているんですよ」
「加護なんてやったっけ? ああ、あれは封印だろ?」
「僕にとっては加護なんです!」
「そうか」
ライオネルは人間の言葉も堪能だった。さらに櫛で整えてもらったたてがみは、つやつやと綺麗に輝いていた。
(触ってみたい)
神官は櫛についていたライオネルの毛を集めていた。
「ライオネル様のたてがみは、お守りとして売られているんですよ」
神官が教えてくれた。
「僕買いたい!」
ロイが一番に反応していた。
「お前にはタダでやるよ」
ライオネルが神官に指示し、ロイはライオネルの守りの袋をもらって喜んでいた。
「わーい! うれしいです」
神官が気を利かしてムサカとドルイドにもお守りをくれた。
「いいんですか? ありがとうございます」
「ありがとうございます」
二人もうれしそうにお守りを受け取っていた。
ラギとビスコーがようやくやってきた。二人もライオネルを見て感動しまくっている。
ムサカはライオネルに頭をなでてもらった。ライオネルの手はとても大きく、金色の毛で覆われており、ピンクの肉球もあった。肉球の感触に、ムサカはさらに泣いていた。
その後一同はホテルに行き、ドルイドとムサカは同じ部屋で休んだ。
「初日だけでもうすごかったですね」
ドルイドが言った。
「本当にな。私は今日だけでかなり泣きまくってしまった。明日アシュラン様の神殿に行ったらどうなってしまうんだろう。なんだか申し訳ないな。私がこんなに良い思いをしてしまうなんて」
「いいじゃないですか。ムサカ様はいろいろがんばっているんだし」
「うーん」
「実は僕、聞いたんです。ムサカ様が王妃様を妊娠させたって。だから今回の聖地行きってことになったんだって」
ムサカはぎくりとしていた。
「御子様が、ムサカ様の魔力を引きついでいればいいですね」
「……ドルイド、すまんな」
「僕は平気ですよ。出産の時が心配ですが、まだその時はムサカ様もいらっしゃるし、王妃様が幸せなら僕はそれでいいです。王妃様は優しいから、ムサカ様を正常な状態に戻してあげたかったんでしょう。それでそうなったんでしょう? 僕には簡単に想像できましたよ」
「……まあ、想像通りだな」
「王様との仲が険悪になっていないようなのでよかったです。過去に戻った時、女王陛下がどんな顔をされるのか、楽しみですね」
ドルイドは最後に皮肉っぽく言っていた。
「僕のことはご心配なく。僕は今幸せですよ。明日からも楽しみだな。寝ましょう」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
二人はベッドで目を閉じた。
(王妃様のことも気になるが、今はせっかく聖地にいるのだから楽しもう。明日はアシュラン様の神殿に行く。私は大丈夫かな?)
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