妖精王の味

うさぎくま

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4、エティエンヌフューベルの能力

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 泣き崩れるエティエンヌフューベルをなんとか慰め、復活するのを気長に待っていた凛音。

 でもいい加減喉が渇いたなぁ……と。


 脳内で、ブラックホールに落ちるまで手に持っていたキャラメルマキアートをウットリ思い出していた。

 まさか中途半端に慰められているとはつゆ知らず、優しい凛音に再度惚れ直していたエティエンヌフューベル。
 目尻に溜まった涙を自身のきめ細やかな細い指でついっと拭き取り、クイッと顔をあげ礼を言う。


「凛音、ありがとう。もう大丈夫よ。私ったら感動してしまって。
 今まで私の名前を正しい発音で一発で言えた者なんかいなくて、あなたがそれが出来たなんて! 本当に運命を感じたわ」


 涙に濡れた瞳の美しいこと。はんっ? 何が運命だ、憎たらしい。

 そんな思いを頭に描いてしまい、頭を振って追い出す。会ったばかりの妖精族の女王様に、何故こんなに憎たらしく思ってしまうのか凛音自身、不思議でならない。

 やだなぁ~、こんな小さな…ではなく妖精さんなのに、なんかこう踏み潰してやりたくなるのよね…。
 私にそういう趣味は無いはずなのに、なんでだろう。

 強烈に肉体が惹かれあっている二人。

 エティエンヌフューベルはきっちり凛音を魂の片割れと理解しているから、肉体が惹かれ合うのは当然だと思っている。
 しかし凛音はこの磁石が引き合うように強烈に気になる現象を、憎いのだと勘違いしていた。


「大丈夫なら良かったです。それと申し訳ないのですが、運命とかではなくてですね。
 名前は…。私の職業柄、名前を覚えるのは大得意でして。人の名前を覚えて尚且つ趣味や好みも把握してからの接客……お商売みたいなものです。
 だから特別な能力とか運命とかそんな凄いものではないです。
 田中とか林とか山田とか簡単な名前は間違いやすいですが、エティエンヌフューベル様のような記憶に残りやすい名は一度聞けば覚えます」


 二度目の撃沈。
 正直が最早、罪だ。

「そこはっ。運命で良いではありませんか! いちいち否定なさらなくとも!!」


 ふしゅぅぅぅーーー。と興奮状態のエティエンヌフューベルに凛音は苦笑い。エティエンヌフューベルの思考がオタクで夢みる乙女だ。その事実にじわじわと笑いが込み上げる。

 最近こんな乙女チックな言動を聞いたか? 凛音は自身に問いかけるも、記憶にない。


「ふっ、ふわあっはははっ、はははははっ。もう、エティエンヌフューベル様って。可愛らしいっ!?
 妖精さんだから?? 思考もとても可愛らしいですね。素敵な女王様だわ。その思考、大好きですっ プゥぅぅぅーー。
 この歳でオタク話できるなんて、ある意味運命です。プッ」


 元来た道を歩きながら腹に手を当て、爆笑している凛音。笑われているエティエンヌフューベルは、顔だけはわずかに笑顔を保てているが内心は極寒で嵐だ。

 二人のちょうど10メートルほど離れてうかがっている妖精族の皆々様は、凛音の言動に凍りついていた。

 男になりたくて、男として見てもらいたいにもかかわらず、可愛らしいなどと連呼されるのは「えぇ、ありがとう」ですませない。

 例え愛しい人の凛音が楽しそうでも、嫌、愛しい人だからこそ撤回したい、エティエンヌフューベルには最優先事項だ。


「凛音。可愛らしいは、やめてくださらない。私は雄々しくありたいの」


 キョトン。凛音の目が点だ。

「雄々しく? 妖精族の女王様で、絶世の美女の貴女が? 言葉が変ですよ。雄々しくってのは男性に使う言葉で、エティエンヌフューベル様は純真や可憐ってのがあってます!!
 羨ましいくらい可愛いですよ」

「ブチッ(怒)私は女じゃないっ!!!」

 しーーーーーん。

 薄紫色の瞳に涙を溜めて宣言するエティエンヌフューベルに、凛音は絶句。


「………えっ!? …
(まさかの性同一性障害!? こんなに豊満な肉体で、まさに男の理想を詰め込んだって容姿なのに!?
 …こればっかりは……失礼よね……私ったら…)」


 驚き固まる凛音に、両生具有を話してしまいそうになったエティエンヌフューベルも同時に固まっていた。

 男としてみてもらえない事実がやるせない。


「あっ、その、すみません。いえ、そうですね。女王様に可愛いなんて失礼ですよ、私ったら!!
 エティエンヌフューベル様は妖精族の王です。身体の性別なんて気にしないでください」


 何も分かっちゃいない。

(くそッ、無事に男になったらしばらく監禁する。絶対に数日はイチモツを抜かないからな)


 凛音に会い、だんだん言動が恐くなっていくエティエンヌフューベル。
 デロデロに溶かされ、過激な性欲に満ちた日々決定の凛音の未来は 明るいのか? 暗いのか?…。

 快楽に溺れる日々は着実に迫ってきていた。


「分かってくださったなら、今のところはいいです。でも凛音。あまり私を刺激しない方がいいわよ。未来で貴女は絶対後悔するから」


 エティエンヌフューベルの意味深な台詞と迫力あるオーラに、喉がゴクッとなる。


「も、申し訳ございません」

 一応誠意を込めて謝るが、エティエンヌフューベルの顔は舌舐めずりする肉食獣にしか見えなかった。

 …やばい、地雷か!? 手足をもがれるのは、森だけじゃないのっ!?

 ちらっと周りを見れば、恐ろしい美貌の女性らが『ご愁傷様』という顔つきだ。

(うぇ~~~!? なんなの!? エティエンヌフューベル様って可憐な見た目と真逆の恐ろしい系!? 早く言ってよ~~。
 やばい、やばい、私、運命の人を探しに行きたいのに。出来れば異世界ものに有りがちな狼獣人とか虎獣人とかと恋したいっ!!!
 まだ死にたくないわよ……)


 心臓がチリチリ痛い。自業自得とは大切な言葉だったと、何故調子に乗ったのか……三十五歳にもなって中二病か……。

 新しい世界での生活が不安で仕方ない。


 そんな思考に悩まされながら、凛音は元いた場所に戻ってきた。

 草原の上にデーーンと置かれたベッド。寝ていて気づかなかったが、異常に豪華なベッドだったのだと驚愕する。


「凛音、そこに座って。喉 渇いているのではない? 」


 エティエンヌフューベルの顔が肉食獣のようで恐い。
 長い社会生活で鍛え上げられた世渡り術を駆使しようと、凛音は即座に社会人モードに思考を変えた。


「こんな豪華なベッドに腰掛けるなんて、私みたいな落ちた者には必要ないです。地べたで結構。喉も渇いておりません。お気遣いなく。
 大変恐縮なのですが、この世界の理ことわりを学びたく存じます。出来れば旅に出て、運命の人を探したいのでご指導ねがいますか?」


 凛音は地面に正座し、頭を下げた。

 エティエンヌフューベルから「いいですよ」という言葉を貰ってから頭を上げるつもりだった。

 断わられるとは思っていない、そもそもエティエンヌフューベルから『私達とこちらの世界の仕組みを学んでから、お好きな場所へ行きましょう』と言われているのだ。

 ダメな訳がない、ないのだが、頭は地面すれすれまで倒しているから視界は芝生しか入らない。

 なので今は視覚以外でしか感じとれない。だから何が起こっているか凛音は知り得ないのだが、普通でないとは分かる。

 たった今まで草木のリラクゼーション満載な葉木の香りに包まれ、爽やかな風を身に感じていたはず……? が、何故か今、凛音は轟々と髪を巻き上げる熱風にあてられ、汗が吹き出て、あまり良くない状況に立たされていた。


(……何が悪かった!?!? 異変!? 頭を上げてもいいかしら……。
 エティエンヌフューベル様からお返事ないけど……)


 そろぉ~~うっと 頭を上げて、いきなり後悔する。

 どうだろう凛音の周り以外は草木が死滅しているし、妖精族の皆々様は肉眼でかろうじて見える範囲まで後退している。

 凛音の目の前に立つ、可憐で可愛らしい容姿のエティエンヌフューベルの髪が熱風……違う紫色の鮮やかな炎によって舞い上がり、その身体から離れた紫炎が美しい景観を焼き続けている。

 焦げた匂いが死と直結した。



「ギ、ギャァァァァァァーーーーー!!!」

 声にならない絶叫を凛音は披露。



「凛音。運命の人を探す? 正気かしら?」


(正気かしらって、いいじゃない。夢くらいみたって!!)


 凛音は内心で毒づく、言葉にしたら即死決定と嫌でも分かる。
 反抗的な凛音の内心を読み取ったのか、エティエンヌフューベルの身体からは鮮やかな紫炎が舞い上がり、凛音に死の恐怖を植え付ける。


「ふふっ、どれだけ長い間、身体(主に股間にぶら下がるブツ)を痛めて待ったと思っているのかしら?
 私に恨みでもあるの?
 そうね。あるのね…聞き間違えかしら……運命の人を探す? その為にこの世界の事を学ぶの? で。学び終えた後、私とは決別して ここを出ていく。
 えぇ、勿論、貴女の意思を尊重してあげたいわ。どんな事でも貴女が幸せなら構わないし、満足いくまで運命の人を探したらいいわ。
 けど、私はまた指をくわえて、心臓を抉られ身体(股間)を痛めつけながら貴女が満足するのを、待たないといけないのかしら?
 運命の人を探したいなら構わないわ。では私を殺してから行ってね。
 もうこれ以上、耐えれないから」


 エティエンヌフューベルの言ってる内容が何一つ分からない。

『殺してから行ってね』というが、現在死にそうなのは凛音であり、普通に考えてこんな身体から炎を出す妖精族の女王を、ただ人の凛音が殺せる訳がない。


 返り討ちになるのは目に見えている。

 ただただ恐い。好かれているのか? 嫌われているのか? どっちだ!? どういった選択が正解か、凛音の脳内はパニックだった。


(エティエンヌフューベル様は性同一性障害だからっ、好きになるのは女性?? 勿体無い美人だ!!!
 もしかして私っ!? まさかっ。じゃあ何か!? 私が好き!? 運命の人なんて探すなってこと!?
 女王様、それでいいのか!? よく分からないけど……一か八かの勝負。
 うぅぅぅ、好かれているのだとしても この妖精さん恐いし。もうどうにでもなれっ!!)


「どこにも行きませんっ!! 行きませんから!! 実は私前からファンタジーには妖精ありきと思っていましたし。死ぬまで、あと……五十年くらいかな? 側近として雇って下さい」


 紫炎がやんだ。死と隣り合わせの状況は回避できた。

 けど泣けてくる。自暴自棄になっても仕方ないだろう。


「身体が大きいので妖精族の室内には入れないですから、側近は無謀ですかね。
 これでも書類仕事は得意なんですけど。
 最終は、鎖にでも繋いで家畜でもいいです。見世物とか? そんな美人でもないので、どこまで見世物になるか微妙ですけど……」


 話しながら涙がつたう。

 私だけを愛してくれる。そんな男性と会いたかった。今までに出会った男はヤるだけヤって、はい終了。お金が勿体無いからとすぐホテルを出た。

 前戯もピロートークもほぼない人ばかりだった。

 だから運命の人ならきっと沢山沢山飽きるまで抱きしめてくれる。
 事が終わった後は、男らしい熱い身体に包まれて、裸の肌を合わせながら、朝まで抱きしめられて眠りたいって希望を持っていたのに、その希望も今しがた絶たれた。

 女の人にモテるのも、嫌ではない。エティエンヌフューベル様のような絶世の美女に、好かれてちょっとは嬉しい…でも私は……子供が欲しい。もうそんな普通も望めないのだ。

 泣き出す凛音に、心を痛めた……方が人徳的にいいのだろうが、愛しい人は自ら監禁希望で心が踊る。

 声が跳ね上がるのを必死に抑えながら、今度はエティエンヌフューベルが凛音を慰める。


「泣かないで…凛音。…脅迫したみたいだったわね。貴女を見世物なんかにしないわよ。私は愛でるけど…。驚かせたわね、ごめんなさい。
 凛音。大丈夫よ、私があなたを幸せにしてあげる。あなたの幸せが私の幸せだから」


〝未来が視える先生〟に言われた言葉を、エティエンヌフューベルから聞くとは思わなかった。
 肌身離さず大事に持っていた用紙は、もう手元にないが脳には一言一句間違いなく刻まれている。

 欲しかった言葉を、妖精族の麗しい女王様から聞くなんて……。


(あぁ~あ。エティエンヌフューベル様が、私と同じくらい大きくて男の人だったら……性同一性障害だから心は男なのだろうけど、身体も男性だったらいいのに…小さくても絶対美男子だろうな………)


 強く美しい女王からの告白に、私だけの運命の人をまだ諦めてない自分に笑えてならない。


「グスンッ、スンッ、はい……。行き過ぎた友情どんと来いです」

「……今はそれでいいわ……今はね」



 意味深な言葉を吐くエティエンヌフューベルを、涙に濡れた瞳で見返す。

 近くで見る薄紫色の瞳は、やはり妖精らしく恐ろしいほど美しかった。



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