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第十話「運命の宿敵 後編」
第三章 「雷王対雷王‼ 誇りをかけた戦い‼」・⑤
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<ギャオオオオオオオオオロロロロロロッ‼>
<ルシャアアアアアアアアアアァァァッッ‼>
蠕動運動で後退するガラジンガーに、大股で歩くガラカータナがすぐさま追いつくのは自明の理だったが・・・
すかさず振るわれた右腕の鎌は、ガラジンガーが掲げた腕の外殻に防がれる。
No.015の首を瞬時に刎ねた鎌も、さすがにあの鎧を両断する事は叶わないようだ。
<シャアアアアアアアアッ‼>
すると、今こそ千載一遇の好機と見たのか、ガラジンガーが反撃に転じた。
甲高い声と共に、正面の内臓を敷き詰めたような部位が脈動を始める。
気色の悪い光景に目を逸らしたくなるが・・・その直後、ヤツの「上の頭」の根元付近にある筒状の部分全てが風船のように膨らみ──そして────
<ルシャアアアアアアァァッッ‼>
ガラジンガーはその筒の先から、勢いよく黄色い体液を射出した。
粘り気のあるそれは、真向かいに立つガラカータナの顔にかかると──
<ギャオオオオオオオロロロロロッ⁉>
ジュウ・・・と音を立てて、体液のかかった場所が融け始めたのである。
瞬く間にガラカータナの顔の一部が焼け爛れ、両眼からも赤黒い花が咲いた。
「まさか・・・胃酸を浴びせかけたのか・・・ッ⁉」
今起きた現象からして、放ったのは強酸性の液体だろう。
内臓のようだと思っていた部分は、偽りなく消化器官にあたるものだったのだ。
ヤツが立ち上がったのは威嚇行動だとばかり考えていたが・・・全ては、弱点を前面に晒す危険を犯してでも、この必殺の攻撃を行うためだったという事か・・・!
「つくづく、恐ろしい生物どもだな・・・!」
舌打ち混じりに、頭に浮かんだ感想が漏れる。
・・・そして、それはガラジンガーに限った話ではなかった。
<ギャオオオオオオオオオォォオオオッッ‼>
狩るべきはずの獲物から、手痛い反撃を受けたと言うのに──
ガラカータナの上げた咆哮は、依然として嗤っているようにしか聴こえなかった。
・・・そして、驚くべき事に・・・両目を失った直後にも関わらず、ガラカータナは再び鎌を振り上げ、ガラジンガーに斬り掛かったのだ。
<ルシャアアアアアアアアァァッッ⁉>
必殺の隠し武器が決まって、完全に油断していたのだろう。
ガラジンガーは鎌の一撃を防ぎきれず、内臓部分を袈裟斬りにされてしまう。
傷は浅いが・・・噴き出した鮮血を嬉々として浴びるガラカータナを前にして、ガラジンガーは再び後退を余儀なくされてしまった。
『なんなのアイツ⁉ 目が見えなくても平気だってのっ⁉』
動揺したカルガー少尉が、遅れて憤慨混じりの声を上げた。
すると───
『オソらク・・・っ! あの全身の突起・・・「ピット器官」ダっ!』
救助活動をしている最中のピン少尉から、すかさず推測が返って来た。
『ガラジンガーが地中カラ出て来タ時も、アイツは眼デ追う事をシテなかっタ! 視力と同ジくらイ鋭敏な感覚を持ってるンダ! そしテそれハ多分、「熱」を感じる器官なんだヨ!』
「ピット器官」──確か、一部のヘビが持っているという、獲物を赤外線で感知するための器官だ。
ヤツの全身の突起が、全てそれという訳か。
・・・確かにそれなら、砂海の中にいたガラジンガーの接近を予測出来た事にも、今ああして両眼を失っても精確に狙いを付けて戦えている事にも説明がつく。
『ティエ! 解説はいいからバール取って! ドアが歪んでて開かないよッ!』
『判っタから怒鳴ルンじゃなァ~~いッ‼』
救助は難航しているらしく・・・オープンチャンネルには二人の怒号が響いている。
<ギャオオオオオロロロロロロッ!>
ガラカータナは、なおも右腕の鎌を連続で振るう。
大振りな攻撃ゆえにガラジンガーも合わせて腕で防御するが・・・やはりその巨体は、じりじりと後退を迫られていた。
<ドラゴネット>乗員の救助はまだ済んでおらず、「ジャイアント・キラー」の砲撃は興奮状態にあるジャガーノートたちに対しては無力──非常にまずい状況だな。
「・・・テリオ。「メイザー・ブラスター」は撃てるか?」
今こそ切り札を切るべきタイミングだと判断したが・・・テリオの返事は渋かった。
『───シミュレーションしてみましたが、オススメは出来ません。この足場では固定装置も意味を成しませんし、ガラジンガーの地中潜行の影響で天然の蟻地獄が出来ている可能性もあります。発射と同時にマスターの半身が埋まってしまうやも』
「・・・それは勘弁したいところだな・・・・・・」
しかし現状、局面を変える可能性があるのは「メイザー・ブラスター」のみ。
何か妙案はないものかと周囲を見渡し──そして、気付いた。
「・・・! そうだ・・・あそこなら・・・・・・!」
かなりの荒業だが、足場としては申し分ないはずだ。
私は早速サラに通信を飛ばし・・・こちらの提案に「心底不服ですわ!」と反論する声を聴き流しながら、<ヘルハウンド>の車体を走らせた。
※ ※ ※
<グル・・・ル・・・ルアァァァ・・・・・・ッッ‼>
レイバロンの光線を受けて岩棚の上段まで吹っ飛ばされ、壁に激突したカノンは──
数秒の沈黙の後、呻き声を上げながら何とか立ち上がった。
「カノン・・・・・・」
体中に無数の傷を負いながらも・・・彼女はまだ、戦う意思を失くしてはいなかった。
けれど、このまま戦い続けたとして・・・勝ち目はあるんだろうか・・・・・・?
<バオオオオオォォッ! バオオオオオオオォォッッッ!>
そして、満身創痍のカノンに追い打ちをかけるつもりなのだろう。
レイバロンが吼え、再びガラムをけしかけようとしていた・・・が、しかし───
<ゴア・・・ゴアアァ・・・・・・>
ガラムたちの反応は鈍く、互いに顔を見合わせるだけで動く素振りを見せない。
「もしかして・・・さっきの攻撃で味方を巻き添えにされたから、反抗してるのか・・・?」
このままレイバロンに従っていても、次は自分たちが同じ目に遭うかもしれない──きっとそう考えて、指示に従うのを躊躇っているんだ・・・!
だとすれば・・・レイバロンは、ガラムという戦力を失った事になる。
一騎討ちなら、まだカノンにもチャンスはあるはずだ──そう考えた瞬間───
<バオオオオオオオォォッッッ!>
レイバロンは雄叫びを上げると・・・最も近くにいたガラムに、容赦なく噛み付いた。
「なっ・・・⁉」
鋭い牙に上下から挟まれたガラムは一瞬のうちに絶命し・・・割れた水風船のように体液を撒き散らしてから、レイバロンの口内へと消えた。
<バオオオオオオオオオオオォォッッッ‼>
そして今一度、雷鳴のような咆哮がビリビリと空気を震わせる。
言葉は通じなくとも・・・「逆らえば次にこうなるのはお前だ」と・・・ガラムたちを脅しているのが、僕にまで伝わってきた。
<ゴアアアアァッ‼ ゴアアアアアアァァッッ‼>
退路が絶たれた事を悟って、群れはカノンの元へと殺到する。
まさに、絶対的な力による恐怖政治──レイバロンは、紛う事なき暴君なんだ・・・!
<グルアアアアアアァァァァッ!>
カノンは再び頭を振って己を奮い立たせ、迫り来るガラムの群れを見据える。
突進を仕掛ける暇がないと悟って──ガラムの接近に合わせて両前肢を高く上げ、数匹が足下に差し掛かったところで、踏み付け攻撃をお見舞いした。
凄まじい圧力に、一瞬にして3体のガラムが肉塊に変わる・・・が、押し寄せてくる後続たちは、構わず次々とカノンの体に飛び付いてくる。
ぎょろりと剥かれた黄色い目玉には、カノンに倒される事以上の「恐怖」が既に刷り込まれてしまっているのだと判ってしまった。
<グルアアアアアァァァァッ!>
四方から迫るガラムを、再び水色の障壁が弾き返す。しかしその輝きは、先程より明らかに弱くなっていた。
レイバロンの光線を受け止めた時に消耗してしまったんだ・・・!
バリアの隙間から侵入したガラムに取り付かれたカノンは、そのガラムごと壁に体当たりして、押し潰す事で対処するが──
その度、彼女の体には割に合わない傷が増えていく。
「くっ・・・!」
・・・一対一の対決なら、持ち前のパワーで何とかしてきたカノンだけど・・・初めて相手をする「数」という名の暴力が、彼女本来の強さを発揮する事を許さない。
このままじゃジリ貧だ・・・! と、そう思った直後───
<グルルル・・・ッ! グルアアアアアァァァァッッ‼>
そう感じていたのはカノンも一緒だったのか──
彼女は、体にガラムたちを数体取り付かせたまま・・・真っ直ぐに、レイバロン目掛けて駆け出したのである。
先程の一合では足蹴にされてしまったけど・・・このままガラムたちの相手をし続けるよりはずっと良い・・・戦況を変える可能性のある一手のはずだ・・・!
<・・・・・・>
しかし、対するレイバロンは・・・迫るカノンを見ても、ぎろりと睨んで佇むだけ。
捨て身の突進は、迂闊な選択だったのかも知れない──
嫌な予感が確信に近づいた時には、既に二本の角はレイバロンの眼前にまで差し掛かっていた。
<グルアアアアアアアアアアアッッッ‼>
必殺の角攻撃が決まる! ───そう思った瞬間・・・・・・
<バオオオオオオオッ!>
レイバロンの咆哮と共に発せられた水色の障壁が、カノンの突進を弾き返す。
そうか・・・! カノンと同じ力があるなら・・・当然、あのバリアも使えるんだ・・・!
<ルシャアアアアアアアアアアァァァッッ‼>
蠕動運動で後退するガラジンガーに、大股で歩くガラカータナがすぐさま追いつくのは自明の理だったが・・・
すかさず振るわれた右腕の鎌は、ガラジンガーが掲げた腕の外殻に防がれる。
No.015の首を瞬時に刎ねた鎌も、さすがにあの鎧を両断する事は叶わないようだ。
<シャアアアアアアアアッ‼>
すると、今こそ千載一遇の好機と見たのか、ガラジンガーが反撃に転じた。
甲高い声と共に、正面の内臓を敷き詰めたような部位が脈動を始める。
気色の悪い光景に目を逸らしたくなるが・・・その直後、ヤツの「上の頭」の根元付近にある筒状の部分全てが風船のように膨らみ──そして────
<ルシャアアアアアアァァッッ‼>
ガラジンガーはその筒の先から、勢いよく黄色い体液を射出した。
粘り気のあるそれは、真向かいに立つガラカータナの顔にかかると──
<ギャオオオオオオオロロロロロッ⁉>
ジュウ・・・と音を立てて、体液のかかった場所が融け始めたのである。
瞬く間にガラカータナの顔の一部が焼け爛れ、両眼からも赤黒い花が咲いた。
「まさか・・・胃酸を浴びせかけたのか・・・ッ⁉」
今起きた現象からして、放ったのは強酸性の液体だろう。
内臓のようだと思っていた部分は、偽りなく消化器官にあたるものだったのだ。
ヤツが立ち上がったのは威嚇行動だとばかり考えていたが・・・全ては、弱点を前面に晒す危険を犯してでも、この必殺の攻撃を行うためだったという事か・・・!
「つくづく、恐ろしい生物どもだな・・・!」
舌打ち混じりに、頭に浮かんだ感想が漏れる。
・・・そして、それはガラジンガーに限った話ではなかった。
<ギャオオオオオオオオオォォオオオッッ‼>
狩るべきはずの獲物から、手痛い反撃を受けたと言うのに──
ガラカータナの上げた咆哮は、依然として嗤っているようにしか聴こえなかった。
・・・そして、驚くべき事に・・・両目を失った直後にも関わらず、ガラカータナは再び鎌を振り上げ、ガラジンガーに斬り掛かったのだ。
<ルシャアアアアアアアアァァッッ⁉>
必殺の隠し武器が決まって、完全に油断していたのだろう。
ガラジンガーは鎌の一撃を防ぎきれず、内臓部分を袈裟斬りにされてしまう。
傷は浅いが・・・噴き出した鮮血を嬉々として浴びるガラカータナを前にして、ガラジンガーは再び後退を余儀なくされてしまった。
『なんなのアイツ⁉ 目が見えなくても平気だってのっ⁉』
動揺したカルガー少尉が、遅れて憤慨混じりの声を上げた。
すると───
『オソらク・・・っ! あの全身の突起・・・「ピット器官」ダっ!』
救助活動をしている最中のピン少尉から、すかさず推測が返って来た。
『ガラジンガーが地中カラ出て来タ時も、アイツは眼デ追う事をシテなかっタ! 視力と同ジくらイ鋭敏な感覚を持ってるンダ! そしテそれハ多分、「熱」を感じる器官なんだヨ!』
「ピット器官」──確か、一部のヘビが持っているという、獲物を赤外線で感知するための器官だ。
ヤツの全身の突起が、全てそれという訳か。
・・・確かにそれなら、砂海の中にいたガラジンガーの接近を予測出来た事にも、今ああして両眼を失っても精確に狙いを付けて戦えている事にも説明がつく。
『ティエ! 解説はいいからバール取って! ドアが歪んでて開かないよッ!』
『判っタから怒鳴ルンじゃなァ~~いッ‼』
救助は難航しているらしく・・・オープンチャンネルには二人の怒号が響いている。
<ギャオオオオオロロロロロロッ!>
ガラカータナは、なおも右腕の鎌を連続で振るう。
大振りな攻撃ゆえにガラジンガーも合わせて腕で防御するが・・・やはりその巨体は、じりじりと後退を迫られていた。
<ドラゴネット>乗員の救助はまだ済んでおらず、「ジャイアント・キラー」の砲撃は興奮状態にあるジャガーノートたちに対しては無力──非常にまずい状況だな。
「・・・テリオ。「メイザー・ブラスター」は撃てるか?」
今こそ切り札を切るべきタイミングだと判断したが・・・テリオの返事は渋かった。
『───シミュレーションしてみましたが、オススメは出来ません。この足場では固定装置も意味を成しませんし、ガラジンガーの地中潜行の影響で天然の蟻地獄が出来ている可能性もあります。発射と同時にマスターの半身が埋まってしまうやも』
「・・・それは勘弁したいところだな・・・・・・」
しかし現状、局面を変える可能性があるのは「メイザー・ブラスター」のみ。
何か妙案はないものかと周囲を見渡し──そして、気付いた。
「・・・! そうだ・・・あそこなら・・・・・・!」
かなりの荒業だが、足場としては申し分ないはずだ。
私は早速サラに通信を飛ばし・・・こちらの提案に「心底不服ですわ!」と反論する声を聴き流しながら、<ヘルハウンド>の車体を走らせた。
※ ※ ※
<グル・・・ル・・・ルアァァァ・・・・・・ッッ‼>
レイバロンの光線を受けて岩棚の上段まで吹っ飛ばされ、壁に激突したカノンは──
数秒の沈黙の後、呻き声を上げながら何とか立ち上がった。
「カノン・・・・・・」
体中に無数の傷を負いながらも・・・彼女はまだ、戦う意思を失くしてはいなかった。
けれど、このまま戦い続けたとして・・・勝ち目はあるんだろうか・・・・・・?
<バオオオオオォォッ! バオオオオオオオォォッッッ!>
そして、満身創痍のカノンに追い打ちをかけるつもりなのだろう。
レイバロンが吼え、再びガラムをけしかけようとしていた・・・が、しかし───
<ゴア・・・ゴアアァ・・・・・・>
ガラムたちの反応は鈍く、互いに顔を見合わせるだけで動く素振りを見せない。
「もしかして・・・さっきの攻撃で味方を巻き添えにされたから、反抗してるのか・・・?」
このままレイバロンに従っていても、次は自分たちが同じ目に遭うかもしれない──きっとそう考えて、指示に従うのを躊躇っているんだ・・・!
だとすれば・・・レイバロンは、ガラムという戦力を失った事になる。
一騎討ちなら、まだカノンにもチャンスはあるはずだ──そう考えた瞬間───
<バオオオオオオオォォッッッ!>
レイバロンは雄叫びを上げると・・・最も近くにいたガラムに、容赦なく噛み付いた。
「なっ・・・⁉」
鋭い牙に上下から挟まれたガラムは一瞬のうちに絶命し・・・割れた水風船のように体液を撒き散らしてから、レイバロンの口内へと消えた。
<バオオオオオオオオオオオォォッッッ‼>
そして今一度、雷鳴のような咆哮がビリビリと空気を震わせる。
言葉は通じなくとも・・・「逆らえば次にこうなるのはお前だ」と・・・ガラムたちを脅しているのが、僕にまで伝わってきた。
<ゴアアアアァッ‼ ゴアアアアアアァァッッ‼>
退路が絶たれた事を悟って、群れはカノンの元へと殺到する。
まさに、絶対的な力による恐怖政治──レイバロンは、紛う事なき暴君なんだ・・・!
<グルアアアアアアァァァァッ!>
カノンは再び頭を振って己を奮い立たせ、迫り来るガラムの群れを見据える。
突進を仕掛ける暇がないと悟って──ガラムの接近に合わせて両前肢を高く上げ、数匹が足下に差し掛かったところで、踏み付け攻撃をお見舞いした。
凄まじい圧力に、一瞬にして3体のガラムが肉塊に変わる・・・が、押し寄せてくる後続たちは、構わず次々とカノンの体に飛び付いてくる。
ぎょろりと剥かれた黄色い目玉には、カノンに倒される事以上の「恐怖」が既に刷り込まれてしまっているのだと判ってしまった。
<グルアアアアアァァァァッ!>
四方から迫るガラムを、再び水色の障壁が弾き返す。しかしその輝きは、先程より明らかに弱くなっていた。
レイバロンの光線を受け止めた時に消耗してしまったんだ・・・!
バリアの隙間から侵入したガラムに取り付かれたカノンは、そのガラムごと壁に体当たりして、押し潰す事で対処するが──
その度、彼女の体には割に合わない傷が増えていく。
「くっ・・・!」
・・・一対一の対決なら、持ち前のパワーで何とかしてきたカノンだけど・・・初めて相手をする「数」という名の暴力が、彼女本来の強さを発揮する事を許さない。
このままじゃジリ貧だ・・・! と、そう思った直後───
<グルルル・・・ッ! グルアアアアアァァァァッッ‼>
そう感じていたのはカノンも一緒だったのか──
彼女は、体にガラムたちを数体取り付かせたまま・・・真っ直ぐに、レイバロン目掛けて駆け出したのである。
先程の一合では足蹴にされてしまったけど・・・このままガラムたちの相手をし続けるよりはずっと良い・・・戦況を変える可能性のある一手のはずだ・・・!
<・・・・・・>
しかし、対するレイバロンは・・・迫るカノンを見ても、ぎろりと睨んで佇むだけ。
捨て身の突進は、迂闊な選択だったのかも知れない──
嫌な予感が確信に近づいた時には、既に二本の角はレイバロンの眼前にまで差し掛かっていた。
<グルアアアアアアアアアアアッッッ‼>
必殺の角攻撃が決まる! ───そう思った瞬間・・・・・・
<バオオオオオオオッ!>
レイバロンの咆哮と共に発せられた水色の障壁が、カノンの突進を弾き返す。
そうか・・・! カノンと同じ力があるなら・・・当然、あのバリアも使えるんだ・・・!
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