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綺麗に整備された庭に案内され、お城でも見たような大きなテーブルとそれを囲むように椅子が置いてある場所へ案内された。
真っ白のテーブルクロスがかかったテーブルの上には今まで見ることしか出来なかったような豪華なケーキやお菓子が並べられていた。
「こ、これ全部、、食べても…?」
「何言ってるの!もちろんよ!食べてもらわなきゃ困っちゃうわ!」
そう言って母は微笑む。
私は早速席に座っていちごのケーキをお皿にとった。
ひと口食べた瞬間、天に召されるかと思ったくらい美味しかった。クリーム、ソース、イチゴ、スポンジ、全ての調和が取れていていくらでも食べれそうだった。
「そのケーキ、美味しいでしょう?」
「はい!」
「うちの自慢のパティシエが作ってるの。私料理にはうるさいほうでね、主人を説得させて待ち1番のシェフやパティシエをわざわざ雇ってもらったの」
「す、凄い…」
そんな会話をしつつ、母は私が失踪してから今に至るまでの話や家族のことについて教えてくれた。
気がつけば夕方になっており、テーブルのお菓子やカップの紅茶も空になっていた。
「レイミー、時間だ」
オリバーさんが小声で話しかけてきた。
「わっ、ほんとだ」
「あら、いつの間にかこんなにも時間が経ってたのね」
「私帰らなきゃ…」
「帰るですって?どこに?」
「どこにって…あ!」
そうだ本来私はもう帰っているのだ。お城に戻らなくても別にいい。ここは実家だ。
「しかしルイーズ様、彼女は荷物などここで暮らすために必要なものは持ってきておりません。どちらにせよお城に戻らなければ…」
「まあ!そんな気にしないで!それにまだ主人にもリリアにも会ってないわ」
「ですが…」
「お願い!せめて主人とリリアには会わせたいのよ!」
「…わかりました」
母と私とオリバーさんはお屋敷に戻り、父と姉の帰りを待った。
数時間待ったあと、2人揃って帰宅したと召使いの人が伝えに来た。
ドタドタと足音が近づき勢いよく扉が開いた。
「「レイラ!!」」
大柄の男性と、私と同じエメラルドグリーンの瞳を持つ綺麗な女性が息を切らしてやって来た。
私はその瞬間、その2人が父と姉であることがすぐにわかった。その時には私は2人に抱きしめられていた。
「会いたかった。ずーっと…本当に帰ってきてくれてありがとう…」
「私も、ずっと会いたかったわ…」
私を抱きしめる2人をさらに母が抱きしめるような形になり、愛情がさらに強まったように感じて私は涙を零した。
「私のこと覚えてる?」
姉が私に聞いてきた。
「いえ、全く…」
「やっぱりそうだよね…」
「でも再会できてとても嬉しい…」
「レイラ…うぅっ、ごめんね…こんな涙もろいお姉ちゃんで」
そういうと姉はまた泣き始めてしまった。私がどう接すればいいかオドオドしていると
「リリア、残念だけどレイラはいまからお城に帰らなければいけないの」
「え!どうして?」
「まだこちらへ移る準備もできてないらしいの」
「そんな…」
「姉さん、私、すぐここに戻ってきます。そう気を落とさないでください」
自然とそんな言葉が出てきた。
お城に帰っている途中、馬車の中でオリバーさんは今後のとこについて話してくれた。
まず私は3日後に控える舞踏会まではお城にいること、その後に実家へ戻ることを伝えられた。
「じゃあ私は舞踏会まで今まで通り仕事をすればいいんですね?」
「そうしてもらっても構わない。しかし会場準備が終わったら仕事を切り上げ引越しの準備をしてもらう」
「はい、わかりました」
真っ白のテーブルクロスがかかったテーブルの上には今まで見ることしか出来なかったような豪華なケーキやお菓子が並べられていた。
「こ、これ全部、、食べても…?」
「何言ってるの!もちろんよ!食べてもらわなきゃ困っちゃうわ!」
そう言って母は微笑む。
私は早速席に座っていちごのケーキをお皿にとった。
ひと口食べた瞬間、天に召されるかと思ったくらい美味しかった。クリーム、ソース、イチゴ、スポンジ、全ての調和が取れていていくらでも食べれそうだった。
「そのケーキ、美味しいでしょう?」
「はい!」
「うちの自慢のパティシエが作ってるの。私料理にはうるさいほうでね、主人を説得させて待ち1番のシェフやパティシエをわざわざ雇ってもらったの」
「す、凄い…」
そんな会話をしつつ、母は私が失踪してから今に至るまでの話や家族のことについて教えてくれた。
気がつけば夕方になっており、テーブルのお菓子やカップの紅茶も空になっていた。
「レイミー、時間だ」
オリバーさんが小声で話しかけてきた。
「わっ、ほんとだ」
「あら、いつの間にかこんなにも時間が経ってたのね」
「私帰らなきゃ…」
「帰るですって?どこに?」
「どこにって…あ!」
そうだ本来私はもう帰っているのだ。お城に戻らなくても別にいい。ここは実家だ。
「しかしルイーズ様、彼女は荷物などここで暮らすために必要なものは持ってきておりません。どちらにせよお城に戻らなければ…」
「まあ!そんな気にしないで!それにまだ主人にもリリアにも会ってないわ」
「ですが…」
「お願い!せめて主人とリリアには会わせたいのよ!」
「…わかりました」
母と私とオリバーさんはお屋敷に戻り、父と姉の帰りを待った。
数時間待ったあと、2人揃って帰宅したと召使いの人が伝えに来た。
ドタドタと足音が近づき勢いよく扉が開いた。
「「レイラ!!」」
大柄の男性と、私と同じエメラルドグリーンの瞳を持つ綺麗な女性が息を切らしてやって来た。
私はその瞬間、その2人が父と姉であることがすぐにわかった。その時には私は2人に抱きしめられていた。
「会いたかった。ずーっと…本当に帰ってきてくれてありがとう…」
「私も、ずっと会いたかったわ…」
私を抱きしめる2人をさらに母が抱きしめるような形になり、愛情がさらに強まったように感じて私は涙を零した。
「私のこと覚えてる?」
姉が私に聞いてきた。
「いえ、全く…」
「やっぱりそうだよね…」
「でも再会できてとても嬉しい…」
「レイラ…うぅっ、ごめんね…こんな涙もろいお姉ちゃんで」
そういうと姉はまた泣き始めてしまった。私がどう接すればいいかオドオドしていると
「リリア、残念だけどレイラはいまからお城に帰らなければいけないの」
「え!どうして?」
「まだこちらへ移る準備もできてないらしいの」
「そんな…」
「姉さん、私、すぐここに戻ってきます。そう気を落とさないでください」
自然とそんな言葉が出てきた。
お城に帰っている途中、馬車の中でオリバーさんは今後のとこについて話してくれた。
まず私は3日後に控える舞踏会まではお城にいること、その後に実家へ戻ることを伝えられた。
「じゃあ私は舞踏会まで今まで通り仕事をすればいいんですね?」
「そうしてもらっても構わない。しかし会場準備が終わったら仕事を切り上げ引越しの準備をしてもらう」
「はい、わかりました」
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