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想い出のみたらし団子
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僕が中学生だった頃、学校行事の一つで、職場体験学習というものがあった。内容はというと、中学生が地元の保育園や老人ホームと言った施設や、スーパーや個人商店に2日間職業体験に行くと言うものだった。当時の僕らは仕事の辛さなど知る由もなく、まだ観ぬ世界へ胸を躍らせていた。
配属先の決定は、まず配属先一覧の資料が配られ、各自第3希望まで記入し、提出をする。そして、そこからは先生方が話し合って決めるというものだった。当時の僕は将来保育士になりたかった。なので、第1希望から第3希望まで全て保育園・幼稚園の名前を記入し提出した。発表は後日プリントで配布される。ワクワクとドキドキを抱えたまま発表の時を待った。
1週間後。いよいよ発表の時である。緊張の一瞬。配布されたプリントを見て僕は驚いた。それと共に頭に幾つものクエッションマークが浮かんだ。
”配属先:製紙工場”
保育園や幼稚園を希望していた為、ガッカリ感は否めないが、それよりもこの街に製紙工場があったことが衝撃だった。僕は生まれてから14年この街で暮らしてきて、製紙工場など見たことがなかったのだ。
そして、職場体験学習当日。製紙工場は学校から徒歩2分。というより、学校の斜め前にあった。なぜ今まで気付かなかったのか不思議でしかたなかった。
いざ、門を叩く。
「こんにちは。〇〇中学校から来ました。〇〇です。」
すると、中から強面のおじさんが出てきた。その風貌に完全に怯んでしまいモゴモゴしていると、奥から女性社員の方が出てきてくれた。
「あら。いらっしゃい。」
岩城君のお母さんだった。
2日間の職場体験学習で僕に任された仕事は、始業後と終業前の掃除機掛けと、某キャラクターのビニール袋の枚数を数え、10枚毎に上下を入れ替え重ねていくといった作業だった。保育園・幼稚園・老人ホームや、スーパー・個人商店と比べれば、それはそれはとても地味な作業だった。でも、初めて任された″仕事″というのが嬉しくて、掃除機掛けと根気のいる作業を一生懸命こなした。
そして、2日目の終業時刻。最初に会った強面のおじさんが、パックに入ったみたらし団子をくれた。
「お疲れさん。2日間ありがとう。もっと面白い仕事だと良かったんだけど、ごめんな。」
なんて言いながら。
一生懸命働いた後のみたらし団子はとても美味しかった。あまりの美味しさに黙々と食べていると、岩城君のお母さんがお茶を淹れてくれた。隣でおじさんみたらし団子を食べていたおじさんは、岩城君のお母さんに軽く頭を下げてから、僕の頭を豪快に撫でた。
「夕飯が食べれる程度にしとけよ。」
と言って豪快にガハハと笑った。
僕がこの2日間の職場体験学習で学んだことは、一つの作業をひたすらこなすことの大変さと、集中力を持続させることの難しさだった。でも、このタイミングでそれが学べたのは幸運だったんじゃないかと思う。
そして時は流れ、令和4年。
なんの因果か、僕は今そんな工場に部品を卸す仕事に従事している。学生時代に現場作業を学べたことで、多少なりとも現場の人の気持ちが分かる気がしている。いつもお疲れ様です。
配属先の決定は、まず配属先一覧の資料が配られ、各自第3希望まで記入し、提出をする。そして、そこからは先生方が話し合って決めるというものだった。当時の僕は将来保育士になりたかった。なので、第1希望から第3希望まで全て保育園・幼稚園の名前を記入し提出した。発表は後日プリントで配布される。ワクワクとドキドキを抱えたまま発表の時を待った。
1週間後。いよいよ発表の時である。緊張の一瞬。配布されたプリントを見て僕は驚いた。それと共に頭に幾つものクエッションマークが浮かんだ。
”配属先:製紙工場”
保育園や幼稚園を希望していた為、ガッカリ感は否めないが、それよりもこの街に製紙工場があったことが衝撃だった。僕は生まれてから14年この街で暮らしてきて、製紙工場など見たことがなかったのだ。
そして、職場体験学習当日。製紙工場は学校から徒歩2分。というより、学校の斜め前にあった。なぜ今まで気付かなかったのか不思議でしかたなかった。
いざ、門を叩く。
「こんにちは。〇〇中学校から来ました。〇〇です。」
すると、中から強面のおじさんが出てきた。その風貌に完全に怯んでしまいモゴモゴしていると、奥から女性社員の方が出てきてくれた。
「あら。いらっしゃい。」
岩城君のお母さんだった。
2日間の職場体験学習で僕に任された仕事は、始業後と終業前の掃除機掛けと、某キャラクターのビニール袋の枚数を数え、10枚毎に上下を入れ替え重ねていくといった作業だった。保育園・幼稚園・老人ホームや、スーパー・個人商店と比べれば、それはそれはとても地味な作業だった。でも、初めて任された″仕事″というのが嬉しくて、掃除機掛けと根気のいる作業を一生懸命こなした。
そして、2日目の終業時刻。最初に会った強面のおじさんが、パックに入ったみたらし団子をくれた。
「お疲れさん。2日間ありがとう。もっと面白い仕事だと良かったんだけど、ごめんな。」
なんて言いながら。
一生懸命働いた後のみたらし団子はとても美味しかった。あまりの美味しさに黙々と食べていると、岩城君のお母さんがお茶を淹れてくれた。隣でおじさんみたらし団子を食べていたおじさんは、岩城君のお母さんに軽く頭を下げてから、僕の頭を豪快に撫でた。
「夕飯が食べれる程度にしとけよ。」
と言って豪快にガハハと笑った。
僕がこの2日間の職場体験学習で学んだことは、一つの作業をひたすらこなすことの大変さと、集中力を持続させることの難しさだった。でも、このタイミングでそれが学べたのは幸運だったんじゃないかと思う。
そして時は流れ、令和4年。
なんの因果か、僕は今そんな工場に部品を卸す仕事に従事している。学生時代に現場作業を学べたことで、多少なりとも現場の人の気持ちが分かる気がしている。いつもお疲れ様です。
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