なんでもいい

榊 海獺(さかき らっこ)

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もう一人のジョン

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 僕はシンガーソングライターをしており、メインの機材は黒いストラトキャスターを使っている。僕が黒いストラトキャスターを使うようになったのは、ジョン・メイヤーの影響だった。

 ジョン・メイヤーは、僕が二十代前半の頃にジョン・フルシアンテ、デレク・トラックスと並んで、世界三大ギタリストと評されていた。
 僕がジョン・メイヤーを好きになったのは、アルバム『Battle Studies』がきっかけだった。学生時代に日本に留学経験があり、親日家としても有名なジョン・メイヤー。歌詞にTOKYOと入っていたWho Saysという曲が特に好きだった。

 そんなジョン・メイヤーがメインで使用していたのが、黒いストラトキャスター、通称Black 1だった。
 Black 1は2度レプリカモデルが販売された。1度目は僕がジョン・メイヤーと出逢う前だったのだが、2度目の発売は僕の耳にも入っていた。2度目の販売の際は、本物と同じレリック加工が施され、より本機に近い仕様になっていた。
 僕は喉から出るくらい欲しかったのだが、日本国内の入荷本数はなんと7本だった。※そのうち一本はいきものがかりの水野氏が、もう一本はthe band apartの荒井氏が所持。
 当然手に入るはずもなく、僕はBlack 1に近い仕様のギターを購入した。それが、今のメイン機である。


 2019年4月。そんなジョン・メイヤーが来日した。僕はギリギリまで迷い、前日にチケットを入手。日本武道館まで足を運んだ。
 前日にチケットを入手したわりに、ステージ横のかなりいい席が取れてしまった。グッズを購入し、いざ座席へ。そこからの眺めは最高だった。ステージ上、ステージからバックステージへの通路が一望出来た。
 ライブが始まり、ジョン・メイヤーがステージへ。あの時の感動は忘れもしない。

 ちなみに、海外アーティストの来日公演を観に行くのは、この時が初めてだった。会場には様々な国の人達が居り、僕の周りもほとんどが海外の方々だった。独特な空気感だったのを覚えている。
 実際に観て分かったこと。英語の分からない僕は、MCの内容が一つも分からなかった。近くに居た外国の方のリアクションを観て、それがどんなことを話しているのか、なんとなーく想像することしか出来なかった。その分ライブに集中出来たから全然OKなんだけど。


 余談だがハロルド作石の漫画 BECKで、南竜介とジョンリーデイビスがセッションする場面は、ジョン・メイヤーとBBキングのセッションがモデルになっていると勝手に思っている。






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