なんでもいい Part 2

榊 海獺(さかき らっこ)

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ビューティフルなライフ

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「手を繋いだら行ってみよう。」
 ドラマ「ビューティフルライフ~ふたりでいた日々~」を観ていたら、エンディングで流れてきた。手を繋いだら行ってみよう。手を繋いだら行ってみよう。

 気がつけば三十代も折り返し地点に突入しようとしていた。「三十になってからは早い」と聞いてはいたが、想像以上で焦りを隠しきれない。
 子どもの頃に抱いていた将来像では、今頃僕はプロ野球選手になっており、可愛い奥さんと子ども達と共に幸せな生活を送っていたはずだった。
 しかしながら、蓋を開けてみれば未だに独身で恋人も居ない。職業だってあの頃最も成りたくなかった会社員である。スケールダウンどころか、話にならないにも程がある。仕事に関しては仕方ないとして結婚や交際に関しては諦めたくなかった。でも、どう頑張っても無理だった。

 僕にはもう「誰かと手を繋ぐ」なんてことは訪れないのかもしれない。そう考えると「行ってみよう」まで辿り着けない気がして、気が滅入りそうになる。
 別にどこにも行けない訳ではない。寧ろ一人でどこへでも行ける。買い物だって、映画だって、最近始めた女子サッカー観戦だって。寧ろ、燃えるような月の輝く丘だって、あやしい星の潜む丘だって、まんまるい月の輝く丘だってGoogleマップがあれば行ける気がする。
 でも、ここで言う「行ってみよう」には「一緒に」が隠れている。つまり提案型の「行ってみよう」であり、一人ではダメなのだ。また、対象が自分の愛するもの、且つ手の繋げるものという限定的条件もある。ぬいぐるみは可でしょうか。まぁそれすら持っていないのだけれど。

 どうすることも出来ず今日も酒を搔っ食らう。酔うと寂しさが増して人肌が恋しくなるのは承知の上。その上ビューティフルライフ(今4話)を観ているとあってはそれは何倍にも膨れ上がる。膨れ上がった寂しさをつまみにまた酒を飲む。悪循環極まりない。いや、これが僕にとってはビューティフルなライフなのかもしれない。
 唐突に書き始めたエッセイの続編。その第一話がこれで良かったのか疑問でしかない。少数派でいい。
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