いつか会えた、その時にはぶん殴る

プロローグ:普通の生活をおくりたい

眩しいしうるさいし匂うし気持ち悪いし天井に頭ぶつけるしなんなのこれ？！？！

頭の中でボディビルダーが脳を押しつぶしてるのかってくらいの頭痛で朝、目が覚めた。
普通朝起きたら直前まで見ていた夢を思い出したりするのが普通だが起きた時の違和感と不快感とインパクトでそんなもん全部吹き飛んだ。

違和感1
昨日まで真っ白だった寝室の天井がまばらに変色していたのだ
とても綺麗とは言い難いが見たことない色だ。
そしてものすごく眩しい、思わず目を閉じた。

違和感2

布団の感触が妙にフワフワでザラザラでゴワゴワでそして湿っている。
おもらしでもしたかと思ったがそんな歳でもない。
とても気持ち悪い

違和感3

バカうるせぇ。
五百メートル先くらいにあったファ○マの入店音らしきものが聞こえる。
隣の家の子供の甲高い声が耳を貫く。
すごくうるさい。

違和感4

なんか意味わからん匂いと味がする。
別に不味くないけど美味しくもない。
ウザイ。

俺はとりあえずお腹が空いていたのでリビングに行こうとベッドに手をついて立とうとする。
だが立てなかった。
勢いあまって天井に頭をぶつけてしまったのだ。
どうなってるんだ！！まじで！
ほんとにお腹が空いているので頑張ってリビングに行こうとした。

～2時間後～

ふぅ。やっと着いた。
今日は土曜日、そして朝起きたのが十時だから今は十二時だ。
朝ごはんじゃねぇじゃん。昼ごはんじゃん。
思えばリビングまでの10メートルの道のりは険しかった。
まず曲がり角の多さ。方向転換をする度、壁に体を激突させまくった。
家を壊さないように慎重に歩いていたら二時間もたっていた。
とりあえずもう仕事に行ったであろうお母さんが作ってくれた目玉焼きを食べようと目の前に置いてあった箸を取ろうとする。案の定バキッと音がして箸が折れる。しっかり握れるようになるまで何膳おるんだよ俺、、、、

五膳目で食べれるようになった。俺ってもしや天才？？
慎重に食べながら今自分がおかれている状況を考えてみた。
とりあえずこの眩しすぎる視界と見たことのない色。目がめちゃくちゃ良くなってる。
このうるさい音。もう慣れたがリラックスはできない。耳掃除は一生しない。そう決めた。
床の感触がだいぶキモイ。キモイとしか言い表せない。歩く意欲を確実に削いでくる。
そしてこの筋力、半端じゃない。
多分世界で1番強いと思う。
うん。間違いない。朝起きる勢いで2mも飛んで天井に頭ぶつける奴の話なんか聞いたことない。
そしてこの味。めちゃくちゃ濃い。これに至ってはお母さんが寝ぼけて目玉焼きにコショウをかけすぎただけかもしれない。まぁ多分ないけど。
最後に頭の回転の速さ
凄い速さで物事を考える事ができる。
試しに九九の続き、十八の段までをやってみた。
携帯のストップウォッチを用意してスタートしてみる。
結果、6秒。
インド人は九九の続きを覚えるらしいけれど多分それより早い。覚えたものを頭にだすインド人より俺が計算した方が早い。多分。
でもめっちゃ疲れる。当分数字のこと考えたくねぇわ。

何これ、どういうこと？？
とりあえず病院で検査をしようと思ったが大きい病院まで10キロ。10メートルを二時間かけて移動したんだ。今はもうちょっと早いかもしれないがめちゃんこ時間がかかる。

トレーニングしなくては。