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早出当番、デリー郵便局へ
早出出勤初日
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翌日早朝、サトミはダンクとデリーへ向かう為にあくびしながら郵便局に出勤した。
朝焼けの空を見て、天気良くて良かったなーとなんとなく思う。
当直の警備員にパスを見せてゲートをくぐり、中に入るとすでにダンクがエクスプレスの事務所のドアを開けようとしている。
「お、ちゃんと起きてきたかー、偉いぞ新人。
装備付けて出発だー。今日一日がんばったら明日は休みだ。へこたれんなよ?」
眠そうな声で、張りが無い。
一緒に中に入ると、さっそく防弾装備を渡される。
「まあさ、こう言うの気休めだけど着る訳よ。
ジャケットだけなんだけどさ、ツナギのタイプの防弾スーツも頼んでるけど、まだ来ないんだわ。
デリーの奴らはもう着てるから、羨ましい感じ~。
で、馬も腹と首な。昨日渡されたろ?頭に当たればカンケー無いけど。
頭も一応ヘルあるけど、俺は肩こるんで首に引っかけていくんだ。
ヤバいとこで慌てて付ける感じ。規定に違反するけど。
お前のハイこれ。」
迷彩のヘルメット渡されるが、こんなの付けてたら邪魔なだけだ。
丁重にお断りした。
「あ、いらねーって?まあ、怖い目に遭わねーと使う気にならんよな。
帽子じゃ無くて、お前ストールまくのか。
アラブみたいだな、変わった奴。
とりあえず、規定だから持っていけ。
あとは、デリーにもって行く速達便、荷受所から積んでいくから。
こっちから向こうは少ないんだけど、たまに多い。
で、行きは例の道通るけど、帰りは遠回りするわ。
聞いたんだろ?昨日、夜にガイドのおっさんが来て、回って帰れってさ。
死にたくねえし、お前も怖いだろ?」
「そうだなあ、死にたくはねえな。死ぬ気もねえし。」
「で、気になってんだけどよ。お前さん、なんで銃持ってきてねえの?」
腰に備品装備入ったウエストバック付けて、ジャケットを着る。
ナイフベルトの位置も調節した。
風よけゴーグル首にぶら下げ、ダンクが銃の弾を確認しながらふとサトミを見てぼやいた。
「ああ、俺の装備これだし。」
背に手を回し、刀を少し抜いてみせる。
ダンクがポカンと口を開けた。
「マジ?お前そんな、前世紀のただのなげえナイフでどうすんの?」
「んー、まあ、これまで死ななかったし、気にするな。」
「マジか……駄目じゃん……死ぬじゃん……マジで棒だった…………
そんなもん、まだ作ってる奴いるのかよ。信じらんねえ……」
もの凄く落胆して見える。
サトミは相手の反応にも慣れている。
だいたい初めて見た奴はそうだ。
「そのなげえナイフ、なんて名前?」
「ああ、名前?『鰐切』……って、ああ武器としての名前か。日本刀って言うんだよ。」
「なんだ?それ、ワニキリ??変な名前。ま、いいや。俺の足引っ張るなよ。
備品にGPS発信器と衛星通信の電話あるから、非常時はこれでエマージェンシー入れて、ポリスか本局連絡な。
あと、これが緊急時の発煙筒。
俺も始めた頃一度落馬してさ、発煙筒のお世話になったんだわ。
ただし、使うのは場所がわからないって連絡受けてからだ、最初GPS、助けが来て要請があったら発煙筒な。
先に焚くと、盗賊呼ぶ時あるから注意だ。」
「ふふ……了解、先輩」
2人の声を聞いて、足音が近づきパーティションのドアが開いた。
もう1人、オマケを忘れてた、カリン・ルー、通称エジソンだ。
気の弱そうな白い頭にはヘルメットに、ツナギの防弾スーツと完全装備だ。
腰にはスタンガンにスライム銃と、何やら不明の銃がいろいろぶら下がっている。
「本日は、よろしくお願いしますう。遅れないよう付いていきますので。」
「ああ、その銃面白いよな、もう一丁ある?」
サトミがキャミーが使っていたのと同じスライム銃を指す。
「ああ、エクスプレスの備品にあるぜ。鞍に付けてやんよ。」
ダンクが棚から出して、スライム弾の残弾を確認して渡す。
エジソンが、簡単に使い方を説明してくれた。
まあ、セイフティー外して引き金引けば出る。それだけだが。
カプセル割れて空気に触れると瞬時に固まるらしい。
オモチャ程度の空気圧で発射するので、飛距離は短いと注意受けた。
「んでは行こうか。馬着大丈夫だな?
エリザベスは着せてきたから……、お前の馬着せてきた?
エジソンのは……」
「もう着せてます。準備万端です。」
「あー俺のベンは駄目だった。自己責任で乗り切る。」
「「えええええええええ~~」」
エジソンとダンクの二重奏が聞けた。
昨夜試しに着せようとした物の、ベンは異常に嫌がる。
サトミに可愛くないから着たくないと言う。
と言うか、こんな物着て走れるかと言うことらしい。
気持ちはわかる、仕方なく無しで出勤した。
「お前なあ、可愛くないって……メスかよ。」
「着たら動かん」
「はいはい、今日はよ、一日すっげえ走ると思うから。」
「お願いします、御主人様と言え」
「あー期待してるぜ御主人様。」
なんか後ろでブツブツしゃべり声が聞こえて、怪訝な顔でダンクがチラ見する。
新人はとことん変な奴だ。
なんでこんなのをキャミーがスカウトしたのかわからない。
盗賊は、ほとんどが銃で撃ってくる。
逃げ足が速いんだろうか。
あーなんか俺って「俺が食われる間に逃げろ!」とか言う、やられ系先輩?
「あーついてねえー」
エジソンはずっとなんか聖書の言葉か、ブツブツ念仏唱えている。
それぞれがぶつくさぼやきながら、3人は荒野を走り出した。
朝焼けの空を見て、天気良くて良かったなーとなんとなく思う。
当直の警備員にパスを見せてゲートをくぐり、中に入るとすでにダンクがエクスプレスの事務所のドアを開けようとしている。
「お、ちゃんと起きてきたかー、偉いぞ新人。
装備付けて出発だー。今日一日がんばったら明日は休みだ。へこたれんなよ?」
眠そうな声で、張りが無い。
一緒に中に入ると、さっそく防弾装備を渡される。
「まあさ、こう言うの気休めだけど着る訳よ。
ジャケットだけなんだけどさ、ツナギのタイプの防弾スーツも頼んでるけど、まだ来ないんだわ。
デリーの奴らはもう着てるから、羨ましい感じ~。
で、馬も腹と首な。昨日渡されたろ?頭に当たればカンケー無いけど。
頭も一応ヘルあるけど、俺は肩こるんで首に引っかけていくんだ。
ヤバいとこで慌てて付ける感じ。規定に違反するけど。
お前のハイこれ。」
迷彩のヘルメット渡されるが、こんなの付けてたら邪魔なだけだ。
丁重にお断りした。
「あ、いらねーって?まあ、怖い目に遭わねーと使う気にならんよな。
帽子じゃ無くて、お前ストールまくのか。
アラブみたいだな、変わった奴。
とりあえず、規定だから持っていけ。
あとは、デリーにもって行く速達便、荷受所から積んでいくから。
こっちから向こうは少ないんだけど、たまに多い。
で、行きは例の道通るけど、帰りは遠回りするわ。
聞いたんだろ?昨日、夜にガイドのおっさんが来て、回って帰れってさ。
死にたくねえし、お前も怖いだろ?」
「そうだなあ、死にたくはねえな。死ぬ気もねえし。」
「で、気になってんだけどよ。お前さん、なんで銃持ってきてねえの?」
腰に備品装備入ったウエストバック付けて、ジャケットを着る。
ナイフベルトの位置も調節した。
風よけゴーグル首にぶら下げ、ダンクが銃の弾を確認しながらふとサトミを見てぼやいた。
「ああ、俺の装備これだし。」
背に手を回し、刀を少し抜いてみせる。
ダンクがポカンと口を開けた。
「マジ?お前そんな、前世紀のただのなげえナイフでどうすんの?」
「んー、まあ、これまで死ななかったし、気にするな。」
「マジか……駄目じゃん……死ぬじゃん……マジで棒だった…………
そんなもん、まだ作ってる奴いるのかよ。信じらんねえ……」
もの凄く落胆して見える。
サトミは相手の反応にも慣れている。
だいたい初めて見た奴はそうだ。
「そのなげえナイフ、なんて名前?」
「ああ、名前?『鰐切』……って、ああ武器としての名前か。日本刀って言うんだよ。」
「なんだ?それ、ワニキリ??変な名前。ま、いいや。俺の足引っ張るなよ。
備品にGPS発信器と衛星通信の電話あるから、非常時はこれでエマージェンシー入れて、ポリスか本局連絡な。
あと、これが緊急時の発煙筒。
俺も始めた頃一度落馬してさ、発煙筒のお世話になったんだわ。
ただし、使うのは場所がわからないって連絡受けてからだ、最初GPS、助けが来て要請があったら発煙筒な。
先に焚くと、盗賊呼ぶ時あるから注意だ。」
「ふふ……了解、先輩」
2人の声を聞いて、足音が近づきパーティションのドアが開いた。
もう1人、オマケを忘れてた、カリン・ルー、通称エジソンだ。
気の弱そうな白い頭にはヘルメットに、ツナギの防弾スーツと完全装備だ。
腰にはスタンガンにスライム銃と、何やら不明の銃がいろいろぶら下がっている。
「本日は、よろしくお願いしますう。遅れないよう付いていきますので。」
「ああ、その銃面白いよな、もう一丁ある?」
サトミがキャミーが使っていたのと同じスライム銃を指す。
「ああ、エクスプレスの備品にあるぜ。鞍に付けてやんよ。」
ダンクが棚から出して、スライム弾の残弾を確認して渡す。
エジソンが、簡単に使い方を説明してくれた。
まあ、セイフティー外して引き金引けば出る。それだけだが。
カプセル割れて空気に触れると瞬時に固まるらしい。
オモチャ程度の空気圧で発射するので、飛距離は短いと注意受けた。
「んでは行こうか。馬着大丈夫だな?
エリザベスは着せてきたから……、お前の馬着せてきた?
エジソンのは……」
「もう着せてます。準備万端です。」
「あー俺のベンは駄目だった。自己責任で乗り切る。」
「「えええええええええ~~」」
エジソンとダンクの二重奏が聞けた。
昨夜試しに着せようとした物の、ベンは異常に嫌がる。
サトミに可愛くないから着たくないと言う。
と言うか、こんな物着て走れるかと言うことらしい。
気持ちはわかる、仕方なく無しで出勤した。
「お前なあ、可愛くないって……メスかよ。」
「着たら動かん」
「はいはい、今日はよ、一日すっげえ走ると思うから。」
「お願いします、御主人様と言え」
「あー期待してるぜ御主人様。」
なんか後ろでブツブツしゃべり声が聞こえて、怪訝な顔でダンクがチラ見する。
新人はとことん変な奴だ。
なんでこんなのをキャミーがスカウトしたのかわからない。
盗賊は、ほとんどが銃で撃ってくる。
逃げ足が速いんだろうか。
あーなんか俺って「俺が食われる間に逃げろ!」とか言う、やられ系先輩?
「あーついてねえー」
エジソンはずっとなんか聖書の言葉か、ブツブツ念仏唱えている。
それぞれがぶつくさぼやきながら、3人は荒野を走り出した。
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