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第壱章 冒険喫茶『さくらんぼ』本日開店
回想 公爵殿下によるチュートリアル②
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オリガー達、ギルド【狂戦士の雄叫び】のメンバーとギルド会館を経て、教会に来たカナデ。
「すみません。ゲオルグさんまで付き合わせることになって」
「気にしないで。彼らとは、何度もパーティを組んだことがあるから、他人事とは思えないんだよ‼」
ゲオルグの言葉に、オリガーがびくんと肩を震わせる。
(怯えてる?)
他のメンバーを見ると、剣士のホリンも、盗賊のリュカも、僧侶のティナもゲオルグとできるだけ距離を置こうとしている。
(過去に何かあった?)
カナデが思案に暮れている間に、神官長と2人の女性が出て来た。
神官長の傍らに、控えめに控えている女性は、黒髪に銀のサークレットが映えている。ゲオルグが身に纏っている青いマントと同じ物を、その女性も纏っている。
マントの下は薄紫色のワンピース。手には、青いアミュレットが印象的な杖を持っている。
もう1人の女性は、銀髪で褐色で左右の瞳の色が違っている。
(右が金色で、左が銀色?左右の瞳で色が違うのか‼耳も尖っているし)
カナデは初めて見るダークエルフに興味津々だった。
(あれ?そういえば、この国の王様は『ハーフエルフ』だって言ってたよな?なんで、ゲオルグさんは耳尖ってないんだ?)
カナデがくだらないことを考えている間に、オリガー達と神官長の話しはすすむ。
「神官長。ランスとグレイスの埋葬をお願いします」
「オリガー殿。・・・・、心中お察し致します」
「ギルドのメンバー、半数近くを喪いました‼」
オリガーは拳を握りしめる。
「・・・・・オリガー」
ホリンがオリガーの肩に手を置いた。
「・・・・ティナ。大丈夫ですか?」
銀のサークレットの女性が、ティナに声を掛ける。
「・・・・・」
ティナは何も言わずに、女性の膨満な胸に顔を埋めた。
「・・・・・・ぅぅ、ぁぁ~‼」
ティナは女性の膨満な胸で、声を殺して慟哭する。
女性はティナの背中を擦る。と同時にダークエルフの女性が、神官長やカナデ、ゲオルグ達を墓地に誘う。
全員の姿が墓地に消えるのを確認した女性は、ティナの耳許で囁いた。
「ティナ。ここにはわたくしと貴女だけです。・・・・我慢する必要はありませんよ」
「・・・・姫、さ、ま・・・・・・」
ティナは女性の背中に手をまわし、女性のマントに爪をたてる。
「・・・・・・ぅぅ、ぁぁ~‼ぅうああああぁぁぁっ‼ね、え、様~~~‼!‼グレイス姉様~~~~‼!‼!‼」
慟哭するティナを巫女姫は、自身も涙を流して、背中を擦り続けた。
心優しい僧侶の女の慟哭は、墓地まで響いた。
「貴方が、貴方が居てくれたら、こんな結果にはならなかった。・・・・そう、思います‼」
オリガーの言葉にゲオルグは、瞳を伏せて唇を引き結んだ。
「随分と虫のいいことを言うものだ⁉ゲオルグ様のご身分を知った途端、手の平を反したのは、おま・・・・」
「エリサアアァァ‼」
ダークエルフの女性、エリサが吐き捨てようとした言葉をゲオルグが遮った。ゲオルグの瞳が、鋭利な刃物の様にエリサを射貫く。主の無言の制止命令にエリサは、
「・・・・申し訳ありません、殿下」
エリサは音もなく、姿を消した。
「オリガー、ホリン。これから、どうするんだ?」
ゲオルグの質問に、オリガーとホリンは顔を見合わせた。
「・・・・オレは、冒険者辞めようかなって」
オリガーの言葉に、カナデが反応する。
「辞める、んですか?」
「ああ。オレのレベルではクエスト達成出来なくなっているし、ギルドのメンバーも半数近くを死なせた、からな」
オリガーは自虐的に笑った。
カナデは改めて、オリガーのステータスを見る。
【名前】オリガー
【職業】戦士(斧使い/重戦士)
【ホームギルド】《狂戦士の雄叫び》
【レベル】21 【経験値】20100
【HP】2100 【MP】0
【体力】1050
【魔力】0
【魔法適性】無し
【武器適性】両手剣 大太刀 棍棒 斧
大盾
【攻撃力】1500+500
【防御力】2100+300
【魔法防御】100+1000
【スキル】斧Lv5(パワー補正+250)
両手剣Lv2(パワー補正+50)
大太刀Lv3(パワー補正+100)
棍棒Lv8(破壊力+500)
大盾Lv10(防御力+300)
《斧スキル》 かぶと割り(防御力を一定値低下させる)
怒涛斬(攻撃後、一定時間無敵状態になる。無敵状態解除後、一定時間麻痺状態に陥る。※オリガーオリジナルスキル)
大地斬(大地を震撼させる勢いで斧を降り下ろす衝撃波で、岩も真っ二つにする。※オリガーオリジナルスキル)
斧無双斬(斧を振りまわして、真空の風を起こして敵を攻撃)
斧装備時パワー補正+50(斧スキルLv2習得スキル)
斧装備時パワー補正+100(斧スキルLv4習得スキル)
《両手剣スキル》受け流し(両手剣を水平に構え、敵の攻撃を防ぐ)
渾身斬り(渾身の力で剣を振るう)
両手剣装備時パワー補正+50(両手剣スキルLv2習得スキル)
《大太刀スキル》薙ぎ払い( 大太刀を横に薙ぎ払い、衝撃波で敵を攻撃)
瞑想(抜き身の大太刀を捧げ持って祈りを捧げる。攻撃力が+100上がる。※オリガーオリジナルスキル)
大太刀装備時パワー補正+100(大太刀スキルLv3習得スキル)
居合い斬り(抜刀する際に、《氣》を大太刀に込めて放つ。※オリガーオリジナルスキル)
《棍棒スキル》ぶんまわし(棍棒を回転させ、真空波を起こす。※オリガーオリジナルスキル)
仁王立ち(棍棒を地面に突き立てて、敵の攻撃を仲間の替わりに受け続ける。※オリガーオリジナルスキル)
棍棒装備時破壊力+500(棍棒スキルLv8習得スキル)
《大盾スキル》完全防御(敵のあらゆる攻撃もダメージ0で防ぐ。ただし、ステータス異常は防げない。※オリガーオリジナルスキル)
大盾装備時防御力+300
「オリジナルスキル?」
カナデはオリガーのステータスを見て、首を傾げる。
「オリジナルスキルっていうのは、その人の【固有スキル】のことだよ」
ゲオルグはカナデの質問に答えながら、険しい顔でオリガーのステータスを見ている。
「これは・・・・・。どうして、【スキル経験値】が反映されてないんだ?僕とパーティを組んでいたのは、4年も前なのに、どう、して・・・・」
ゲオルグはオリガーの顔を見て、しばらく二の句が継げなかった。
オリガーの顔はこの上なく穏やかで、はにかんでいった。
「まさか、【スキル経験値】を奪取されているのか?この4年、ずっと‼」
「すみません。ゲオルグさんまで付き合わせることになって」
「気にしないで。彼らとは、何度もパーティを組んだことがあるから、他人事とは思えないんだよ‼」
ゲオルグの言葉に、オリガーがびくんと肩を震わせる。
(怯えてる?)
他のメンバーを見ると、剣士のホリンも、盗賊のリュカも、僧侶のティナもゲオルグとできるだけ距離を置こうとしている。
(過去に何かあった?)
カナデが思案に暮れている間に、神官長と2人の女性が出て来た。
神官長の傍らに、控えめに控えている女性は、黒髪に銀のサークレットが映えている。ゲオルグが身に纏っている青いマントと同じ物を、その女性も纏っている。
マントの下は薄紫色のワンピース。手には、青いアミュレットが印象的な杖を持っている。
もう1人の女性は、銀髪で褐色で左右の瞳の色が違っている。
(右が金色で、左が銀色?左右の瞳で色が違うのか‼耳も尖っているし)
カナデは初めて見るダークエルフに興味津々だった。
(あれ?そういえば、この国の王様は『ハーフエルフ』だって言ってたよな?なんで、ゲオルグさんは耳尖ってないんだ?)
カナデがくだらないことを考えている間に、オリガー達と神官長の話しはすすむ。
「神官長。ランスとグレイスの埋葬をお願いします」
「オリガー殿。・・・・、心中お察し致します」
「ギルドのメンバー、半数近くを喪いました‼」
オリガーは拳を握りしめる。
「・・・・・オリガー」
ホリンがオリガーの肩に手を置いた。
「・・・・ティナ。大丈夫ですか?」
銀のサークレットの女性が、ティナに声を掛ける。
「・・・・・」
ティナは何も言わずに、女性の膨満な胸に顔を埋めた。
「・・・・・・ぅぅ、ぁぁ~‼」
ティナは女性の膨満な胸で、声を殺して慟哭する。
女性はティナの背中を擦る。と同時にダークエルフの女性が、神官長やカナデ、ゲオルグ達を墓地に誘う。
全員の姿が墓地に消えるのを確認した女性は、ティナの耳許で囁いた。
「ティナ。ここにはわたくしと貴女だけです。・・・・我慢する必要はありませんよ」
「・・・・姫、さ、ま・・・・・・」
ティナは女性の背中に手をまわし、女性のマントに爪をたてる。
「・・・・・・ぅぅ、ぁぁ~‼ぅうああああぁぁぁっ‼ね、え、様~~~‼!‼グレイス姉様~~~~‼!‼!‼」
慟哭するティナを巫女姫は、自身も涙を流して、背中を擦り続けた。
心優しい僧侶の女の慟哭は、墓地まで響いた。
「貴方が、貴方が居てくれたら、こんな結果にはならなかった。・・・・そう、思います‼」
オリガーの言葉にゲオルグは、瞳を伏せて唇を引き結んだ。
「随分と虫のいいことを言うものだ⁉ゲオルグ様のご身分を知った途端、手の平を反したのは、おま・・・・」
「エリサアアァァ‼」
ダークエルフの女性、エリサが吐き捨てようとした言葉をゲオルグが遮った。ゲオルグの瞳が、鋭利な刃物の様にエリサを射貫く。主の無言の制止命令にエリサは、
「・・・・申し訳ありません、殿下」
エリサは音もなく、姿を消した。
「オリガー、ホリン。これから、どうするんだ?」
ゲオルグの質問に、オリガーとホリンは顔を見合わせた。
「・・・・オレは、冒険者辞めようかなって」
オリガーの言葉に、カナデが反応する。
「辞める、んですか?」
「ああ。オレのレベルではクエスト達成出来なくなっているし、ギルドのメンバーも半数近くを死なせた、からな」
オリガーは自虐的に笑った。
カナデは改めて、オリガーのステータスを見る。
【名前】オリガー
【職業】戦士(斧使い/重戦士)
【ホームギルド】《狂戦士の雄叫び》
【レベル】21 【経験値】20100
【HP】2100 【MP】0
【体力】1050
【魔力】0
【魔法適性】無し
【武器適性】両手剣 大太刀 棍棒 斧
大盾
【攻撃力】1500+500
【防御力】2100+300
【魔法防御】100+1000
【スキル】斧Lv5(パワー補正+250)
両手剣Lv2(パワー補正+50)
大太刀Lv3(パワー補正+100)
棍棒Lv8(破壊力+500)
大盾Lv10(防御力+300)
《斧スキル》 かぶと割り(防御力を一定値低下させる)
怒涛斬(攻撃後、一定時間無敵状態になる。無敵状態解除後、一定時間麻痺状態に陥る。※オリガーオリジナルスキル)
大地斬(大地を震撼させる勢いで斧を降り下ろす衝撃波で、岩も真っ二つにする。※オリガーオリジナルスキル)
斧無双斬(斧を振りまわして、真空の風を起こして敵を攻撃)
斧装備時パワー補正+50(斧スキルLv2習得スキル)
斧装備時パワー補正+100(斧スキルLv4習得スキル)
《両手剣スキル》受け流し(両手剣を水平に構え、敵の攻撃を防ぐ)
渾身斬り(渾身の力で剣を振るう)
両手剣装備時パワー補正+50(両手剣スキルLv2習得スキル)
《大太刀スキル》薙ぎ払い( 大太刀を横に薙ぎ払い、衝撃波で敵を攻撃)
瞑想(抜き身の大太刀を捧げ持って祈りを捧げる。攻撃力が+100上がる。※オリガーオリジナルスキル)
大太刀装備時パワー補正+100(大太刀スキルLv3習得スキル)
居合い斬り(抜刀する際に、《氣》を大太刀に込めて放つ。※オリガーオリジナルスキル)
《棍棒スキル》ぶんまわし(棍棒を回転させ、真空波を起こす。※オリガーオリジナルスキル)
仁王立ち(棍棒を地面に突き立てて、敵の攻撃を仲間の替わりに受け続ける。※オリガーオリジナルスキル)
棍棒装備時破壊力+500(棍棒スキルLv8習得スキル)
《大盾スキル》完全防御(敵のあらゆる攻撃もダメージ0で防ぐ。ただし、ステータス異常は防げない。※オリガーオリジナルスキル)
大盾装備時防御力+300
「オリジナルスキル?」
カナデはオリガーのステータスを見て、首を傾げる。
「オリジナルスキルっていうのは、その人の【固有スキル】のことだよ」
ゲオルグはカナデの質問に答えながら、険しい顔でオリガーのステータスを見ている。
「これは・・・・・。どうして、【スキル経験値】が反映されてないんだ?僕とパーティを組んでいたのは、4年も前なのに、どう、して・・・・」
ゲオルグはオリガーの顔を見て、しばらく二の句が継げなかった。
オリガーの顔はこの上なく穏やかで、はにかんでいった。
「まさか、【スキル経験値】を奪取されているのか?この4年、ずっと‼」
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