運命の女~麗奈~

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昔の思い出・旅の仲間(33話)

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幸太「杏奈、久しぶりだな!元気にしてたのか?」
杏奈「はい、幸太様もお元気でしたか?」
幸太「あぁ!」
かいき「でも杏奈、今までどこで何をしてたんだ?」
杏奈「話せば長くなるわ。」
◯7年前・南の家
泣いている杏奈。
走って家の中へ入ってきた幸太とかいき。
幸太「杏奈、どういう事だ?
南はどうして死にそうなんだ?」
幸太が泣きそうな声で杏奈に聞いた。
杏奈「分からないです。
帰ったらもう、手遅れの状態で…。」
杏奈が泣きながら答えた。
すると、南が
南「幸太・・・幸太来てくれ。」
と幸太を呼んだ。
幸太が南に駆け寄った。
幸太「どうしたんだ?
なにか言いたい事があるのか?」
幸太が聞くと南が懐からチョーカーを出した。
幸太「なんだこれは?」
南「これはブラックウィッチが人間の心と体を支配するときに使う物だ。
これを人の首に着ければ誰でもブラックウィッチの言いなりとなる。
そして、このチョーカーを自力で取ると死ぬんだ。
俺はこのチョーカーを首に着けられて短刀でチョーカーを取ったら、猛毒に侵されてしまった。
もう、長くはもたない。
だから、幸太頼む。俺の代わりにブラックウィッチの正体を暴いてくれ。
これを約束してくれたら俺は安らかに眠る事ができる。
お願いだ。」
それを聞くと幸太は泣きながら
幸太「分かった。分かったからもう何も言うな。
それにお前は私が助けるから心配するな。」
と言った。
南「いや、無理だな。
この毒は特殊な毒で、解毒薬を作るには千年に一度しかできない幻の毒酒(どくしゅ)、毒花酒(どくかしゅ)が必要なんだ。」
幸太「そんなもん、俺が見つけてきてやる。
だから、死ぬな。」
幸太が泣きながら言った。
南「幸太、少し眠たくなってきた。
もう疲れたんだ。だから、もう寝るな。」
南はそう言って息を引きとった。
◯現在
杏奈「それから一週間が過ぎて、父上と母上は兄上を追うようにして亡くなったの。
そして、私は物乞いとして暮らしていました。
そんなある日、一人のおじいさんが私にこう言ってきたの。
"そこの君、武術を習ってみないか?
もしやる気があるなら私が教えてやるが、どうする?"ってね。
もちろん私は家族の敵を打ちたかったから習おうと決意したわ。
で、7年経った今では、町の皆から"無敵の女ヒーロー"って呼ばれるようになったのよ!
でも、いまだに家族を殺した犯人が分からなくて、それで幸太様とかいきを見つけて一緒に探してもらおうと思ったの!ブラックウィッチという人を。」
杏奈はそう言って頭を下げてお願いした。
かいき「杏奈、心配するな!もう幸太様と私はそのブラックウィッチを探しに麗奈様たちも連れて旅に出ている。」
そう言われると杏奈は顔を上げて
杏奈「本当に!?」
と言った。
幸太「あぁ、本当だ。
それに、杏奈が付いてきたいなら私達は大歓迎だ。
付いてくるか?」
杏奈が麗奈を見つめた。
麗奈「もし、杏奈さんが私たちの事を気にしているなら、全然気にしなくていいですよ?
ね、みらい!」
みらい「はい!逆に杏奈さんがいるほうが心強いですし!」
杏奈は嬉しそうな笑みを浮かべて
杏奈「ありがとうございます!
ぜひ一緒にいさせてください!」
と言った。
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