Girl S Life☆

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#11 頑張り屋さん

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今日は運動会!!
やっとだな~!練習もいっぱいしたし、自信あるよ!
…晴寧ちゃん達、本当に来るみたい!
よーーっし!!!頑張らないと!!

**

「寿麗ちー、おは~」
「梨希ちゃん!おはよ!」
「今日は運動会~。緊張してる~?」
「う、うん!!めっちゃ緊張してる!」
「あははー、だよね~。やっぱり~」
「…っでも!頑張るよ!絶対みんなの期待に応えてみせるんだから!」
「……」
「ん?どうしたの?」
「……あ、ううん。なんでもないよ~
…頑張れ~、寿麗ちー。応援してるよ。」
「…うん!!」

**

〈只今より、運動会開会式を行います。…校長先生、初めの言葉お願いします。〉
〈えー……暁月中学校運動会__〉

「あ~…暑っついわね……!5月なのになんでこんなに暑いのよ!(小声)」
「ほんとにね~…私この時間1番苦手なんだよな~(小声)」
「…きっと梨希も同じこと思ってるわね……(小声)」
「なんで?(小声)」
「……砂に絵描いてるわよ…(小声)」
「ふふ、梨希ちゃんらしいね!(小声)」

**

〈休憩時間です。水分補給をしっかりとしてくださいね。
トイレに行きたい方は、先生に言ってから行くように!〉

「ふぅー、結構疲れちゃったよー!」
「…まだ1年の出番来てないじゃない……」
「ずっと座ってるから…うぅ……足が……なんか変な感じ……」
「……今のとこD組がリードしてるわね。
…ほんとに、ルーレットで順番決めたいとか言ったの誰なのよ……
紛らわしいわ……」
「生徒会長じゃなかったかな?
なんかすっごい面白い人らしいよ!」
「…採用する先生も凄いわね」

「やっほ~。梨希ちゃん参上~」
「梨希ちゃん!やっほー!」
「さっきー、そこにはるはる達いたよ~。
会いに行かなくていーのー?」
「えっ!ほんとー??どこどこ!」
「こっちー」

~~

「あ!!ジュリちゃん!やっほー!!!約束通り来ちゃったー☆」
「じゅりちゃん…!」
「みんな!!来てくれたんだ!ありがとー!!」
「当然だわ♪寿麗ちゃんの活躍、期待してるわよ。
……ね、雨寧ちゃん?」
「……ん」
「…晴寧ちゃんと雨寧ちゃんもありがとう!
……私、頑張るね!!」
「楽しみにしてるよー!!」
「がんばれ…!!」
「いい結果が出せるといいわね♪」
「……」
「うぅ~……!!!みんな…本当にありがとう!!!」
「あははー。寿麗ちー、目がうるうるしてるよ~?」
「うううぅ~……」

〈そろそろ休憩時間が終わります。席に戻りましょう。〉

「あ、それじゃー戻ろっか~。寿麗ちー、泣き止んだ~?」
「う、うん……!!」
「じゃーねー!!!」

~~

「……えーっと…?次は…3年?……で、最後が1年ね。」
「1年の種目はリレーと障害物競走と騎馬戦だね!組体操はたしか全学年共通だったよね!」
「そうよ。……2年の組体操、本当に凄かったわよね…。
3年のも恐ろしそうだわ……」
「1年が最後だよね!…うぅ、もっと緊張してきたよ……」
「こうなったら全力でやるしかないじゃない…。
そ、その……頑張りましょう…!」
「…うん!!」

**

〈次は1年生の種目になります。1種目目は障害物競走です。
1年生、準備お願いします。〉

うぅ……いよいよだ…!!
めっちゃ緊張するよ~……
…… でも 頑張らなきゃ……!!!

(寿麗は…頑張り屋さんだね。)

「……!?」
お……お父さん………!?
……っ…思い出しちゃ……だめ…………!!!

(寿麗……)

「…………っ!!!」

「…如月さん?」
「!?……さ、彩凪ちゃん!ど、どうしたの?」
「……具合が悪そうな顔してたよ。保健室行く?」
「えっっ…??……大丈夫!どこも悪くないよ!」
「……そう…?それならいいんだけど……
体調悪くなったら、いつでも言ってね。」
「うん!ありがとう!」

**

〈騎馬戦はB組の勝利です。これで現在リード中のD組とも5点差ですね。
3種目目は組体操です。〉

「B組、いい感じよ!D組抜けるといいわね」
「うん!!頑張ろ!……っ」

今日は…どうして……どうしてこんなに……
お父さんのことを 思い出しちゃうの……?

「……っ………………っ…!」
私……頑張れるかな…………

**

〈組体操、お疲れ様でした。とても素晴らしいパフォーマンスでしたね。
それではいよいよ最後の種目、リレーになります。〉

「寿麗!出番よ。」
「……うん!!はぁー、緊張するよ~!!」
「B組が勝つか勝たないかは寿麗次第よ。
…楽しみに してるわ。……寿麗の活躍…!」
「うん!!絶対絶対1位取るよ!」
「寿麗ちー。」
「如月さん。」
「……梨希ちゃん、彩凪ちゃん!」
「寿麗ちーなら きっと勝てるよね。
……頑張ってね~。応援してるよ~?」
「私も。如月さんのかっこいいとこ、見せてね。」
「みんな…!!!…っ!!頑張るよ!!!それじゃあ、行ってくるね!!」

~~

「ジューリーちゃーーん!!!」
「……!玲蘭ちゃん!」
「声聞こえてるー?」
「……聞こえてるよー!!!!」
「あははー!!頑張ってねー!!!」
「うん!!!頑張る!!!」

みんな 応援してくれてる……!
頑張らなきゃ………!!!みんなの期待に応えなきゃ…!!!!


「……寿麗さん。」
「ん………?……て、ねいろちゃん!?
ねいろちゃんも選手だったの!?」
「あ、あれ……言ってませんでしたっけ……
……実は…そうなんです………
…あと……アンカーなんです……」
「えー!!!そうなのー!?
……じゃあ、今だけは敵同士だね!ねいろちゃん!」
「……っ、はっ、はい……!」
「ふふ、がんばろーね!!」

~~

〈それでは……位置について…よーい__〉
~信号器のなる音~

「……っ」
B組が少し出遅れた…F組がリードしてる……

~~

「B組、少し遅れてしまったのかしら?
5位のA組とかなり差があるけれど……」
「…まあ、大丈夫じゃないー??」
「……勝てるかな…B組」
「…でも、ぶっちゃけあたしは勝っても負けてもどっちでもいーかなー!」
「……どうして?」
「…だってさ、もしB組が最下位のままだったとしても
ジュリちゃんが諦めるわけないじゃん?
負けだってわかってても きっと全力で走ってくれるよ!
あたしはジュリちゃんの頑張ってるとこが見たいからさー!」
「…確かに、そうね。
寿麗ちゃんなら、きっと最後まで走ってくれるはずだわ。」
「……じゅりちゃんは きっとあの中の誰よりも…頑張り屋さん、だもんね……!」

~~

今のところ、やっぱりB組が最下位だ。
どうしよう、このままずっと最下位だったら 私責任重大だよ~……

F組が強い…2位のC組と結構差がある……
…4人目にバトンを渡した。

……B組も4人目にバトンを渡した。
…!速い…!4位まで上がった……!!3位のA組とそんなに差がない…!!

~~

「おーー!!あの子はやーい!!大活躍じゃーん!」
「わわわ……」

~~

B組は5人目にバトンを渡した。
うぅ、次だよ……。どうしよう、勝てるかな…?

あ……!!A組を抜いた…!
あとはC組とF組を抜くだけ……
私に…出来るかな……?

「……寿麗…さん。」
「……っ!ねいろちゃん!」
「…頑張り……ましょうね……!」
「うん!もちろん!!」

〈さあ、いよいよラストスパートです。〉

「……負けないよ!」
「…っ……はい!」


頑張る……!!!

(……その…体を動かすのは楽しいって前に言ってて
寿麗がアンカーっていう責任感と緊張感の中で どれだけ全力で走れるか……
ちょっと、見てみたいなって……思って…)
(そだよー。でも 寿麗ちーがアンカーなら、B組は安心だね~)
(如月さんのかっこいいとこ、見せてね。)
(当然だわ♪寿麗ちゃんの活躍、期待してるわよ。)
(頑張ってねー!!!)
(がんばれ…!!)

みんな私に……期待してくれてるんだ
頑張らなきゃ!!!
みんなの期待に…応えなきゃ……!!!
絶対…絶対に……!!!!

~~

「おー!!!ジュリちゃん、ネイロちゃんのこと抜いたよ!!」
「ねいろちゃんもリレーの選手だったのね。」
「うん!ああ見えて意外と足速いんだよー!」
「勝てるかな、じゅりちゃん」

~~

2位だ……!!!あとはF組を…

(無理 しなくていいんだよ。寿麗。)

「っ……!!!!」

あ……つまずいた…!2人に抜かされた……!!
無理なんて……してない……!!!!

…ど、どうしよう…追いつけないよ……

~~

「あ……つまずいちゃったねー…」
「……じゅりちゃん…」

~~

…思い出しちゃ、だめ…………
どうして最近……こんなにお父さんのことを思い出しちゃうんだろう……っ

……時間はもう 戻らない!!!
何度泣いたって願ったって………お父さんはもう帰ってこない!!!!
なんで……なんで思い出すの…
悲しい気持ちが邪魔して 動きが鈍くなるよ……!!

~~

「寿麗…ちゃん……?」

「……っ!じゅり……ちゃん!!!!」


「…?」


「まだ……頑張れるよ…!!!
頑張り屋さんなじゅりちゃんなら……もっと……!!
じゅりちゃん…………!!!!」
「ジュリちゃんの全力、見せてよー!!」
「頑張って!私達は 寿麗ちゃんが一生懸命に走っている姿が見たいの!
諦めないで…!!」


「……っ…」


みんな…………っ……
……そうだ。私は…私は頑張り屋さんなんだった。
最後まで 諦めない……!全力で……!!!

…こんなかっこ悪い走りを見せても、みんなは見守ってくれるんだね。
優しいね……。

頑張るよ!!!もう、勝てなくてもいいや…!
全力で……走る!!!!!

~~

「わー!!!すごいすごい!!!一気に速くなったよ!
2位だ!!!」
「…私達の声、ちゃんと届いていたみたいね。」
「じゅりちゃん……!やっぱり、じゅりちゃんは頑張り屋さんだね。」
「そうね♪」
「諦めなかったね!ジュリちゃん!」

〈F組、ゴール!!1位はF組です!…B組もゴール!!〉


~~

「はぁ、はぁ……ふぅ…疲れた……」

結局1位は取れなかった。
……でも…
なんだろう、このすっきりとした感じ。
私、やりきったよ!!
……全力で、走ったよ!!!
みんなの期待には…応えられなかったかもだけど…。

「はぁ、はぁ……寿麗さん……お疲れ様…です……!」
「ねいろちゃん!おつかれー!」
「寿麗さん、凄かったです……。
途中でつまずいたのに、凄いスピードで追いついてきて……」
「みんなのおかげだよー!」
「え……?」
「みんなが思い出させてくれたんだ。
つまずいて諦めてた私に、私は“頑張り屋さん”なんだってこと。」
「頑張り屋さん……。ふふっ、確かにそうですね…!」
「ありがとう!」

**

「寿麗の活躍のおかげで、B組は無事勝利したわね。」
「そーだね~。大活躍だったよ~。」
「みんな、ありがとう!みんなのおかげで頑張れたよ!!」
「見に来てよかったー!!!めっちゃ楽しかったよー!!!」
「素敵な走りだったわね♪とてもかっこよかったわ。」
「……じゅりちゃん…ありがとう……!」
「…?なにがー?」
「じゅりちゃんの頑張る姿見て、勇気を貰えたんだ…!」
「……ほんと?嬉しいな~!!」
「…誰かの頑張る姿って、刺激になるわよね。」

「……えーっと…その方達は……?」
「あっ、彩凪ちゃん!!
この子達はね、美術館で知り合ったんだ!」
「……そうなの。こんにちは。」
「やっほー!!サナちゃんって言うんだ?
よろしくー!!!!」
「よろしくね♪彩凪ちゃん。ふふっ」
「よろしくね。」

「……それじゃーあたし達はこっちだから!!
じゃーねー!!」
「ばいばーい!!!またね!!」

**

大好きなみんなと、大好きな場所で……
こんなにも近くにあるのに 言葉にしてみると、特別に感じるな。
……きっとこれは、当たり前のように思えて 立派な一つの“幸せ”なんだろうな!

…大好きなみんながいて、大好きな場所があって、
そこに私がいる。
それを当たり前って思えること、凄く幸せに思うよ!

「如月さん。」
「寿麗ちー」
「寿麗!」
「……?ごめん、ちょっと考え事してた!」
「なに~?考え事って~」
「もう少し余韻に浸りたいんじゃないのかしら?」
「ふふっ。ほら、帰ろ。」
「……なんでもないよー!」


_いつもと同じ世界。
当たり前に、日々幸せが通り過ぎていく。
そんな時、突然“自分”を忘れちゃう時がある。
でも、答えはすぐそこにいる誰かが知ってるんだよ!
きっと、思い出させてくれるよ!

その瞬間に、
“当たり前”は“幸せ”なんだってことに気づくんだ!
そうしたらみんなも、こんな風に思えるよ。


みんな大好き!!!

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感想 2

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みんなの感想(2件)

スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

解除
花雨
2021.07.25 花雨

学園物好きなので続きが気になったのでお気に入り登録させてもらいました(^o^)
よかったら私の作品も観てくださいね(^^)V

解除

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