【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を

逢生ありす

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悠久の王・キュリオ編

<絶望>消えゆく命の灯

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「……アオイ……?」

ハッと顔を上げたキュリオ。次第にその体はガクガクと震え、彼は絶望の淵へと追いやられてしまった。

 「……っ!! 眠ってはだめだっ! アオイッ!!!」

分厚い書物を開き、過去に同じような事例がないか調べていたガーラントは、キュリオの叫びに振り返り幼子へと視線をうつす。

「……っま、さか……」

「……お嬢様っ!!」

女官や侍女たちは悲痛なキュリオをみて察してしまった。
やがて彼女らの間で悲鳴やすすり泣く声が響く。

「……っなぜだ!? この子を苦しめているのは何なのだ……っ!!」

気が動転しているキュリオは左手でアオイを抱きしめたまま右手でガーラントに掴みかかる。

「キュリオ様! もう一刻の猶予もなりませぬ!!」

「そんなことはわかっているっ!!」

「冥王、または精霊王にご協力の要請を!!」

「……なに……?」

力強く言い放ったガーラントの言葉に目を見開いて驚きを隠せずにいるキュリオ。ガーラントにも確信はなかったが、外的要因がなければ心的要因を疑う。キュリオの話から行きついた、彼女を救う鍵は"夢"にあると睨んだからだった。

「<夢幻の王>の彼ならわかるが……なぜマダラの名が……」

キュリオが驚くのも無理はない。冥王は"魂を狩る者"として名を馳せているからだ。

「冥王は"魂の導き手"でもありますゆえ、最悪の場合、姫様の魂が現世を離れてしまっていたとしたら彼しかおりますまい!」

「……冥界の魂を取り戻すまで、か……」

アオイを抱いたままうなだれるキュリオ。冥王の手を借りるとなれば、それは――

――アオイを死者として扱うこと――

「だめだ。アオイはまだ死んでいない」

「しかしキュリオ様っ!! 精霊王は気まぐれなお方! あのお方が姿を見せてくださる可能性は……っ!!」

きつくこぶしを握り締めるキュリオの手には血が滲んでいる。彼は認めたくないのだ。仮に冥王の力を借りたとして、失敗の先にあるのは圧倒的な絶望だからだ。
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