魔法少女、魔法が強すぎて無敵すぎた件

月沙師

文字の大きさ
22 / 23

これじゃあまるで…

しおりを挟む
「さてと…それじゃあ、お前ら、二人の削除を任されたわけか…」

まるで特撮に出てくるヒーローのような格好のそいつは、首に巻き付けられたマフラーのような物を風に靡かせると、拳を、ぶらりとぶら下げた。

「お、俺もかよ…!!!」

「グアアアア………」

ベリアルは暴れるし…ユミーはどっか行っちゃうし…
ど、どうすれば良いんだよ!!!!

「グアアアア!!!!!」

ベリアルは獣のように変な軌道を描きながら、ビルの壁などを使って、マグプルに向かって己の爪をぶつける。

「ふん」
その猛攻をマグプルはちょっとしたステップを踏みながら、スマートに避けて見せる。

まるで、ダンスを踊るようにして綺麗なステップで、一歳無駄のない動きで避けると、マグプルはベリアルに拳を叩きつける。

そして、その拳は思ったよりも弱々しいらしく、石柱に小石を投げたように、全く動じない。
しかし、マグプルの腕からは、「HIT!5ポイント!」とゲームのような声が響いた。

「グアァァァ……」

だが、そんな音が鳴ったところで、ベリアルには何もなかった。

何も起きない。それでもマグプルは殴り続ける。
何回も、「HIT!5ポイント!」という声がだけが流れる。

「グアアアアアア………!!!」

そして、ベリアルも鬱陶しいそうに、マグプルに向かって拳を叩きつける。
こっちの方は力を行使し、マグプルを10mほど引き剥がした。

「さてと。フィナーレと行こうじゃないか。」

マグプルがそういうと、腰につけたボタンのようなものを取り出し、3回親指でプッシュする。

すると、マグプルの拳に宿っていた炎が、全て、右足に移った。
その右足は、いかにも、強力なパワーが宿っているように見えるが、あんな小石のような攻撃しかできない奴が、ベリアルなど倒せる物なのだろうか…

普通は、そういう思考になると思う。
でも、こいつがフランスのトップヒーローと言われているのに、あんな弱い攻撃でトップヒーローと言われている所以が分からない。

それに、さっきのマグプルの言ったフィナーレという言葉。

もうこれで決着を付けるという合図。

つまりこれが、今までで一番危険な可能性が高い。

「べ、ベリアル!!!まともに食らうな!!!逃げろ!!!!!!!」

俺は、何か嫌な予感がして、必死に訴えかけるが、ベリアルは、止まらない。
獣のように姿を変えてしまった俺には、ベリアルの声など届かない。

「グアアアアア!!!!!!」

「ベリアル!!!!!!逃げるんだ!!!!!!」

「シャイニーは力ずくだが、俺はテクニックなんだ。じゃあな。」
そういうと、マグプル9は、天高く飛び上がる。

そして、その影が太陽とかぶると、マグプルの背中から火のようなものが放出された。

そして、マグプル9は、自身の炎の宿った右足を突き出すと、勢いよく、ベリアルに向かって、突き進む。

ベリアルは、腕を剣のように変化させると、突き進むマグプル9に向かって振りかざした。

「グアアアアアアア!!!!!!!!」

と、次の瞬間、二人がぶつかり合い、爆弾でも仕掛けられていなのか疑うほどに大きな爆発を起こし、その道路を煙幕で包み込んだ。

「グアアアアア!!!!!」
そして、次に包み込んだのは、ベリアルの悲鳴。

「ベリアル!!!!!!」

俺は煙幕を手で払いながら、悲鳴の方向に向かった。
払っても払っても晴れない煙幕。

俺は鬱陶しく思いながらも、突き進む。
「ベリアル!!!」
すると、コツンと、足元に何かが当たった。

「え…」

下を向くと、そこには指輪をつけた手…
その指輪には見覚えがあった。

花柄の指輪。
これはライリーがベリアルに渡したプレゼントの一つだ。

「う、腕がちぎれただけだよな…!!!おいベリアル!!!!お前に痛覚ないんだし…早く___」

「残念だけど、ベリアルはもう死んだよ。」
そういうと、一気に霧が晴れた。

目の前からは風が吹き、風が吹いていた方向には、マグプル9。
そして、その周りには、血が飛び散っていた。

そして、その中には、マグプルだった肉片の一部が…

「ねぇ…嘘だろ………うわぁ…ああああ………つ…!!!!」
俺は涙を拭き取り、拳を強く握ると、マグプルに背を向けて、走った。

ああ!!!くそ!!!!!!

俺には戦闘能力が、ほぼ無いと言っていい。

だから、腰には銃をぶら下げている。

RIは全員が異能の力を持っているが、俺は生まれつき、が得意だった。

変装っていうのは、顔の形や、体格を変える能力。
能力に気づいてなかったとき、俺はとても醜かった。

その体は、歪で、周りの人からは化け物なんて呼ばれた。

人間なのに、迫害された。

でも、母だけは俺を愛してくれた。
迫害されても、俺だけを庇ってくれた。

その時だったろうな。
人間を初めて憎んだのは。

「変身…!!!!」

俺はビル群を急に曲がり、路地の中に入る。

湿ったその路地の向こう側には一筋の光があった。
俺はその路地を駆け抜けると、バイクが一つ置いてあった。

「ら、ラッキー!!!」
俺は、体を変化させ、少し前にショッピングモールで見たあの、白い髪をした少年へと変わる。

そして、バイクを起動させ、走らせる。
轟音を鳴らしてバイクは走り始め、あっというまに、避難所へと着いた。

「こ、ここで人に紛れれば!!!」

避難所の近くにバイクをとめ、降りる。
起眞市立高等学校。

ユミーが通っているという学校だ。
避難所としては確かに最適だな。

俺は校門を潜り抜け、そして、体育館らしき場所へと向かう。


__________

って、一体、体育館はどこにあるんだ?

致命的だった。
そういえば俺は、ここら辺の学校のことを全く知らない。

これはもはや…誰かに聞くしか…

「おい、そこの少年。」

俺は、急に見知った声…というか、先ほどまで聞き覚えのあった声が突然現れ、ビクンと動揺してしまった。

しかし、ここは、動揺してしまったら、確実に怪しまれる…
俺はお得意のポーカーフェイスで、「えっと…なんでしょうか…?」
と真面目な普通の少年のように振る舞うように答えた。

「すまんが、ここら辺で怪人を見なかったか?」

そこには、頭に帽子を被った20後半あたりの様な男が居た。
しかし、腰には、先ほどベリアルを殺した奴と全く同じ見た目をしたベルト。

変身を解除してはいるが、こいつは確実にマグプル9。
そいつだ!!!!!

だが、今は所詮は人間…
殺せる…!!!

「か、怪人ですか?いやちょっと僕は分からないですね…」

俺はそう惚けながらポケットの中に手を入れる。
ユミーに護身用でもらった銃がその中には入っていた。

「そうか。わかった。それじゃあ__」
と言いながら、マグプルは踵を返す。

今しか無い!!!!!

銃をポケットの中から取り出し、そして、拳銃を構える。
が、その銃口はマグプルの掌によって抑えられた。

「な、何!?」

「まあ、なんかジャケットのポケットが膨れてたしな。それに、服、着替えなかったのか?お前、まさか変装系の能力か?まさかね。」

「クッソ!!!!!」

俺はそう言いながら、銃口の引き金を引こうとした。
が、引けなかった。

「銃ってのは、上のスライドする部分を少しでも後退させると引き金にロックが掛かる…知らなかったか…?」

「く!!!!」

俺は、銃を一度、その手のひらから離させると、マグプルに向かって投げつける。

「くっ!!!!」

多少、その銃を投げつける攻撃が効いたようで、マグプルは怯んだ。

俺は、その隙に、今度は、闇に黒猫となって隠れた。
ここでしばらくマグプルが引くまで待つか…

今度は人間じゃない…大丈夫な筈だ…
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン
ファンタジー
 世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。  大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。  GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。  ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。  そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。  探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。  そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。  たまに有り得ない方向に話が飛びます。    一話短めです。

美咲の初体験

廣瀬純七
ファンタジー
男女の体が入れ替わってしまった美咲と拓也のお話です。

処理中です...