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chapter1
平穏な日常はあっという間
しおりを挟むワンコ事件から数ヶ月たち、C組の人達が居ることにも慣れてきた。未だに話したりはしないものの、悪い人達ではないんだなと思う。むしろ僕の妄想の素材になってくれている。
僕は、時々寮に居る時もあるけど、ほとんどは風紀室で過ごしていて、自分の教室にはあの日以降1歩も足を踏み入れてない。ホスト教師は毎日放課後に顔をだし、王道くんは風紀室に入れてもらえず、毎日毎日扉の前で愛を叫んでいる。
そんな生活に慣れている僕だが、最近気になっている人がいる。
それは……
「秋ちゃんかまってぇ~な。」
「そんなに暇なら自分の仕事を進めなさい。」
「昨日イチャイチャできひんかったやん。もう限界や。」
「……陽一、今日は…………し……すから早く終わらせて下さい。」
「ほんまに!?なら頑張るでー!!!」
………あーーーーーーー、幸せ。
1週間前位から、斎藤先輩と菅野先輩がなんとお付き合いしてると発覚したんだよ!!!!!
腐男子受けじゃないのは残念だけど、もうこのカプは僕のイチオシ!!!
ほんと癒されるよ~~。
僕の高校生活に潤いを与えてくれた2人には幸せになってほしいもんだね~!!
そしてこのまま、平穏に生活したいものだね~。あ、フラグじゃないから絶対回収しないから!!!
「涙、帰るぞ。」
「はーい!!」
僕がガスマスクを被って慶に担がれたとたん、風紀室の扉が勢いよく開いた。そこに居たのは、生徒会長と生徒会副会長だ。
え…なんか嫌な予感。
「白田涙!!貴様を退学処分とする!!これは決定事項だ!!速やかに荷物を纏め出ていけ!!」
………え?
なんで?僕なんかした??退学処分って……
「何をふざけた事を言っている!理事長からは何も聞いていない!」
慶が珍しく怒鳴っている。
「ふっ、これは決定した事ですよ。今の理事長は君達の知っている理事長でない事は分かっているでしょう。現理事長が決定した事なのですから、何も聞いていないのは当たり前でしょう。」
そう、今上条さんは急用で学園を離れ、その間は仮の理事長がこの学園を一時的に運営している。それも、副会長の叔父さんだ。
「しかし、それは仮だろう。退学処分の決定権は持っていないはずだ。それに、普通なら生徒会ではなく、先に風紀委員長である俺に連絡がくるはずだが……貴様等何をした?」
「簡単な事です。白田涙は特別扱いをうけ、更には私を敵にまわしています。他の者も君にはかなり不満があったようでしてね……署名を集めたんですよ。白田涙を退学処分にするべきかどうかのね。驚く事に、C組の連中以外は殆どが退学処分にすべきだと思っていたようですね。」
「お前等の親衛隊か?」
「当たり前じゃないですか。親衛隊なんてこんな時しか役にたたないですしね。」
……あぁ、この人はもう壊れてしまっている。
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