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chapter1
帰ろう
しおりを挟む退学か……。
くそっ!!もう少しだけbl環境を満喫したかったぜ。
それにしても、慶は僕を担いだまま怒っているから、僕を支えている手に力が入りすぎている。
痛い痛い痛い痛い!!!慶さんや……僕の背中に貴方の指がくいこんでいますよ。
「慶……もういいよ。僕帰るから……」痛いし。
「涙……分かった。…せっかく……(戻ってきたのに)」ボソッ
慶……"せっかく"の後の言葉が僕は気になります。
はぁ……しかし、母さんとイギリスに出張中の父さんには、悪いなあ。折角息子が学校に通いだしたと思ったら退学だもんな~。
とくに母さん……父さんが居ない中、1人で僕を育ててくれた。父さんは……覚えてない。というか、会ったことあるか??
僕が、そんな事を考えている間に、いつの間にか風紀室から、慶は出ていたみたいだ。
廊下ですれ違う子達からは、嫌な視線を向けられ、C組の人達は心配そうに僕達……いや、僕を見ている。
クスクスと、笑い声もいろんな所から聞こえてくるが、正直今となってはどうでもいい。
もう、そんなチワワちゃん達にも萌えない。
チワワちゃん達や、親衛隊の子達が悪い訳ではないのは分かっている。でも、こんな時だけ良いように利用されてしまったという、事実が僕にとってはショックすぎて、萌えないのだ。
親衛隊の子達は、みんな好きな人を守る為に行動している。それも間違った行動をしたとこなど、僕は見た事がない。
どちらかというと、親衛隊でもないチワワ達……こいつらの方が酷い。だが今回は、そのチワワ達すらも利用したあいつ…副会長とその叔父に怒りを覚える。絶対に許さない。
……まあ、許さないと言っても、もう僕には何も出来ないし、しようとも思わないけどさ。
「涙……珍しく寝なかったな。」
「え??もう部屋!?ほんとだ、初めてかもしれない!!!」
「いや……久しぶりなだけで、前はそうだったよ。」
???前はそうだったとは?……ぁあ!!入学したばっかりの時か!!そりゃそうだろ、入学そうそう寝てられないだろ!!
「そういう意味じゃないんだけど……まあいい、明日には出れるように荷物まとめるぞ。」
「え?慶は違うでしょ?」
「何言ってんだ。涙が居ないなら俺はここに居る意味はないし、本当なら涙だってここにいる必要はない。」
「意味が分からないんだけど……まあいいや。」
「……」
慶め、何か言いたげな顔しやがって!!仕方ないだろ、なんか興味ないんだから。
僕は、ブツブツ文句を言いながら明日出ていく準備をした。
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