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chapter2
最大の危険
しおりを挟む※最初に、残酷な表現があります。読む際はご注意下さい。
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(side上条)
「おい!どういう事だ!涙くんが退学だと!?有り得ない!!理事長である私の許可がひ……」
「は?あんたが選んだ仮の理事長がやったらしいじゃないの!!もう涙は日本に返さないわ!!」
「仮?私はそんなの任せてないぞ!!瑞希、訳の分からない事を……」
訳の分からない事を言うなと、言おうとした時、電話の向こうで英語が飛び交っていた。
『久しぶりですね。レオですが、ルイは神崎のとこの坊主に言って、無理矢理退学にさせました。なんでも、新しい理事長とその甥がルイを殺そうとしたらしいですね。詳しく調べたら、甥は自分の想い人が、ルイを好きになった事に腹を立て、理事長になった叔父の前でルイを殺してやりたいと呟いたのを、その叔父が聞いていて、どこから漏れたのか、アルビノのルイを殺して臓器や目、腕や足をオカルト信者達に高値で売りつけようとしたらしいじゃないか』
それを聞いて、自分の体温が急激に下がるのを感じた。
きっとその叔父は花月の者だろう。あそこの家は皆狂っている。そして叔父とやらは、収集家であり、闇市を定期的に開いては、見飽きたコレクションを売買していると聞く。そいつが、もし私の理事長室に入り込み、涙との写真を見たとしたなら……考えただけでもゾッとするが、奴ならあのセキュリティをかいくぐれるだろう。
『す、すまないレオ。謝って済まされる事ではないのは理解している。そいつに心当たりがある……狂った集団……花月家……奴ならセキュリティを突破する……だろう』
電話の向こうからは声もしなければ、物音ひとつしない。
心臓がとまりそうな程の張り詰めた空気に、吐きそうになる。それでも私は自分の判断を間違えたのだ。責任はとらなくてはならない。いつもなら怜を置いていくのに、今回はそうしなかった。気が緩んでしまっていたのだ。涙を預かるという事は、常に周りを警戒していないといけないというのに、養子に迎えた紫音に仕事を教える為とはいえ、教育係として怜も連れてきてしまった。
涙がアルビノだと、知っている奴らが増えた。しかし、アルビノと命の危険を、結び付けられる者がこの世にどれ程居るだろうか。知っている者は、裏と繋がりがあるか、一部の地域だけだろう。
『レオ……花月の者全員の命をレオにもっていこう。しかし、落とし前は必要だ。私の命もレオに……』
『お前の命なんぞいらん。ミズキが悲しむだろ。……が、そうだな、花月家全員の抹殺は勿論、その気色悪い闇市に関わる者すべてを処分しろ。それから……ルイはもう、そちらに行かせませんので』
そこで通話が切れると、一気に緊張がほぐれ、それと同時に吐き気に襲われた。
「生きた心地がしませんでした。私も……気が緩んでおりました。申し訳ございません」
そう言って頭を深く下げる怜と、勘づいたのだろう紫音が顔を真っ青にしている。
「これは、私の責任だ。…….紫音、お前には苦労をさせるだろうが、今ので分かっただろう。涙とはもう会わせてやれないかもれん。すまんな」
「いえ、俺でも理解は……できました。しかし、そこまで……俺では結び付ける事ができませんでした」
あぁ、この子はこの短期間で成長した。しかし、レオに知らせてくれたであろう神崎の判断が少し遅れていれば、その代償は私1人では取り返しがつかなかっただろう。なにせ、あの慶が溺愛し、レオの子である涙の命なのだから。
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