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ボーイ(28)・ミーツ・ボーイ(17)
婚活時の自己紹介「趣味は異世界観察です」
俺が困った時に発動するチートだけど、恋愛や婚活には何の役にも立たない。
寧ろ<状態異常無効>のおかげで、脳がバグを起こすことがないので足を引っ張っている。
恋愛状態にある脳は、脳内伝達物質の分泌が増え、快感を感じていると異世界で解明されていた。
逆に脳内伝達物質の異常分泌を起こさないと言う事は、常に精神的にフラットな状態と言える。
俺の脳は恋愛モードになれない。
精神的な異常状態に陥ることがなく、肉体的にも<超回復>があるため男性機能は保持しているものの欲情して本能に振り回されることもない。
精神的にも、肉体的にも恋人を求めていないどころか、もし得たとしても扱いに困るのが目に見えている。
つまらない人生だと思うか?
俺はそう思う。
俺は自主的に誰かを好きになることはない。
産まれてこの方、恋愛感情というものを抱いたことはなかった。何度か幼馴染兼従者に強制的に恋愛小説を読まされたけど、全くピンと来なかった。
他人の痴情のもつれの何が面白いのか。
起承転結の転は、8割コミュニケーション不足による誤解だ。報連相ちゃんとしようぜ。
相手に惚れられた場合、礼儀を尽くすことはできても愛することはできない。
こんな男が恋愛結婚したら行き着く先は悲劇だ。
俺が結婚して得られるのは、家系の継続を望む圧力からの解放だけで、デメリットの方が遥かに多い。
恋愛結婚の反対は政略結婚だが、実はこちらの方が望みが薄い。
無駄に知名度が高いおかげで祖父世代、親世代の醜聞は周辺諸国には知れ渡っている。
自分自身がやらかしたわけでもないので、俺は開き直っている。
反面教師として役立てて欲しいくらいだ。だが「エアステ家みたいになるなよ!!」と冗談で言ったら、場が静まり返ってしまった。
きっとあの国の人たちとは、ユーモアのセンスが相容れなかったのだ。
我が家に嫁いでくる女性には、後継ぎを産まなくてはいけないというプレッシャー、夫が先代の二の舞になるかもしれないという不安が付き纏う。
頼りの夫は基本出張。
家には滅多に帰ってこないので、基本家にひとり。
数少ない帰宅時は、夫は妻に欲情しないので義務的な営みが最低限。百発百中的なスキルが発現しそうだ、嫌だな。
夫の仕事は国が管理している。
エアステ家の領地は、俺が当主になった際に国へ返上済なので領地経営はない。
妻が持参金として土地を所有していたら話は別だが、我が国に土地を持たせるという慣例はない。
よって社交に勤しむメリットは薄い。
舞踏会やお茶会に呼ばれる事は稀。呼ばれたら何らかの裏があると考えてよし。
自分が主催しても相手に旨味がないので、本当に親しい人との交友目的になる。
出席必須の舞踏会は高確率でパートナー不在なため、嫁いだ後も実家の男性親族頼みになる。1回2回ならまだしも、回数が増えるにつれ頼み難くなる。
有事の際は、先ず夫が出動するので自分のことは自分で守らなければいけない。
嫁入りと書いて人身御供と呼び、妻と書いて生贄と呼ぶ。
まともな親なら縁談を持ち込もうとは思わないし、まともじゃない親は国が英雄の血筋を利用させないため牽制する。
では王族はどうかと言うと、残念我が国の王家は見事な男系家族で女性は王妃のみ。
周辺にも年の釣り合う王族の女性はいない。
詰んだ。
どうしろと言うんだ。
「英雄様なら、女の一人や二人簡単だろ」なんて揶揄してくる奴がいたけど無理なものは無理だ。
元々異性に興味がなく結婚自体に乗り気じゃない。勿論同性にも興味はない。
育った環境のせいか、子供が欲しいとも思わない。
<英雄>称号持ちにしか解決不可能な難題がなくなった今、もうこの家断絶しても良いんじゃないかと思う。
きっとそのために生まれた存在が俺なんだよ、そう思うことにした。
=========
ある意味恵まれていて、ある意味不遇な人生を歩んできた俺。
感情の振れ幅が小さいだけで、喜怒哀楽はある。
何かに対して楽しいと感じる感性は残っている。
そんな俺の数少ない趣味が異世界観察だ。
<異常状態無効><弱体耐性><超回復>により睡眠をとらなくても、精神的にも肉体的にも異常はない。
俺は6歳くらいから眠るのを止めた。
代わりに夜な夜な瞑想、魔力操作の練習、音を立てない筋トレに時間を費やした。
ある日瞑想中に発動したのが一人称視点で特定の別世界を覗く能力。
視点を借りている存在が、一人なのか複数人なのかは未だに判明していない。と言うのも、周囲の環境が頻繁に変わるからだ。
同じ景色、同じ顔ぶれ続いたり、取得する情報に規則性があれば特定の人物の視界を借りていることになり、その人物が俺の異世界での同一的存在であるとか前世もしくは来世と仮定できて楽しいのに。
異世界を覗く時、俺の意志は視点の持ち主に影響を与えない。
また、視点の持ち主の精神状態を俺は感知できない。
受け身ではあるが色々な環境で色々な物事を見聞きできるので、幼少期から国ひいては為政者にとって都合の良い教育を受けた俺だけど、英雄というラベルを貼られた便利な人形にはなっていない……と思う。
少なくとも騎士として任命されているが、誰にも忠誠を捧げていない。
脳がバグらない俺は、誰かを熱烈に信奉することはない。
他人を評価しろと言われたら、誰が相手でも鬼フラット判定する自信がある。
=========
結婚したくない。
穏やかに引退したい。
自覚はなかったけど、俺は結構追い詰められていたのかもしれない。
ある日考えてしまった。「異世界に移住したい」と。
馬鹿な思いつきだが、思ったその晩に神と名乗る存在が現れて俺をスカウトした。
きな臭いと思ったけど渡りに船だったので、取り敢えず相手に好きなように喋らせてみることにした。
寧ろ<状態異常無効>のおかげで、脳がバグを起こすことがないので足を引っ張っている。
恋愛状態にある脳は、脳内伝達物質の分泌が増え、快感を感じていると異世界で解明されていた。
逆に脳内伝達物質の異常分泌を起こさないと言う事は、常に精神的にフラットな状態と言える。
俺の脳は恋愛モードになれない。
精神的な異常状態に陥ることがなく、肉体的にも<超回復>があるため男性機能は保持しているものの欲情して本能に振り回されることもない。
精神的にも、肉体的にも恋人を求めていないどころか、もし得たとしても扱いに困るのが目に見えている。
つまらない人生だと思うか?
俺はそう思う。
俺は自主的に誰かを好きになることはない。
産まれてこの方、恋愛感情というものを抱いたことはなかった。何度か幼馴染兼従者に強制的に恋愛小説を読まされたけど、全くピンと来なかった。
他人の痴情のもつれの何が面白いのか。
起承転結の転は、8割コミュニケーション不足による誤解だ。報連相ちゃんとしようぜ。
相手に惚れられた場合、礼儀を尽くすことはできても愛することはできない。
こんな男が恋愛結婚したら行き着く先は悲劇だ。
俺が結婚して得られるのは、家系の継続を望む圧力からの解放だけで、デメリットの方が遥かに多い。
恋愛結婚の反対は政略結婚だが、実はこちらの方が望みが薄い。
無駄に知名度が高いおかげで祖父世代、親世代の醜聞は周辺諸国には知れ渡っている。
自分自身がやらかしたわけでもないので、俺は開き直っている。
反面教師として役立てて欲しいくらいだ。だが「エアステ家みたいになるなよ!!」と冗談で言ったら、場が静まり返ってしまった。
きっとあの国の人たちとは、ユーモアのセンスが相容れなかったのだ。
我が家に嫁いでくる女性には、後継ぎを産まなくてはいけないというプレッシャー、夫が先代の二の舞になるかもしれないという不安が付き纏う。
頼りの夫は基本出張。
家には滅多に帰ってこないので、基本家にひとり。
数少ない帰宅時は、夫は妻に欲情しないので義務的な営みが最低限。百発百中的なスキルが発現しそうだ、嫌だな。
夫の仕事は国が管理している。
エアステ家の領地は、俺が当主になった際に国へ返上済なので領地経営はない。
妻が持参金として土地を所有していたら話は別だが、我が国に土地を持たせるという慣例はない。
よって社交に勤しむメリットは薄い。
舞踏会やお茶会に呼ばれる事は稀。呼ばれたら何らかの裏があると考えてよし。
自分が主催しても相手に旨味がないので、本当に親しい人との交友目的になる。
出席必須の舞踏会は高確率でパートナー不在なため、嫁いだ後も実家の男性親族頼みになる。1回2回ならまだしも、回数が増えるにつれ頼み難くなる。
有事の際は、先ず夫が出動するので自分のことは自分で守らなければいけない。
嫁入りと書いて人身御供と呼び、妻と書いて生贄と呼ぶ。
まともな親なら縁談を持ち込もうとは思わないし、まともじゃない親は国が英雄の血筋を利用させないため牽制する。
では王族はどうかと言うと、残念我が国の王家は見事な男系家族で女性は王妃のみ。
周辺にも年の釣り合う王族の女性はいない。
詰んだ。
どうしろと言うんだ。
「英雄様なら、女の一人や二人簡単だろ」なんて揶揄してくる奴がいたけど無理なものは無理だ。
元々異性に興味がなく結婚自体に乗り気じゃない。勿論同性にも興味はない。
育った環境のせいか、子供が欲しいとも思わない。
<英雄>称号持ちにしか解決不可能な難題がなくなった今、もうこの家断絶しても良いんじゃないかと思う。
きっとそのために生まれた存在が俺なんだよ、そう思うことにした。
=========
ある意味恵まれていて、ある意味不遇な人生を歩んできた俺。
感情の振れ幅が小さいだけで、喜怒哀楽はある。
何かに対して楽しいと感じる感性は残っている。
そんな俺の数少ない趣味が異世界観察だ。
<異常状態無効><弱体耐性><超回復>により睡眠をとらなくても、精神的にも肉体的にも異常はない。
俺は6歳くらいから眠るのを止めた。
代わりに夜な夜な瞑想、魔力操作の練習、音を立てない筋トレに時間を費やした。
ある日瞑想中に発動したのが一人称視点で特定の別世界を覗く能力。
視点を借りている存在が、一人なのか複数人なのかは未だに判明していない。と言うのも、周囲の環境が頻繁に変わるからだ。
同じ景色、同じ顔ぶれ続いたり、取得する情報に規則性があれば特定の人物の視界を借りていることになり、その人物が俺の異世界での同一的存在であるとか前世もしくは来世と仮定できて楽しいのに。
異世界を覗く時、俺の意志は視点の持ち主に影響を与えない。
また、視点の持ち主の精神状態を俺は感知できない。
受け身ではあるが色々な環境で色々な物事を見聞きできるので、幼少期から国ひいては為政者にとって都合の良い教育を受けた俺だけど、英雄というラベルを貼られた便利な人形にはなっていない……と思う。
少なくとも騎士として任命されているが、誰にも忠誠を捧げていない。
脳がバグらない俺は、誰かを熱烈に信奉することはない。
他人を評価しろと言われたら、誰が相手でも鬼フラット判定する自信がある。
=========
結婚したくない。
穏やかに引退したい。
自覚はなかったけど、俺は結構追い詰められていたのかもしれない。
ある日考えてしまった。「異世界に移住したい」と。
馬鹿な思いつきだが、思ったその晩に神と名乗る存在が現れて俺をスカウトした。
きな臭いと思ったけど渡りに船だったので、取り敢えず相手に好きなように喋らせてみることにした。
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