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イチャイチャバイオレンス<蛇足編2>
ドキッ!男だらけの… ※
アウクトルは照れながら俺を殺した。
サイコなの?
本気で彼の精神構造がわからない。
*
俺が唯一有効にしたスキルは、死亡後一定時間で蘇生するものだ。
正確には、体の時間を巻き戻す。
騎士時代に人質等様々な手段で俺の死を要求する輩が多かったので、連中を欺くために獲得したスキルだ。
彼はうまく俺を殺してくれたため、問題なく蘇生できた。
直ちに他のスキルをオンにして、体調を回復。
死ぬと括約筋が緩むがギリギリセーフ。これ以上の公開処刑は御免だ。
生き返った俺に参加者達は驚いていたが、相手がアウクトルだったので彼が何かしたと納得したようだ。
会場は「さすまお」一色だが、そいつ普通に俺を殺しただけだぞ。
*
第二のミッションが発表された。
第一のミッションのグループは解消され、今度は大きく2グループに参加者を分けた。
片方は今の会場で待機、もう片方は別フロアの会場へ移動。
今回俺とアウクトルは別グループだ。俺は移動するアウクトルの背を見送った。
各グループから代表者がランダム選出され、別室へ移動した代表者同士が指令をこなせば終了。
指令内容も、別室の様子も犯人しか知り得ない。
実行不可能であればメンバーチェンジ可能。
しかし最初のひと組が成功するまで延々繰り返される。
軍人は待機も任務のうちだが、参加者の多くは富裕層の一般人なので、状況が分からない中でひたすら待つというのは中々の拷問だ。
第一のミッションよりはマシかと思ったが、早速代表者に選ばれた俺は、部屋に着くなり白目を剥いて倒れたくなった。
【キスしないと出られない部屋】
分かりやすさ重視なのか、デカデカと室内に看板が掲げられている。
これ女王様ゲームの亜種じゃないか。
なんで合コンのゲームみたいなのが続くんだよ。
俺は合コンに行った事がないけど、知識だけはあるぞ。
スーツのおっさんだらけでこんな事しても全く盛り上がらないからな!
*
「随分ダイレクトな指令だな」
俺に続いて、黒髪赤目の男が入室した。
アウクトルではないーーディダートだ。金持ちそうだとは思っていたが、招待客だったらしい。高そうなスーツを着ている。
「ディダートも参加してたのか」
「こう見えて、ニギン・コーヒーの創業者一族なんだ」
「あのチェーン店か」
ニギン・コーヒーは、地球のシアトル系コーヒーチェーンに酷似している。
緑のセイレーンロゴを茶色にして、尾鰭を消したのがニギンロゴだ。
世界が違っても、文明レベルが近ければ同じようなものが生まれるのかと驚いた。
「君の驚きの経験値もバッチリ把握したよ」
「忘れてくれ……」
「いやぁ、無理だね。衝撃的過ぎた」
バーでやらかしてしまった以上の羞恥心だ。しかし彼は俺の友達候補。変に見栄を張って後に引けなくなるよりも、どんな形であれ最初に打ち明けてしまう方が良いのかもしれない。
切り替えた俺は、自分の手の甲にキスをした。
何も起こらない。
ディダートの笑い声が響く。
「ダメみたいだね。次はどうする?」
「人ごとじゃないだろ」
「ハイハイ。これは困ったな……」
「困ったと言うなら、お前も知恵を絞れ」
「普通にしちゃえばいいんじゃないか?」
「正気か?」
「中のことは外にはバレないんだろう? 誰が代表者かも同グループの人間にしかわからない。指示だって、先ほどの殺し合いに比べれば随分マイルドだ」
ディダートが一歩踏み出してきたので、俺は一歩下がった。
確かに一瞬で終わるが、彼は俺の友達候補なんだ。今後の友情に差し支える行為は避けたい。
迷わず俺はチェンジボタンを押した。
*
チェンジボタンを押した者が続投らしい。
ディダートは肩をすくめて退出した。
入れ替わりに入室したのは、俺と同年代の女性。指輪も腕輪も装着していない。
彼女は看板をチラ見すると、さっさと済ませるよう言い放った。
いや、無理だ。犯罪者の命令に従って、異性に性的な行為を強いるのは猛烈な抵抗がある。
彼女にチェンジボタンを押すよう伝えたら、逆ギレされた。ええー。
「私が良いと言っているのです! 早くなさい!」
女としてのプライドを傷つけてしまったようだ。
俺は体を屈めると、彼女の手を取った。騎士時代散々やったことなので、動作は非常に滑らかだ。
通常であれば手の甲に口元を近づけるだけだが、今回はキスを求められているので一瞬だけ接触した。
「お許しください。これが限界です」
そのままの姿勢で見上げ、ハンカチを差し出した。
彼女は真っ赤になって倒れた。
先ほどの居丈高な態度は、精一杯の虚勢だったらしい。
まさか気絶するほど嫌がられるとは、中々ショックだ。
判定を待ったがアウト。
女性の意識が戻らないので、俺はチェンジボタンを押した。
*
次に現れたのは、名も知らぬ中年男性。
高級スーツを着こなした、ロマンスグレーのイケオジ。
暫し見合ったがお互いに動く気なし。
それとなくチェンジボタンの説明をしたが、彼は無言で嫁と娘の写真を見せてきた。
妻帯者なら仕方がない。
またもや俺がチェンジボタンを押した。
*
地獄の合コンゲームは、もはやババ抜き状態。ずっと俺がババを持ち続けている。
こんな時に言うべきではないが、トイレに行きたくなってきた。これって途中退出は可能なのか?
部屋には監視カメラが付いている。
カメラに向かってトイレ休憩を申告するか迷っていたら、次の代表者が入室した。
アウクトルだ。
俺と看板を見比べる彼に近付き、問答無用でその顔を引き寄せた。
唇同士が触れた瞬間、ピンポーンと部屋に間抜けな音が響いた。
固まるアウクトルを置いて、俺はトイレへダッシュした。
彼には悪いが、男同士の状態で1回経験済みなんだ。今回も犬に舐められたと思って忘れてくれ!
サイコなの?
本気で彼の精神構造がわからない。
*
俺が唯一有効にしたスキルは、死亡後一定時間で蘇生するものだ。
正確には、体の時間を巻き戻す。
騎士時代に人質等様々な手段で俺の死を要求する輩が多かったので、連中を欺くために獲得したスキルだ。
彼はうまく俺を殺してくれたため、問題なく蘇生できた。
直ちに他のスキルをオンにして、体調を回復。
死ぬと括約筋が緩むがギリギリセーフ。これ以上の公開処刑は御免だ。
生き返った俺に参加者達は驚いていたが、相手がアウクトルだったので彼が何かしたと納得したようだ。
会場は「さすまお」一色だが、そいつ普通に俺を殺しただけだぞ。
*
第二のミッションが発表された。
第一のミッションのグループは解消され、今度は大きく2グループに参加者を分けた。
片方は今の会場で待機、もう片方は別フロアの会場へ移動。
今回俺とアウクトルは別グループだ。俺は移動するアウクトルの背を見送った。
各グループから代表者がランダム選出され、別室へ移動した代表者同士が指令をこなせば終了。
指令内容も、別室の様子も犯人しか知り得ない。
実行不可能であればメンバーチェンジ可能。
しかし最初のひと組が成功するまで延々繰り返される。
軍人は待機も任務のうちだが、参加者の多くは富裕層の一般人なので、状況が分からない中でひたすら待つというのは中々の拷問だ。
第一のミッションよりはマシかと思ったが、早速代表者に選ばれた俺は、部屋に着くなり白目を剥いて倒れたくなった。
【キスしないと出られない部屋】
分かりやすさ重視なのか、デカデカと室内に看板が掲げられている。
これ女王様ゲームの亜種じゃないか。
なんで合コンのゲームみたいなのが続くんだよ。
俺は合コンに行った事がないけど、知識だけはあるぞ。
スーツのおっさんだらけでこんな事しても全く盛り上がらないからな!
*
「随分ダイレクトな指令だな」
俺に続いて、黒髪赤目の男が入室した。
アウクトルではないーーディダートだ。金持ちそうだとは思っていたが、招待客だったらしい。高そうなスーツを着ている。
「ディダートも参加してたのか」
「こう見えて、ニギン・コーヒーの創業者一族なんだ」
「あのチェーン店か」
ニギン・コーヒーは、地球のシアトル系コーヒーチェーンに酷似している。
緑のセイレーンロゴを茶色にして、尾鰭を消したのがニギンロゴだ。
世界が違っても、文明レベルが近ければ同じようなものが生まれるのかと驚いた。
「君の驚きの経験値もバッチリ把握したよ」
「忘れてくれ……」
「いやぁ、無理だね。衝撃的過ぎた」
バーでやらかしてしまった以上の羞恥心だ。しかし彼は俺の友達候補。変に見栄を張って後に引けなくなるよりも、どんな形であれ最初に打ち明けてしまう方が良いのかもしれない。
切り替えた俺は、自分の手の甲にキスをした。
何も起こらない。
ディダートの笑い声が響く。
「ダメみたいだね。次はどうする?」
「人ごとじゃないだろ」
「ハイハイ。これは困ったな……」
「困ったと言うなら、お前も知恵を絞れ」
「普通にしちゃえばいいんじゃないか?」
「正気か?」
「中のことは外にはバレないんだろう? 誰が代表者かも同グループの人間にしかわからない。指示だって、先ほどの殺し合いに比べれば随分マイルドだ」
ディダートが一歩踏み出してきたので、俺は一歩下がった。
確かに一瞬で終わるが、彼は俺の友達候補なんだ。今後の友情に差し支える行為は避けたい。
迷わず俺はチェンジボタンを押した。
*
チェンジボタンを押した者が続投らしい。
ディダートは肩をすくめて退出した。
入れ替わりに入室したのは、俺と同年代の女性。指輪も腕輪も装着していない。
彼女は看板をチラ見すると、さっさと済ませるよう言い放った。
いや、無理だ。犯罪者の命令に従って、異性に性的な行為を強いるのは猛烈な抵抗がある。
彼女にチェンジボタンを押すよう伝えたら、逆ギレされた。ええー。
「私が良いと言っているのです! 早くなさい!」
女としてのプライドを傷つけてしまったようだ。
俺は体を屈めると、彼女の手を取った。騎士時代散々やったことなので、動作は非常に滑らかだ。
通常であれば手の甲に口元を近づけるだけだが、今回はキスを求められているので一瞬だけ接触した。
「お許しください。これが限界です」
そのままの姿勢で見上げ、ハンカチを差し出した。
彼女は真っ赤になって倒れた。
先ほどの居丈高な態度は、精一杯の虚勢だったらしい。
まさか気絶するほど嫌がられるとは、中々ショックだ。
判定を待ったがアウト。
女性の意識が戻らないので、俺はチェンジボタンを押した。
*
次に現れたのは、名も知らぬ中年男性。
高級スーツを着こなした、ロマンスグレーのイケオジ。
暫し見合ったがお互いに動く気なし。
それとなくチェンジボタンの説明をしたが、彼は無言で嫁と娘の写真を見せてきた。
妻帯者なら仕方がない。
またもや俺がチェンジボタンを押した。
*
地獄の合コンゲームは、もはやババ抜き状態。ずっと俺がババを持ち続けている。
こんな時に言うべきではないが、トイレに行きたくなってきた。これって途中退出は可能なのか?
部屋には監視カメラが付いている。
カメラに向かってトイレ休憩を申告するか迷っていたら、次の代表者が入室した。
アウクトルだ。
俺と看板を見比べる彼に近付き、問答無用でその顔を引き寄せた。
唇同士が触れた瞬間、ピンポーンと部屋に間抜けな音が響いた。
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