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謙信の苦悩
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アヤト君との初めてのデートから帰ってきた条太郎は異常に興奮していた。
何故か唇が腫れてて血が滲んでる。
ケンカ?
けどあのアヤト君が人を殴るなんて考えられねぇ。
しかも条太郎だぜ?
アヤト君をナンパした野郎とケンカしたのか?
にしても条太郎に傷を負わせるなんざスゲーイカれたヤツだ。
アイツがキレたらオレでも手に負えないからなぁ。
「おい!謙信!喜べ!お前もとうとうおじいちゃんになるぞ!」
「は?」
おじいちゃんって言った?
大学生のオレが?
おじいちゃん?
は?
「彩人が妊娠した」
彩人が妊娠?
「へぇーおめでとう!」
「おう!念願の赤ちゃんだぜ!」
「うん。で、誰が?」
え?
ちょっと…さっき彩人が…って…聞こえたんだけど…まさか…
「はぁ?聞いてなかったのかよ。彩人だって言ったじゃん!」
聞き間違いじゃなかった…
どうしよう…条太郎のヤツかなり強めに頭打ったか、暑さで頭殺られたか…どっちにしても脳に深刻なダメージを受けてるぞ。
救急車呼んでもいいよな。
いや、暴れるかもしれないから消防車、警察、自衛隊か?
とにかく一刻の猶予もねーぞ。
ピンポーン!
「条太郎、いる?」
あ、この声はアヤト君だ。
「っしゃ、ゴルアァー!」
物凄い地響きがして謙信の横を条太郎が駆け抜け、すぐさまドアを開いた。
どういうかけ声?
今からケンカすんのか?
愛しのアヤト君じゃねーのかよ?
「彩人!何?どうしたんだ?オレの顔、見たくなった?…キャー!」
キャー?
…弟ゴリラのこと、ちょっと可愛いと思った自分の目を抉り出したい。
「…違くないけどさ…条太郎の猫耳。オレが持って帰ろうとしてたから返しにきたんだ」
違くないって顔見たかったんだ…やっぱり可愛いなぁ、おい!
いやちょっと待て!!
猫耳?
今、猫耳っつった?
条太郎が屈むと彩人が少し背伸びをして頭に猫耳を着けた。
「ホラ、お兄さん見てください!ホワイトタイガーっすよ!」
「え?」
「にゃん!」
小首を傾げ、猫の手でポーズを取る条太郎に拍手を送る彩人。
「きゃー条太郎可愛いー!」
「彩人の方が可愛いだろ」
「むぅ…オレは可愛くない」
目の前で繰り広げられるイチャイチャ劇場に、頭を抱える謙信が膝をついた。
ダメだ…
コイツら完全にバカップルになってる。
元々条太郎はガキの頃からどうしようもない馬鹿だった。
そもそも溺れたきっかけも
「モササウルスを捕まえるんだー!」
って川に突っ込んでったらしいしよ…せめて海だろ。
…と、まぁ底無しの大馬鹿野郎だから仕方ない。
けどよ、アヤト君は昔から賢そうな顔してるじゃん。
こっち側の顔じゃねーんだわ。
なのに…何だよこのザマはよ。
このままだとオレにも伝染しそうで見てらんない。
オレがこの病に感染したらマジで洒落になんねーぞ!
早く逃げないと…
「ん?」
てか今気付いたけどアヤト君の口も少し腫れてねーか?
これってまさか…
「お前等の唇のケガって…チューした時に勢いあまって…」
「チュー!?は?何だよ?謙信のドスケべ変態!彩人はこんな野蛮人の言うこと聞いちゃダメだぞ!」
そこまで言われなきゃいけない?
今時、園児でもチューとかしてるだろ。
そもそもお前達は小学生の時、とっくに経験済でしょうが。
「彩人はもう一人だけの身体じゃねーんだからよ」
「え?何で?」
「だってオレ達…キ、キスしたんだぞ。だから彩人の腹の中にはもう赤ちゃんが…」
あーあ、言っちゃった。
この分だと真っ赤になったアヤト君とのラブラブコントがまた始まっちゃうぞ。
面白そうだからとりあえず見るけど。
「キスくらいで妊娠するわけないだろ。しかもガチッてなってちゃんとできなかったんだからさ」
「えっ!そうなのか?えー彩人妊娠してないのか?」
「そもそもオレは男だから妊娠はできないんだよ」
あーそっか…アヤト君、意外と冷静でしっかりしてんだね。
ちゃんと常識あってよかった。
あ、あとな条太郎、お前の子どもからみてオレは〝おじいちゃん〟じゃなくて〝伯父さん〟な。
泣き崩れる条太郎とそれを慰める彩人。
2人を見つめる謙信は落ち着いた彩人の対応と優しい眼差しに安心して目を潤ませた。
何故か唇が腫れてて血が滲んでる。
ケンカ?
けどあのアヤト君が人を殴るなんて考えられねぇ。
しかも条太郎だぜ?
アヤト君をナンパした野郎とケンカしたのか?
にしても条太郎に傷を負わせるなんざスゲーイカれたヤツだ。
アイツがキレたらオレでも手に負えないからなぁ。
「おい!謙信!喜べ!お前もとうとうおじいちゃんになるぞ!」
「は?」
おじいちゃんって言った?
大学生のオレが?
おじいちゃん?
は?
「彩人が妊娠した」
彩人が妊娠?
「へぇーおめでとう!」
「おう!念願の赤ちゃんだぜ!」
「うん。で、誰が?」
え?
ちょっと…さっき彩人が…って…聞こえたんだけど…まさか…
「はぁ?聞いてなかったのかよ。彩人だって言ったじゃん!」
聞き間違いじゃなかった…
どうしよう…条太郎のヤツかなり強めに頭打ったか、暑さで頭殺られたか…どっちにしても脳に深刻なダメージを受けてるぞ。
救急車呼んでもいいよな。
いや、暴れるかもしれないから消防車、警察、自衛隊か?
とにかく一刻の猶予もねーぞ。
ピンポーン!
「条太郎、いる?」
あ、この声はアヤト君だ。
「っしゃ、ゴルアァー!」
物凄い地響きがして謙信の横を条太郎が駆け抜け、すぐさまドアを開いた。
どういうかけ声?
今からケンカすんのか?
愛しのアヤト君じゃねーのかよ?
「彩人!何?どうしたんだ?オレの顔、見たくなった?…キャー!」
キャー?
…弟ゴリラのこと、ちょっと可愛いと思った自分の目を抉り出したい。
「…違くないけどさ…条太郎の猫耳。オレが持って帰ろうとしてたから返しにきたんだ」
違くないって顔見たかったんだ…やっぱり可愛いなぁ、おい!
いやちょっと待て!!
猫耳?
今、猫耳っつった?
条太郎が屈むと彩人が少し背伸びをして頭に猫耳を着けた。
「ホラ、お兄さん見てください!ホワイトタイガーっすよ!」
「え?」
「にゃん!」
小首を傾げ、猫の手でポーズを取る条太郎に拍手を送る彩人。
「きゃー条太郎可愛いー!」
「彩人の方が可愛いだろ」
「むぅ…オレは可愛くない」
目の前で繰り広げられるイチャイチャ劇場に、頭を抱える謙信が膝をついた。
ダメだ…
コイツら完全にバカップルになってる。
元々条太郎はガキの頃からどうしようもない馬鹿だった。
そもそも溺れたきっかけも
「モササウルスを捕まえるんだー!」
って川に突っ込んでったらしいしよ…せめて海だろ。
…と、まぁ底無しの大馬鹿野郎だから仕方ない。
けどよ、アヤト君は昔から賢そうな顔してるじゃん。
こっち側の顔じゃねーんだわ。
なのに…何だよこのザマはよ。
このままだとオレにも伝染しそうで見てらんない。
オレがこの病に感染したらマジで洒落になんねーぞ!
早く逃げないと…
「ん?」
てか今気付いたけどアヤト君の口も少し腫れてねーか?
これってまさか…
「お前等の唇のケガって…チューした時に勢いあまって…」
「チュー!?は?何だよ?謙信のドスケべ変態!彩人はこんな野蛮人の言うこと聞いちゃダメだぞ!」
そこまで言われなきゃいけない?
今時、園児でもチューとかしてるだろ。
そもそもお前達は小学生の時、とっくに経験済でしょうが。
「彩人はもう一人だけの身体じゃねーんだからよ」
「え?何で?」
「だってオレ達…キ、キスしたんだぞ。だから彩人の腹の中にはもう赤ちゃんが…」
あーあ、言っちゃった。
この分だと真っ赤になったアヤト君とのラブラブコントがまた始まっちゃうぞ。
面白そうだからとりあえず見るけど。
「キスくらいで妊娠するわけないだろ。しかもガチッてなってちゃんとできなかったんだからさ」
「えっ!そうなのか?えー彩人妊娠してないのか?」
「そもそもオレは男だから妊娠はできないんだよ」
あーそっか…アヤト君、意外と冷静でしっかりしてんだね。
ちゃんと常識あってよかった。
あ、あとな条太郎、お前の子どもからみてオレは〝おじいちゃん〟じゃなくて〝伯父さん〟な。
泣き崩れる条太郎とそれを慰める彩人。
2人を見つめる謙信は落ち着いた彩人の対応と優しい眼差しに安心して目を潤ませた。
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