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第1章 異世界に立つ
第八話
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「すいません、やっぱり帰って良いですか、メイリーちゃん」
「あらあら、この子は大丈夫よ。もう三百年も一緒にいるのですから」
三百年って、一体いくつなんだよメイリーちゃん。それにこの獣も三百歳かよ。
そう、婆さんの家に着き、敷地を囲う木の柵の門を開けると、俺を睨むかのような目つきの獣が居た。魔物なのだろうか。
その魔物の見た目は完全にチーターだった。大きな猫のような風貌、長い尻尾にしなやかな身体、豹柄の斑点の毛並みに、チーターのトレードマークである目から口元までのほうれい線のようなラインもある。まんま動物園で見たチーターだ。
だがサイズが違う。目の前のこいつはベンガルトラ並みの大きさだ。チーターのサイズは大型犬ぐらいだったはずなのだが、こいつは頭から尻までで優に3mはある。長い尻尾の先まで入れたら5m超えそうだ。大型の虎並みの迫力だし、背中にも乗れそうなサイズだ。
「タイガーちゃん、今日から新しくここに住むアキハルさんよ。仲良くしてね」
「タイガーちゃんはねえだろ……」
何故チーターにタイガーと名付けるのか。チーターは俺の顔をじっと見ると興味がなくなったかのように、家の敷地内に戻って行った。一応滞在許可は貰えたってことだろうか。
敷地内に入る。敷地は莫大な広さだった。パッと見で400mトラックぐらいあり、それを木の柵で囲んでいる。街の壁を見た後でなくても、この木の柵ではかなり頼りなく思える。
「婆さん、この辺に魔物はいないのか?」
婆さんは何でもないことのように答える。
「居るわよ」
「この柵で安全なのか?」
「うちにはタイガーちゃんがいるから」
「あー」
極大の納得感だ。確かにあのチーターとまともに戦える魔物はそうそう居ないだろう。きっと近づく魔物は、チーターが速攻殺しているか、その威圧感で寄せ付けないかのどちらかなのだろう。
「もうすぐお夕飯の時間よ。さあ、とりあえずお家に入りましょう」
敷地内の一番奥に、大きなログハウス風の建物が経っている。俺はリアカーを押して、しばらくの拠点にさせてもらえる家に向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おおおお!」
ログハウスはやはりデカかった。外観や造りはまんまログハウスだが、室内はシックでいながらゴージャスさも取り入れた美しい家だ。床にはじゅうたんが貼られ、壁には随所に絵が飾ってあり、天井には照明が取り付けられている。そう、照明だ。ランタンでもろうそくでもなく照明だ。
「これは?」
「魔道具よ。照明の魔法陣と魔石が入ってるのよ。この世界は魔道具を家具にしている文化なの」
「なるほど」
その設定もラノベで良くある。照明以外にもキッチン、コンロ、風呂、冷蔵庫など様々な魔道具があるらしい。これなら電気なんて要らねえな。家の大きさは、日本の感覚で言う所の8LDKらしく、そのうちの一室を俺用に、チーターと婆さんも自室を持っているらしい。魔物の癖に。
「ここが食堂よ。お夕飯を作ってくるからここで待っていてくださいね。あらあらあら、タイガーちゃんと仲良くね」
婆さんは俺を食堂に案内した。そこにはテーブルの近くにさっきのチーターが寝そべっていた。俺と婆さんが入ってくると、チーターはチラリとこちらを見たが、後は興味なさげにまた寝そべる。
「……、いきなりチーターと2人きりにするのはどうかと思うよ、メイリーちゃん……」
魔法も教えてくれる。この世界の情報もくれるらしい。この家も自分の家だと思って良いと言われた。だからって、間違いなく俺を秒で殺せる魔物と2人きりにさせるのはどうなのだろうか。そこまでの信頼、この場合は婆さんがチーターを信頼していると言うことだが、いわゆる魔物をそこまで信じて良いのですか?
「……、くそっ、上等だよ」
俺は意地を張り、最もチーターに近い椅子に座った。少し挑発するような顔で寝そべるチーターを見下ろすと、チーターはむくりと起き上がる。
デカい。椅子に座っていると、チーターのデカい顔が俺を見下ろしてくる。
「……、な、なんだよ」
怖いならやるなってのは最もな話だが、もうやってしまった。今更イモ引くことは出来ない。すると身体が浮き上がる感じがした。
「っ!なっ!」
俺の胴体にチーターの尻尾が巻き付き、俺を持ち上げている。どんだけ力があるんだ、これでも俺は175cmあるんだぞ?デブではないが尻尾で持ち上がる重さではない。
「てめっ!おい、待て……、冗談だろ。っうわああああああ!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!
チーターは俺を尻尾で持ち上げると、振りかぶってから、部屋の隅へと投げつけた。俺は床をゴロゴロと転がる。
「っ痛っぅぅぅぅ!」
痛い、身体のあちこちが痛い。だが、大怪我はしていないようだ。絨毯のせいだろうか。いや、チーターが気を遣ったのだろう。あの高さから真下に叩きつけられたら、死にはしなくても骨折くらいはしただろう。それに奴は俺を殺そうと思えば殺せるのだ、間違いなく手加減してる。俺がチーターを見ると、チーターはこちらを見もしないでまた寝そべっていた。
「ったまきた。、のやろぅ」
俺は何故だかわからないが意地になり、また同じ椅子に座ろうとした。椅子の背もたれに手をかけたところで、また浮遊感が襲う。
「うわっ!」
ドン!
足払いをされた。尻尾で足を払われ、俺は尻から落下する形になった。今度はかなり痛かった。尾骶骨を直撃したのだ。俺が痛みに床を転げ回っていると、フッと鼻で笑うような音がして、音の発生源に目線を向ける。
チーターはなんだか、馬鹿にしたように笑っている気がする。
「……、上等だよ。あんまインキャ舐めんなよ。インキャはキレたら何するかわからねえぞ」
俺は立ち上がって尻尾を思いっきり踏みつける。だが、俺のストンピングは余裕で避わされ、チーターはまた嘲笑うかのような顔をする。いや、魔物に感情なんてないだろう。そう俺が見てしまってるだけだ。
「このっ!このっ!」
尻尾を追いかけ、何度も踏みつける。その度に逃げる尻尾。
ガチャリ
部屋のドアが開く。チーターはくるっと振り返り、婆さんが入ってきたドアを見た。止まる尻尾。
ムギュ
『ギニャアアアア!!』
「あっ」
思いっきり踏んでしまった。チーターがゆっくりと起き上がる。明らかに怒っている。
「やめろ……、悪かった……、で、でもお前も投げただろ?おあいこだろ?」
だがチーターは止まらなかった。また尻尾で足払いをし、俺が床に倒れると、今度は前足を鳩尾に勢いよく降ろしてくる。
「ぐはっ!」
まだ止まらない。次は金的を踏み潰し、最後に顔を前足で踏んづけてきた。俺は痛みにもがこうとするも、胸と顔を踏んづけられているため、もがくことも出来ない。
「あらあら、遊んでもらっているの?」
「っ!ふざけんな!やめさせろ!」
『ンナウ!!』
婆さんは両手で持つお盆をテーブルに置く。
「さてお夕飯にしましょう。タイガーちゃん。降りてあげて」
婆さんに言われると、チーターはすぐに俺の上から降りた。俺は身体を確かめる。まだ股間などはかなり痛いが、骨折もなく玉もつぶれてないようだ。どうやら手加減はギリギリを狙えるほどプロらしい。
「……このチーターめ……」
俺が椅子に座ろうとすると、
「あらあら、なるほどね。アキハルさん、そこは私の席なの。多分タイガーちゃんはそれで怒ったのね」
どうやら席が決まっているらしい。でもそれならば、
「ちっ、それならそうと先に言えよ、クソチート野郎」
『ンナアアウ』
「あんなんでわかるか!口で言え!」
『ウナウ!』
「言えてんじゃねえ────、あれ?」
今俺は誰と会話した?
え?だって【翻訳】は動物に通じないんじゃ?
婆さんは、こぼれ落ちそうになるほど目を見開いている。チーターも何かに気づいたように目を見開いた。俺も冷静になる。俺は室内をキョロキョロとするが、他に誰も居ない。居るのは婆さんとチーターだけだ。ってことはさっきの言葉はこのチーターが話したことになる。俺はゆっくりとチーターを見る。
「まさか……」
「……アキハルさん、タイガーちゃんの言葉がわかるのね?」
「…………婆さんもわかるんだろ?」
婆さんはゆっくり首を横に振る。
「わからないわ。タイガーちゃんは私の言葉をわかってるみたいだけど、私にはタイガーちゃんの言葉はわからない……」
「マジか……」
つうことはやっと【翻訳】が仕事したってことか?何故突然?条件はなんだ?
するといきなりチーターに押しかかってこられた。チーターは俺を床に押し倒し、両肩に両前足を乗せて俺を見下ろしてくる。
『ンナ、ンナアアアウナウ!!』
「妾?ずいぶん偉そうだな」
『ンナアアアアア!!!』
「……、ああ、不本意ながらな……」
どうやら俺の【翻訳】は、間違いなく機能しているようだ。するとチーターは俺から降りて、伝言を頼むと言ってきた。
「あー、婆さん」
「……何かしら?」
「このクソ猫から伝言だ。親は名誉ある戦いに敗れただけだ、自分は気にしていない。それよりも三百年前のあの日、自分を拾ってくれてありがとう。メイリーには何度も迷惑をかけた。今までも、これからも感謝してるだとよ」
婆さんは肩を震わせながら静かに涙を零した。そしてチーターに抱きつき、子供のように謝りながらワンワンと泣き出した。チーターは尻尾で婆さんの頭を優しく撫でていた。
「あらあら、この子は大丈夫よ。もう三百年も一緒にいるのですから」
三百年って、一体いくつなんだよメイリーちゃん。それにこの獣も三百歳かよ。
そう、婆さんの家に着き、敷地を囲う木の柵の門を開けると、俺を睨むかのような目つきの獣が居た。魔物なのだろうか。
その魔物の見た目は完全にチーターだった。大きな猫のような風貌、長い尻尾にしなやかな身体、豹柄の斑点の毛並みに、チーターのトレードマークである目から口元までのほうれい線のようなラインもある。まんま動物園で見たチーターだ。
だがサイズが違う。目の前のこいつはベンガルトラ並みの大きさだ。チーターのサイズは大型犬ぐらいだったはずなのだが、こいつは頭から尻までで優に3mはある。長い尻尾の先まで入れたら5m超えそうだ。大型の虎並みの迫力だし、背中にも乗れそうなサイズだ。
「タイガーちゃん、今日から新しくここに住むアキハルさんよ。仲良くしてね」
「タイガーちゃんはねえだろ……」
何故チーターにタイガーと名付けるのか。チーターは俺の顔をじっと見ると興味がなくなったかのように、家の敷地内に戻って行った。一応滞在許可は貰えたってことだろうか。
敷地内に入る。敷地は莫大な広さだった。パッと見で400mトラックぐらいあり、それを木の柵で囲んでいる。街の壁を見た後でなくても、この木の柵ではかなり頼りなく思える。
「婆さん、この辺に魔物はいないのか?」
婆さんは何でもないことのように答える。
「居るわよ」
「この柵で安全なのか?」
「うちにはタイガーちゃんがいるから」
「あー」
極大の納得感だ。確かにあのチーターとまともに戦える魔物はそうそう居ないだろう。きっと近づく魔物は、チーターが速攻殺しているか、その威圧感で寄せ付けないかのどちらかなのだろう。
「もうすぐお夕飯の時間よ。さあ、とりあえずお家に入りましょう」
敷地内の一番奥に、大きなログハウス風の建物が経っている。俺はリアカーを押して、しばらくの拠点にさせてもらえる家に向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おおおお!」
ログハウスはやはりデカかった。外観や造りはまんまログハウスだが、室内はシックでいながらゴージャスさも取り入れた美しい家だ。床にはじゅうたんが貼られ、壁には随所に絵が飾ってあり、天井には照明が取り付けられている。そう、照明だ。ランタンでもろうそくでもなく照明だ。
「これは?」
「魔道具よ。照明の魔法陣と魔石が入ってるのよ。この世界は魔道具を家具にしている文化なの」
「なるほど」
その設定もラノベで良くある。照明以外にもキッチン、コンロ、風呂、冷蔵庫など様々な魔道具があるらしい。これなら電気なんて要らねえな。家の大きさは、日本の感覚で言う所の8LDKらしく、そのうちの一室を俺用に、チーターと婆さんも自室を持っているらしい。魔物の癖に。
「ここが食堂よ。お夕飯を作ってくるからここで待っていてくださいね。あらあらあら、タイガーちゃんと仲良くね」
婆さんは俺を食堂に案内した。そこにはテーブルの近くにさっきのチーターが寝そべっていた。俺と婆さんが入ってくると、チーターはチラリとこちらを見たが、後は興味なさげにまた寝そべる。
「……、いきなりチーターと2人きりにするのはどうかと思うよ、メイリーちゃん……」
魔法も教えてくれる。この世界の情報もくれるらしい。この家も自分の家だと思って良いと言われた。だからって、間違いなく俺を秒で殺せる魔物と2人きりにさせるのはどうなのだろうか。そこまでの信頼、この場合は婆さんがチーターを信頼していると言うことだが、いわゆる魔物をそこまで信じて良いのですか?
「……、くそっ、上等だよ」
俺は意地を張り、最もチーターに近い椅子に座った。少し挑発するような顔で寝そべるチーターを見下ろすと、チーターはむくりと起き上がる。
デカい。椅子に座っていると、チーターのデカい顔が俺を見下ろしてくる。
「……、な、なんだよ」
怖いならやるなってのは最もな話だが、もうやってしまった。今更イモ引くことは出来ない。すると身体が浮き上がる感じがした。
「っ!なっ!」
俺の胴体にチーターの尻尾が巻き付き、俺を持ち上げている。どんだけ力があるんだ、これでも俺は175cmあるんだぞ?デブではないが尻尾で持ち上がる重さではない。
「てめっ!おい、待て……、冗談だろ。っうわああああああ!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!
チーターは俺を尻尾で持ち上げると、振りかぶってから、部屋の隅へと投げつけた。俺は床をゴロゴロと転がる。
「っ痛っぅぅぅぅ!」
痛い、身体のあちこちが痛い。だが、大怪我はしていないようだ。絨毯のせいだろうか。いや、チーターが気を遣ったのだろう。あの高さから真下に叩きつけられたら、死にはしなくても骨折くらいはしただろう。それに奴は俺を殺そうと思えば殺せるのだ、間違いなく手加減してる。俺がチーターを見ると、チーターはこちらを見もしないでまた寝そべっていた。
「ったまきた。、のやろぅ」
俺は何故だかわからないが意地になり、また同じ椅子に座ろうとした。椅子の背もたれに手をかけたところで、また浮遊感が襲う。
「うわっ!」
ドン!
足払いをされた。尻尾で足を払われ、俺は尻から落下する形になった。今度はかなり痛かった。尾骶骨を直撃したのだ。俺が痛みに床を転げ回っていると、フッと鼻で笑うような音がして、音の発生源に目線を向ける。
チーターはなんだか、馬鹿にしたように笑っている気がする。
「……、上等だよ。あんまインキャ舐めんなよ。インキャはキレたら何するかわからねえぞ」
俺は立ち上がって尻尾を思いっきり踏みつける。だが、俺のストンピングは余裕で避わされ、チーターはまた嘲笑うかのような顔をする。いや、魔物に感情なんてないだろう。そう俺が見てしまってるだけだ。
「このっ!このっ!」
尻尾を追いかけ、何度も踏みつける。その度に逃げる尻尾。
ガチャリ
部屋のドアが開く。チーターはくるっと振り返り、婆さんが入ってきたドアを見た。止まる尻尾。
ムギュ
『ギニャアアアア!!』
「あっ」
思いっきり踏んでしまった。チーターがゆっくりと起き上がる。明らかに怒っている。
「やめろ……、悪かった……、で、でもお前も投げただろ?おあいこだろ?」
だがチーターは止まらなかった。また尻尾で足払いをし、俺が床に倒れると、今度は前足を鳩尾に勢いよく降ろしてくる。
「ぐはっ!」
まだ止まらない。次は金的を踏み潰し、最後に顔を前足で踏んづけてきた。俺は痛みにもがこうとするも、胸と顔を踏んづけられているため、もがくことも出来ない。
「あらあら、遊んでもらっているの?」
「っ!ふざけんな!やめさせろ!」
『ンナウ!!』
婆さんは両手で持つお盆をテーブルに置く。
「さてお夕飯にしましょう。タイガーちゃん。降りてあげて」
婆さんに言われると、チーターはすぐに俺の上から降りた。俺は身体を確かめる。まだ股間などはかなり痛いが、骨折もなく玉もつぶれてないようだ。どうやら手加減はギリギリを狙えるほどプロらしい。
「……このチーターめ……」
俺が椅子に座ろうとすると、
「あらあら、なるほどね。アキハルさん、そこは私の席なの。多分タイガーちゃんはそれで怒ったのね」
どうやら席が決まっているらしい。でもそれならば、
「ちっ、それならそうと先に言えよ、クソチート野郎」
『ンナアアウ』
「あんなんでわかるか!口で言え!」
『ウナウ!』
「言えてんじゃねえ────、あれ?」
今俺は誰と会話した?
え?だって【翻訳】は動物に通じないんじゃ?
婆さんは、こぼれ落ちそうになるほど目を見開いている。チーターも何かに気づいたように目を見開いた。俺も冷静になる。俺は室内をキョロキョロとするが、他に誰も居ない。居るのは婆さんとチーターだけだ。ってことはさっきの言葉はこのチーターが話したことになる。俺はゆっくりとチーターを見る。
「まさか……」
「……アキハルさん、タイガーちゃんの言葉がわかるのね?」
「…………婆さんもわかるんだろ?」
婆さんはゆっくり首を横に振る。
「わからないわ。タイガーちゃんは私の言葉をわかってるみたいだけど、私にはタイガーちゃんの言葉はわからない……」
「マジか……」
つうことはやっと【翻訳】が仕事したってことか?何故突然?条件はなんだ?
するといきなりチーターに押しかかってこられた。チーターは俺を床に押し倒し、両肩に両前足を乗せて俺を見下ろしてくる。
『ンナ、ンナアアアウナウ!!』
「妾?ずいぶん偉そうだな」
『ンナアアアアア!!!』
「……、ああ、不本意ながらな……」
どうやら俺の【翻訳】は、間違いなく機能しているようだ。するとチーターは俺から降りて、伝言を頼むと言ってきた。
「あー、婆さん」
「……何かしら?」
「このクソ猫から伝言だ。親は名誉ある戦いに敗れただけだ、自分は気にしていない。それよりも三百年前のあの日、自分を拾ってくれてありがとう。メイリーには何度も迷惑をかけた。今までも、これからも感謝してるだとよ」
婆さんは肩を震わせながら静かに涙を零した。そしてチーターに抱きつき、子供のように謝りながらワンワンと泣き出した。チーターは尻尾で婆さんの頭を優しく撫でていた。
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