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ガリウム公国へ
デート②
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(ルナ、聞いて)
口に出すではなく、ミゲルの言葉がルナの頭の中に流れ込んでくる。
(ルナ、僕の星ではね、恋愛が存在しないんだ。そういう文化…というか概念が無い。だから僕も今まで、誰かにそういう感情を持ったことはないんだ)
(星…)
ルナはその言葉を頭の中で反芻した。
ミゲルはこことは違う国から来たのではなく、違う星からやって来たのだと言う。
しかしそれは、いまだによく理解出来ない話だった。
もしかしたらやはりミゲルはどこかの国の王族とか貴族の貴公子で、何らかの理由で身分を明かせないのかもしれない。
そして、恋愛する文化がないというのは、いわゆる政略結婚で相手が決められてしまうからではないのだろうか。
かつて子爵令嬢だったディアナがイグナシオと婚約していたように。
あれこれ考えているルナに、ミゲルが話し続ける。
(でもね、ルナ。僕は、君と出会って、恋愛ってものを理解した。だって、ルナが悪夢にうなされていれば、胸が締め付けられるようにギュッとなって、抱きしめて、慰めたいと思う。君の笑顔を見れば嬉しくて、他の男に見せたくないって思う。この気持ちを、恋って言うんでしょう?今こうしてたって、僕はもっと君に触れたくて仕方がない)
ミゲルがそう言ってルナの手に重ねた手をキュッと握った。
「…ミゲル…」
(この星に来て、初めて会った人が君で本当に良かった。例え仲間が迎えに来たとしても、僕はもう君から離れないよ。ここに残るか、もしくは君も一緒に連れて行く)
ミゲルの真摯な眼差しに、ルナの胸もギュッと締め付けられた。
いつも優しさとあたたかさでルナを包んでくれるミゲル。
長年の婚約者とだって、こんなあたたかな時間は皆無だった。
「僕は、本当にルナが好きだよ。ルナは、僕が嫌い?」
今度は口に出して、ミゲルがそうたずねた。
「まさか…っ!」
ルナも声に出して、思い切り否定する。
だって、ミゲルを嫌いだなんてことは有り得ないから。
「好き、大好きよ、でも…」
「僕の言葉が、信じられない?」
ミゲルは、ルナが肉親や婚約者に裏切られたことを知っている。
いつ自分も魔女狩りにあうかという恐怖から、人間不信気味なことも理解している。
でも、そうではない。
ルナはミゲルが信じられないわけではないのだ。
むしろ、ミゲルの言葉は誰よりも信じられると思っている。
「僕は、君の気持ちを読み取ることができる。でも、そうはしたくないんだ。だから君の言葉で、僕の気持ちを受け入れてくれるか拒否するか答えて」
ミゲルはルナの心の声を読まないと言ったけど、でも、重ねられた手から、ミゲルの気持ちが流れ込んでくる。
それは口に出したら恥ずかしい程の、溢れんばかりの愛の言葉だった。
「ミゲル…」
非の打ち所がない程の容姿を持つ彼が、今にも泣きそうに顔を歪ませ、不安そうにルナを見つめている。
(もう、あれこれ悩むのはやめよう)
ルナは、ミゲルの手をキュッと握り返した。
やはり自分に自信はないけれど、それでも、こんな自分をミゲルは好きだと言ってくれるのだ。
この先素敵な女性が現れてミゲルの気持ちが冷めたとしても、その時はその時だ。
きっと誠実な彼なら、ルナを酷く裏切ったりはしないだろう。
それよりも、今は彼の真摯な気持ちに応えたいと思う。
それに、あれこれ否定の言葉を並べてようとしても、やっぱりルナも、彼が好きだ。
恋人設定を解消しようと提案したのも、これ以上彼に惹かれる気持ちに歯止めをかけたいと思ったから。
(でも今は、自分の気持ちに素直になりたい)
もし彼が自分の世界に戻ることになって1人になったとしても、幸せな思い出を胸に生きていけるように。
「ありがとうミゲル、私を好きになってくれて。私もあなたが好きよ。私も…、あなたの本当の恋人になりたい」
「ルナ!」
ミゲルは人目もはばからずルナに抱きつこうとした。
しかしここはレストランで、2人の間にはテーブルがある。
「ルナ!出よう!」
ミゲルはルナの手を引いてレストランを出た。
そして、通りに出るなり彼女を抱きしめた。
「ルナ、本当だよね?本当に君も僕が好きなんだよね?」
「もちろん本当よ。大好きよ、ミゲル」
「ありがとう、ルナ!すごく嬉しい!」
「私も。よろしくね、ミゲル」
「うん!僕たち本当の恋人同士だね!」
上機嫌のミゲルはルナをふわりと抱き上げ、そのままくるくると回り出した。
「ちょっとミゲル!危ないわ!」
「僕がルナを落とすわけないでしょう?」
「もう、ミゲルったら…」
道ゆく人たちが皆2人を見ている。
嬉しさと恥ずかしさで居た堪れなくなったルナは、くるくると周り続けるミゲルの首元に顔を埋めた。
そんなルナの仕草も可愛くて、ミゲルはいっそう調子に乗るのだった。
口に出すではなく、ミゲルの言葉がルナの頭の中に流れ込んでくる。
(ルナ、僕の星ではね、恋愛が存在しないんだ。そういう文化…というか概念が無い。だから僕も今まで、誰かにそういう感情を持ったことはないんだ)
(星…)
ルナはその言葉を頭の中で反芻した。
ミゲルはこことは違う国から来たのではなく、違う星からやって来たのだと言う。
しかしそれは、いまだによく理解出来ない話だった。
もしかしたらやはりミゲルはどこかの国の王族とか貴族の貴公子で、何らかの理由で身分を明かせないのかもしれない。
そして、恋愛する文化がないというのは、いわゆる政略結婚で相手が決められてしまうからではないのだろうか。
かつて子爵令嬢だったディアナがイグナシオと婚約していたように。
あれこれ考えているルナに、ミゲルが話し続ける。
(でもね、ルナ。僕は、君と出会って、恋愛ってものを理解した。だって、ルナが悪夢にうなされていれば、胸が締め付けられるようにギュッとなって、抱きしめて、慰めたいと思う。君の笑顔を見れば嬉しくて、他の男に見せたくないって思う。この気持ちを、恋って言うんでしょう?今こうしてたって、僕はもっと君に触れたくて仕方がない)
ミゲルがそう言ってルナの手に重ねた手をキュッと握った。
「…ミゲル…」
(この星に来て、初めて会った人が君で本当に良かった。例え仲間が迎えに来たとしても、僕はもう君から離れないよ。ここに残るか、もしくは君も一緒に連れて行く)
ミゲルの真摯な眼差しに、ルナの胸もギュッと締め付けられた。
いつも優しさとあたたかさでルナを包んでくれるミゲル。
長年の婚約者とだって、こんなあたたかな時間は皆無だった。
「僕は、本当にルナが好きだよ。ルナは、僕が嫌い?」
今度は口に出して、ミゲルがそうたずねた。
「まさか…っ!」
ルナも声に出して、思い切り否定する。
だって、ミゲルを嫌いだなんてことは有り得ないから。
「好き、大好きよ、でも…」
「僕の言葉が、信じられない?」
ミゲルは、ルナが肉親や婚約者に裏切られたことを知っている。
いつ自分も魔女狩りにあうかという恐怖から、人間不信気味なことも理解している。
でも、そうではない。
ルナはミゲルが信じられないわけではないのだ。
むしろ、ミゲルの言葉は誰よりも信じられると思っている。
「僕は、君の気持ちを読み取ることができる。でも、そうはしたくないんだ。だから君の言葉で、僕の気持ちを受け入れてくれるか拒否するか答えて」
ミゲルはルナの心の声を読まないと言ったけど、でも、重ねられた手から、ミゲルの気持ちが流れ込んでくる。
それは口に出したら恥ずかしい程の、溢れんばかりの愛の言葉だった。
「ミゲル…」
非の打ち所がない程の容姿を持つ彼が、今にも泣きそうに顔を歪ませ、不安そうにルナを見つめている。
(もう、あれこれ悩むのはやめよう)
ルナは、ミゲルの手をキュッと握り返した。
やはり自分に自信はないけれど、それでも、こんな自分をミゲルは好きだと言ってくれるのだ。
この先素敵な女性が現れてミゲルの気持ちが冷めたとしても、その時はその時だ。
きっと誠実な彼なら、ルナを酷く裏切ったりはしないだろう。
それよりも、今は彼の真摯な気持ちに応えたいと思う。
それに、あれこれ否定の言葉を並べてようとしても、やっぱりルナも、彼が好きだ。
恋人設定を解消しようと提案したのも、これ以上彼に惹かれる気持ちに歯止めをかけたいと思ったから。
(でも今は、自分の気持ちに素直になりたい)
もし彼が自分の世界に戻ることになって1人になったとしても、幸せな思い出を胸に生きていけるように。
「ありがとうミゲル、私を好きになってくれて。私もあなたが好きよ。私も…、あなたの本当の恋人になりたい」
「ルナ!」
ミゲルは人目もはばからずルナに抱きつこうとした。
しかしここはレストランで、2人の間にはテーブルがある。
「ルナ!出よう!」
ミゲルはルナの手を引いてレストランを出た。
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「うん!僕たち本当の恋人同士だね!」
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「ちょっとミゲル!危ないわ!」
「僕がルナを落とすわけないでしょう?」
「もう、ミゲルったら…」
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そんなルナの仕草も可愛くて、ミゲルはいっそう調子に乗るのだった。
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