神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

ぐるぐる

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始まり〜シイ村

勉強が必要です

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私は彼を招き入れて、彼にもアールグレイを淹れた。

カップにお茶が注がれている間に、彼は家の周りに結界を張った。

入室する時に、なんと彼は、私と同じ背の高さに魔法で縮んでくれたのだ。

私サイズの家だから彼からしたら玄関も小さい家具も小さい、天井も低いので、家に入る前のサイズだと絶対うっかり体をどこかにぶつけていただろう。

私のサイズに合わせてくれるなんて、彼は紳士だ!
彼曰く、親密度を上げるには同じ仕草をしたり似た体型や容姿にすると良いのだと。
経験談だ。

というわけで、私と同じ背丈の人型ドラゴンどお茶会だ。

彼はこの世界の主のような存在。
今までこの世界で1番神に近いといわれていた。
私が来るまでは。

知能と魔力がめちゃんこ高いドラゴン。
たくさんの国の栄枯盛衰を見てきたんだって。
一部の地域では神とも称されているそうで。

エンシェントドラゴン

古代のドラゴンだ。

異世界で1番に出会った誰か。
それがドラゴンだなんて。

異世界あるあるだねー

昨日私がこの世界に落とされた瞬間、遠く離れた場所でも感知できるほどの膨大な魔力を感じたのだと。
その魔力に世界中の魔獣魔物、家畜も恐怖でフリーズ。
一般人も老若男女問わず寝込んだ。
魔力量の多い人達がやっとの思いで原因を突き止めるべく動いたのだが、辛うじて歩ける程度で、探索の旅には出られない状態。

このままだと人類が滅亡してしまいそうだと彼は思った。
そして動けそうなのが自分だけだと察して、こうしてやってきたのだというわけだ。

彼が張った結界で私の魔力を外界から遮断することで、一時的に世界を元の状態に戻したんだって。

ほんとすみません。

いや、その辺の説明もなく転送した神が悪いと思います!

「体内の魔力を感じることはできるか?」

「うん、多分。魔法を使ったときに体内の何かが動いた気がしたよ」

「それが魔力だ」

魔力で合ってた。

「その魔力をしっかり感じ取り、胸の奥か、腹の底に押し込めるイメージで、漏れ出ている魔力を止めるんだ」

胸の奥か、腹の底。
好みでいいらしい。
ほとんどの人は腹の底らしい。
丹田って場所なのかな?
私もきっとそこがイメージし易いかも。

目を閉じてイメージしてみる。
血流と同じように体内を巡る魔力。
腹に渦巻いて、腹の底へ押し込める。

漏れ出てくるな
漏れ出てくるな
漏れ出てくるな

呪文のように3回同じ言葉を心の中で繰り返した。

「それでいい」

「え!できた?」

「ああ、我も信じられないが、うまく出来ているぞ。
 普通なら筋のあるやつでも数日はかかる。
 筋のないやつは数ヶ月かかるから、長く付き合う気でおったのだがな」

うまく出来た感触はないけど出来たらしい。

「いつでも魔力を感知するようにしなさい。
 自分の魔力、他人の魔力、自分の周りの魔素を感じなさい」

「魔素?」

「そうだ。魔素は酸素と同じように大気中や植物、生き物などにある物だ。
 生き物は魔素を体内に取り込んで魔力にするのだ。
 ちなみにシイの体は魔素100%だ」

ふーん

・・・・・・

え?

体が魔素100%って何?

「水分とか脂肪とか、どこいっちゃいました?」

「神にきけ。シイの体は人間ではない。
 シイは、体が魔素で出来ている妖精だ」

カラダガマソデデキテイル

なぜだ・・・・・・

「神の娯楽と何か関連は?」

ドラゴンが困惑している私に助け舟を出してくれている。

神の娯楽・・・・・・

ひとりで考えても埒があかないと思って、早々に私がこの異世界に転生したワケを全て包み隠さずに伝えてみた。

「恐らくだが、3つの願い事の所為だろう。
 睡眠、飲食の要らない体にすることが、体を魔素にする必要があったんだろう。
 筋肉や血液などで構成されている生き物の体は、栄養摂取しないと生命を維持できないからな。
 睡眠も同じだ。
 睡眠が要らないってことは、疲労や体調不良を治すための体の休息時間が要らない、つまり、疲労や体調不良が起こらないってことだ」

「へー」

うーん、やらかしちゃったらしい・・・・・・

ていうかー!
全然説明なかった!!!!
神殿に行って神と会話出来たら速攻でクレームだな。

「因みに、我の体もシイと同じだ。
 擬似的に血液や肉体があるが見掛けだけで、全て魔素だ。
 魔素を取り込めば食事は不要だ。
 だが、睡眠は必要だから、その辺りがシイのほうが格上なのだろうな」

私の3つのお願い事が最強の体を作っていたなんて。
最強になりたかったわけじゃないのだよ。
何かに怯え、何かに殺されたくないと思っただけなんだよ・・・・・・
 
夢だと思い込んですぐに現実だと理解しなかった自分の愚かさよ。

お茶菓子は苺のショートケーキ。
ホールで。
ひとり1ホール出して、切り分けたりせずにそのままをフォークで食べていく。

その美味しさにドラゴンは涎をこぼしてたよ。

私もこんな贅沢初めて。

ホールケーキを食べ終えて、現実逃避は終わった。

「何も心配することはない。
 しばらくシイの傍にいて必要なことを教えるからな。
 この家に我の寝床を作ってくれ」

いきなり同居!?

「報酬は異世界の美味しい食べ物、飲み物で良いぞ」

うわあ異世界あるあるだ。

地球の食べ物に興味が沸いて付き纏う異世界の生き物たち。

エンシェントドラゴン・・・・・・お前もか
  

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