神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

ぐるぐる

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始まり〜シイ村

神様のいじわる

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彼は自分の飲み物を持っているようだったので、私たちは魔法で大きめマグに紅茶をふたつ。
もちろんアールグレイで。
因みにマグを出したら繋がってた手が離れたよ。

「改めまして、転生者のシイです。よろしく。
 エンはこの世界のドラゴンです。
 87才でぽっくり逝った私が、神々の娯楽とやらに巻き込まれて強制異世界転生させられたひとりです。
 夢の世界で神と会話をしたらとんでもない能力の妖精になってしまいました」

「本当に妖精とドラゴン・・・・・・よろしくね!
 僕は79才であの世を去った異世界好きの佐藤蒼馬、日本人名そのままだよ。
 そうか、訳がわからないままスキルを決めてこちらに落ちたんだね。
 僕はまあ、夢かもしれないけどちゃんと考えてスキルを決めたよ。
 鑑定とアイテムボックス、異世界あるあるだね。
 あとひとつは、図書館というスキルなんだけど、地球と異世界の書物がいつでもどこでも読めるんだ。僕限定だけど」

「へーすごい!」

「君の方がすごいよ。魔法でソファも飲み物も簡単に出してしまうなんて」

「ふふ。私も異世界好きなんだけど、異世界転生は望んでいなかったの。
 本当に夢だと思ってて、願い事3つ言ったら、その能力だと神か妖精でって言われて、妖精にしたの」

「あれ?願い事3つ?僕はスキル3つって言われたよ?」

え、どういうこと?

「あ、担当の神が違うから、その辺りも違くなるのかな?」

「まさか・・・・・・」

願い事とスキルって、全然違いすぎる!
どーなってるんだろ?

「まぁ、娯楽ですからね、神々のお考えはわかりません。
 私、魔力無限大なんですよ。それって、不老になっちゃうみたいで。なんかもう、ゲーム終わってますよね」

「もうあなたが優勝で間違い無いでしょうね。
 僕は普通の人間なので、長くても100年。
 今25才なので、あと75年くらい楽しく生きていけたらと思うよ」

早くゲームから抜け出すには寿命が短い種に。
さらには生存能力が低い者になれば良かったんだ。
夢だと思ってふざけてしまった結果が不老。
長い人生を思うとちょっと心が無になるわぁ

「私、転生失敗したわ」

「まぁまぁまぁ、不老ではあっても不死ではないので、その時が来ても悔いが残らないように存分に異世界を楽しみましょう」

ソーマは落ち込む私を明るい声で励ましてくれた。
するとエンが私を覗き込んできた。

「心配するな、シイ。長い人生、共に行こうぞ」

エンのイケメン笑顔を間近でいただきました。
しばらく私に付き合ってくれるって!

「それにな、ソーマ。
 シイは元人間だが根っからの妖精だ。
 常に自由で思うままに全力で生きている。
 やることなすこと全てが面白い。
 それは本人も楽しんでいるということだ」

「・・・・・・根っからの妖精ってなに?」

「聞いていいかどうかわからないけど、差し支えなかったら、どういう願い事をしたのか教えて?」

そうだった、彼のスキルは聞いといて、私の方は教えてなかった。

誰に教えても問題ない。
いつ死んでもいいし!ちょっとヤケクソ。

「えっと、まずは睡眠と食事がいらない体。
 次が、魔力無限大と創造魔法のセット。
 3つ目は、奴隷にならない体」

「わぁ、見事に妖精だね」

「あの神様、夢だと思って好き勝手願いを言ってみてくださいって感じで、早く願い事言えって急かしてきたんですよ。急かされなかったら良く考えることができたかもしれないのに!」

そんでもって体が魔素100%にだってならなかったよね。
前世人間の私には、人間でなくなった自分がちょっと気持ち悪い。

あの転生前の神との会話だってきっと神々の娯楽のうちだったんだよね。
会話した神様は笑ってなかったけど、私と神様のやりとりを見て他の神々はきっと笑ってただろうな。

んー、もう少し詳細な説明を逐一して欲しかったなー!



聞きたいことがたくさんあって、私たちはその後も色々お話をした。
ソーマは私を警戒することなく質問に答えてくれて、私も隠すことなく質問に答えた。
会話が盛り上がって、そこで一緒に一泊することになった。
といっても寝る必要がないし、そんな寒くないので、風邪よけ程度のテントを張って、ソファベッドに寝そべるだけ。

お近づきのしるしに、明日の朝食はソーマの食べたいメニューをご馳走することを約束した。

肉厚のアジ、キノコが入った味噌汁、お新香、たくあん、梅干し、魚沼産コシヒカリ、みかん

畳も出してあげようかな。

あと緑茶も。

喜んでもらえるといいなぁ
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