神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

ぐるぐる

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始まり〜シイ村

今から私が主だ

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出てきたお頭は、毛皮を身に纏っていかにも盗賊っていう格好をしていた。
毛皮の柄が、鬼のパンツっぽかった。

「お前達の命は私がもらった」

「なんだお前は?丁度良い。おもちゃにしてやろう」

盗賊のお頭、赤い髪のマルコはエンの魔力にも動じず、近寄ってきた。

「ほう、魔力が足りないようだ。倍にしてやろう」

屈服させたいので魔力を倍にするようにエンに指示。
焚き火の方に集まっていた人たちがバッタバッタと倒れている中、マルコはやっと両膝をついた。
顔も死にそうだった。

すぐに魔力放出を止めて、倒れた人たちをケアする魔法をかけた。頑張って起きてくれ。話を聞いて欲しいんだ。

「今から私がお前らの主だ。わかったな?」

マルコの歯がカチカチいって返事ができそうもない。
エンが尻尾を地面に叩きつけると、体が飛び跳ねた。
猫はイライラしてる時だけ尻尾を振るんだぞ?

「マルコ、わかったか?」

もう一度きくと、壊れたおもちゃのように不規則に首を縦に振った。
体が震えちゃっているが、お漏らしはしてなかった。

「お前達をとって食おうというわけではない。
 皆を起こせ。話をしよう」

待っている間に集落に建物を作ろうと思う。
彼ら28人の部屋、集会室、倉庫、客間、予備の部屋、食堂、キッチン、パントリー、浴場、洗濯場、なんかの作業室、家畜小屋。あ、トイレ。
屋上に上がれるようにして、見張り台を兼ねよう。
商売も始めるかも知れない、馬車が通れる広さにしなくちゃね。
家族が増えるかも知れないから、家族用の広い部屋も考えなきゃ。

一階10部屋くらいで三階建を作り、くの字になるようにもうひと棟をファミリー用に一階6部屋くらいで三階建を作った。
それと対になるような位置に同じ棟を建てた。

なかなかイメージするのが大変で、何度か改造しながらで、くの字の角を集会室や倉庫、洗濯場などにしてみた。
さらにテラスを作って、外で集会や祭りやる時に代表が立つ場所にも使えるようにした。

起きだした人達がそれを見てまたフリーズしている。

「今から私がお前らの主だ。
 力の差は十分にわかっているはずだ。よいな?
 私は妖精のシイ。
 この集落を村にする。
 テントを片付け、あちらのひとり用の部屋で寝泊まりしなさい。
 あちらはファミリー向けの部屋だ。
 風呂もあるぞ。
 料理は得意な者がいればその者にさせろ。
 空いてる土地の端で畑をやっても良い。
 狩りが得意な者は冒険者となり、家事が得意な者は村で家事を。
 できる者が出来ることをやれ。
 盗賊から足を洗い、村人として生きていけ」

静かな広場に私の声がよく通った。
ぽかんとしている者が多いのは仕方がない。
目まぐるしく変化する現実に追いついてこれないよね。

「無理だ」

恐れ多くも意見してきたのはマルコだった。

「ああ?」

ドスを効かせて睨みつけた。

「盗賊の俺らがただの村人になれるわけがない」

「やる前からできないと決めつけるな。
 ヒトとして生まれたなら、ヒトとして生きろ。
 盗賊はヒトではない。畜生だ。虫ケラ以下だ。
 これまでの罪を償いながら、ヒトとしての幸せを探せ。
 お前達はヒトだ」

「虫ケラ……ヒト……」

「面白おかしく生きていこうぞ。
 これからのことは明日また話し合う。
 今夜はテントを片付け、新居に移るが良い」

解散!
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