神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

始まり〜シイ村

熱心なお祈り？

ちょちょちょちょちょ！
一体何があったの？
誰？どんな人がどこでどんな風に亡くなったの？
ソーマじゃないよね！？

『落ち着いてください！
　ソーマさんではありません！
　ええーと、詳細については、ご自身で情報を得てください。
　簡単に教えちゃったら面白くないですからね』

あれー？なんかケチ臭くなってませんか？
あらー？なんか匂いませんか？

『ちょっとやめてください。
　匂いませんから！』

まあいいわ！
そんなことより、なんでちゃんと説明してくれなかったのよ！
私の体が魔素100％ってどういうこと！？
体が、体じゃないよね？
こんなの体って言わないよ？

『シイさんの望みを叶えるにはそうするしかなかったんです。
　因みにですけど、体が魔素ってことは、疲れもしないし、状態異常には決してなりませんよ！』

そんなことは望んでなかった！
お酒に酔うこともできないじゃん！
体が魔素100％になるなら別の願いを考えてたよ！

『それはすみませんでした。
　でも過去には戻れませんから。
　あ、魔法でわざと酔うこともできますよ』

うっわー！
全然反省してない！謝罪の心が入ってない！

『それより！そうです！説明忘れてました！』

はあ！？
さっきから私がそれ言ってるんですけど！？

『シイさんの創造魔法で出来ない魔法があります。
　まず、死んだものを生き還らすことはできません。
　フラットライン･･････除細動のうちでしたら蘇生する魔法が効きますが、時間が経ってしまったものは蘇生できません。
　それと、物質の時間の逆行や進行は可能ですが、生命に関わる時間の操作はできません』

･･････なるほど。
死者蘇生不可、生命に関わる時間の操作不可、か。

生命に関わる時間の操作って･･････例えば10分前に戻れない、10分先に進めないってこと？

『そうです。世界の時間を止めることはできますが、死者蘇生不可に抵触してしまったりしますから、時間を前後に動かすことはできません』

えっと、じゃー、怪我を治したりするのは？

『大丈夫ですよ、できます。
　異常回復や損傷回復は生命に大きく作用しませんから。
　ただ出来ないことがあるということを覚えていてくだされば大丈夫です。
　創造魔法を使って死者蘇生をしようとしても、魔法が発動しないようになっていますから。
　うっかり魔法を使ってしまったとしても、ペナルティありません』

なるほど。
出来ないものは発動しない、か。

『ではそろそろ』

え！
まだ質問があるんですけど！

魔素100%の体の死亡条件はなによ？

『あー、そうですね、魔素がなくなった時でしょうか』

でしょうか、ってナンスカ。
あなたが作った体でしょう？

『そこのエンシェントドラゴンには生まれ持った核があるから、核を破壊されると死にますが、シイさんには核がありません。
　純粋な！魔素100%です！』

果汁100%みたいに言わないでよ。

魔素がなくなったら死ぬ？
首を切ったらどーなるのよ？

『首を落としても手を落としても、たとえ体が激しく損傷してしまったとしても、魔素があれば再構築されます。
　切り離された体の一部は大気中に魔素として霧散します』



は？




私の脳内で繰り広げられている神との会話は、誰も知るものはいない。
私の前方にいるのは遠くに控えている神官のみ。
彼らにだけは、私が祈りながら百面相しているのが見えて、どんだけ深い悩みがあるのかと、すっごく心配されていたことを後になって知った私でした。