神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります

ぐるぐる

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始まり〜シイ村

ソーマとの再会

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私は買い物するのをすっごく楽しみにしていた。
またソーマに再会できることがわかってたから。
この街のお店を制覇するつもりではあったけれど、食事中に行きたいお店に目星をつけておこうかと、マップと鑑定の魔法を使っていて、その時にソーマを見つけた。

何も言わずにお別れして約1週間。
彼は露店営業していて、鑑定によりたくさんの人に囲まれてるのがわかったから、結構繁盛しているみたい。
この通りをまっすぐ行けばソーマがいる。

リヤカーに乗り込んで、人間がへにゃるクッション特大を出してべちゃっと座った。
気になるお店があったらリヤカーを止めてゆっくり買い物。
お金は神殿に寄付しても遊んで暮らせるくらいたくさんあるから、気になったものは端から全部買った。
村人へのお土産にしても良いよね。

あれ、あの子。

ボロ切れのような服を着た男の子が、両手ですっぽり収まるくらい少ないパンクズを持って横切ったのが目に入った。
そちらを見ると家と家の狭い隙間に身を寄せ合っている身なりの汚い幼子たちが見えた。
鑑定すると、孤児だった。
住まいはあの奥のガラクタ。
神殿と街がそれぞれ運営している孤児院が2軒あるけど、収容されていない子もいるのか。
施設が定員オーバーなのか、それともどちらかが何らかの理由で拒否して入所しないのか。


ウェルフェア


前世の言葉を思い出した。
どんな意味だったかもう忘れちゃったけど、幼児教育を勉強したときに覚えた言葉だったかな。
子どものウェルフェアとはなんぞやって勉強したんだっけ?

マルコにリヤカーを止めさせて、しゃがんで笑顔を作って待機を命じた。
私は昼食の残り物をお皿にのせて彼らに近づいた。

「こんにちは。これあげる」

猫獣人が近づいてきて警戒しているけど、私の尻尾に視線が釘付けだった。
わざと左右にゆっくり揺らすと面白い。
視線が尻尾を追って左右に動いていた。
君たちの方こそニャンコだよ。

「私、近くの村から来たの。
 大人の男の人しかいない村だから、子ども達が来てくれたら賑やかで楽しい村になるだろうな。
 子どもならすぐに村人の一員になって、あったかいおうちに、あったかいご飯がもらえるよ。
 私たちについてきたら村に行けるよ」

お皿を渡しながら独り言のように言い捨てて、ゆっくりその場を去った。。
無理に誘ったりはしない。
誘拐だって言われたら困るから、自発的に来てもらわないとね。

「マルコ、抱っこ」

自分たちと同じくらい小さな子どもが、体の大きな大人に懐いているところを見せて、村人は安全で安心できる人物であると思わせるんだ。

にこっと笑って手を振り、その場を去った。
何回か声を掛けてみようかな。

マルコに抱っこされたまま進むと、ソーマが見えてきた!
客足がだいぶ引いてゆっくり会話できそうな雰囲気だった。

「ソーマ!」

「シイ!!!」

手を振って声を掛けるとすぐに気づいてくれた。

「心配したんだよ!何も言わずに家ごと居なくなってたから。
 無事で、元気そうで良かったー!」

「ごめんね。あの日は夜に急用ができてさ、慌ててたからメモも残さず行っちゃって、ごめん。
 ソーマも無事に街に着いてて良かった!」

「そっか、良いよ。急用ならしょうがないよ。
 無事ならそれで良い」

元おじいちゃんだからか、笑顔がふんわり優しいなぁ

「ふふふ。お話たくさんしたいんだけど、良いかな?」

「もちろん!どこ行こうか」

「ここで良いよ。お仕事しながらで。
 何を売ってるの?あ、これ」

露店をみると私が渡したインスタント食品だった。
インスタントのラーメン、魔力回復に魔素スープ。
早速売ってるんだ!

「そう、シイからもらった物を主に冒険者達に売ってるんだ。
 一般の方も時々買いに来るようになったよ。
 お湯入れるだけだからね。
 こっちのラーメンも魔力回復スープとして売ってるんだ。
 栄養はないけど体が温まるし、このサイズは異世界では満腹にはならないから、売っても心配ないと思ったんだ。
 ちょうどこの時間は客が少ないからここでも良いよ。
 さ、お連れの方も端っこにどうぞ」

「うん、ありがとう。
 よく考えてあるね、安心したよ」

私は魔法でいつものソファを出して座った。

マルコ達は元盗賊で、恐怖で押さえつけて自分の配下にしたこと。
シイ村を興したことをさらっと説明して、マルコ達を紹介した。

ソーマとマルコ達が挨拶を交わした後、またお小遣いを渡して、自由時間を与えたのだけれど、何故か交代で誰かひとりは私のそばに控えるつもりらしい。
ならば、と、人間がダメになるクッション特大を出してあげた。
そのダメクッションの感触に驚き、そしてへにゃった。
護衛のつもりで側にいるつもりなら護衛失格やで!
ほんと何で彼らはこんなに過保護なんだろうか。

「へぇそんなことがあったのか。
 この街にいればシイの安否がわかるかと思って、しばらく商売しながら待ってたんだよ。
 そっかー。そしたら次の街へ行く前に村に一度遊びに行ってもいいかな?」

「もちろんだよ!特に何もない村だけど。
 あ、すいとんを教えたから食べられるよ!
 気を遣わせちゃってごめんね。
 お詫びに村に来たら手厚くおもてなしする賓客のリストに名前入れておくから!」

「ありがとう。
 すいとんなんて昔、小学校の給食で出たよね。
 家庭では出なかったな」

「給食で出たね!
 お陰で早い安い旨い料理が作れて良かったよ。
 お米炊くの時間かかるし、うどんだって麺にするまで時間かかるし、ほんとすいとん良い料理だよ。
 ただね、人数分作るとなると大量に小麦粉練ってさ、ひたすらチギチギして結構大変そうだったよ」

時々やってくる客の対応をしながら会話に花を咲かせた。
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